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GoogleMapの悪評が悪いのではなく、口コミ数が利便性を上回っていない

GoogleMap 悪評口コミを巡り、医師らが集団提訴。

結論から言うと、私が思うのは「日本のGoogleMapの口コミ欄は未だ発展途上」だということ。いや、何もシステムやプラットフォームの進化の話ではなく。口コミ数自体が未だ発展途上だ。


匿名性や企業の責任ばかりを追及していくと、口コミを書き込むこと自体が否定され、まるで口コミ自体を自粛しなければいけないかのような風潮になっている。だが、口コミはGoogleMapだけではない。@コスメ、Yahoo!、食べログ、比較.com、たくさんのサイトで有効に利用されている。

一例を挙げると、Amazon。書き込みをしても割引クーポンが貰えるわけでもないのに、動画や写真まで付けてレビューが多数投稿されている。実は一昔前まで、アマゾンは多数のレビューを投稿したユーザーに対して、謝礼の物品を提供していた。その企業努力のおかげもあってか、レビュー数は大幅に増えた経緯がある。現在は廃止されているのだが、レビュー数は衰えることを知らない。理由は貴方自身がよくご存知なのではないだろうか。商品を検索した時、ずらっと一列にならぶ商品写真。星の数とレビュー数を見て、即決。これこそが、ユーザーにとっての利便性だ。この利便性を知ったユーザーは自分もその利便性を他人に共有したいと考えるようになる。Amazonユーザーは知り合いでもなく、相互フォロワーでもないのに、利便性を得たいがために、店の中で情報交換をするようになっている。

Amazonの書籍を見ていると、明らかにサクラだろうと思うようなレビューが並ぶ本もある。特定の著者のレビュー欄だが、本の内容は薄っぺらいのにレビューだけは複数あり、高評価となっていた。これを良しとするかの議論はさておき、悪評を取り消せるのは高評価だけだ。私もフードデリバリーで悪評化を点けられることがあるが、ほとんどの場合は自分自身に責任があるわけではなく、別の理由がある。それでも、その理由を説明出来る場所はなく、悪評化を訂正してもらえる機会はない。それをかき消せるのは好評価のみなのだ。

今回は医師の訴えということもあり、患者のプライバシーへの配慮義務があるとの点も指摘されている。だが、例えば完全なる噓「医者に骨を折られた」と書かれたのであれば、「事実無根」と書き込むことは可能だ。「薬を貰えなかった」であれば、「病気と診断された患者にのみ医師は薬を処方することができる」など、秘匿義務を厳守したままの反論ももちろんできるはずなのだ。

接骨院などは口コミ特典を付けているところもあった。口コミを書いてくれた人には次回500円引きのサービスがつく。それを見て、私はまんまとGoogleMapの星の数に引き寄せられたことを知ったのだが。だが、これをやったからといって、クレームの書き込みを防げるわけではないのだ。つまり、やはり好評価を増やせば対抗処置となり得る。もちろん、病院では特典はなかなかつけられない。例えば「口コミにご協力ください」その一言でもいいと思う。病院が困っていることを患者に素直に伝えればいいのではないだろうか。懇意にしてくれている患者なら、応援してくれることだろう。


私も眼科をGoogleMapで検索したことがあるのだが、昔通ったことのある眼科を見つけた。夫婦で眼科医の二人だったが、口コミを見て驚いた。「離婚されて、〇〇先生は近くで開業されました。」との一言。「へぇ。離婚して、わざわざ近くに開業せんでも。。。あぁ。でも患者さんは近所だからか。。」と想像した。先生達が公開したくない情報かもしれないが、患者からするとよく分かる内容だった。これを聞いて、皆さんは何を思い浮かべるだろう。私の頭には「近所の井戸端会議」が浮かんだ。「あそこの病院の〇〇先生、離婚したんだってよ。」みんなが目を丸くしながら「えっ!?それで?それで?」と言っているあの光景。

口コミはそれを可視化したものなのだ。

近所で話していたその人を、誰が訴えようと思うのだろう。
ネットで文字にすれば、見る人が増えて影響が大きくなるからだろうか。逆に「あそこの病院お勧めするよ」。井戸端会議では好評価だってもちろんある。近所で悪いうわさが流れた時、その噂はなかなか消えない。オンラインでも同じこと。ただ、私はオンラインの方が反論出来る場があるように思う。現実の世界より、反論コメントを入れることも出来るし、好評価をいれてもらう努力をすることも出来る。大勢の人が書き込むことで、真実は何かを見つけやすくすることは可能だ。

以前のYahoo!ニュースがそうであったように、誹謗中傷ともとれる悪評価ばかりが並んでいるのは、最低限プラットフォーム側の改善努力が必要だ。それでも、やはり次のステージは、ユーザー同士の情報共有がメイン機能なのだ。投稿数が少なく、信頼に値しないと判断されればプラットフォームが淘汰されていくだけだが、それがこの記事なのだろう。

GoogleMapの失敗なのか、ただ単に発展途上中なのか。

それは近い将来、GoogleMapの口コミ欄の賑わいを見ればわかるのだろう。



それでは、また。


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