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コミュ力おばけ

人見知りだ。現代語でいうと”コミュ障”というのだろうか。33歳にもなって何を言っているんだとも思うが、どうしようもない。そんな私に今、大きな壁が立ちはだかっている。

そう、保育園だ。

息子が0歳児保育に行き始めてから、はや1ヶ月がたとうとしている。息子は私の子とは思えないほど社交的な性格で、人見知りがない。保育園初日も、周りにいる赤ちゃんがお母さんとの別れを惜しみ泣きじゃくる中、彼はいっさい涙を見せず初めて会う先生に抱かれて教室に入っていったほどだ。母は少し寂しかったよ。と、まあそれはよかった。本当によかった。しかし、である。保育園とは子供と先生と私の三位一体ではない。そう、ママ同士の関係があるのだ。送り迎えで必ず会うママたち。送りはまだいい。ほとんどが出勤前のためにバタバタしている。問題はお迎えだ。みんな急いで帰るのかと思いきや、意外と立ち話しをしているママが多いこと多いこと。私はというと、できる限り”必殺存在感を消す”で潜り抜ける様にしている。そんな私のオーラを察知してくれているのか、ほとんどの場合あまり話しかけられることもなく、自分で存在感を消しているくせに、どことなく寂しい気持ちでそそくさと保育園をあとにしているのだが……

そんな中、あるコミュ力おばけなママがいる。めちゃくちゃ明るい、というわけでもないのだが、誰に対しても壁をつくらいのだ。そのママは保育園のママたちだけでなく先生たちとも仲が良いようで、長いことしゃべっている姿を何度も目撃してきた。もちろん、おどおどしている私にも明るく話しかけてきてくれる。

ここで突然だが、全国の人見知りを代表して言いたいことがある(なんの権限があって)。人見知りは決して人が嫌いではないし、話すのが嫌いなのでもない。むしろ人は好きだし、話したいけどドキドキしてうまくいかないのだ。

時、ではなく話を戻そう。

話しかけてくれて嬉しい、毎回本当に嬉しいのだが、私はいまだうまく対応できない。この前、立ち話になった際もニコニコと色々話してくれたのだが、私は「そうなんですね〜」とか「そっか〜うんうん」などと相づち定型文を繰り返すばかりで、会話になってさえいなかったのではなかろうか。もちろん別れた直後から反省が止まらなかったのは言うまでもない。それでもいつも話しかけてくれるのだから、きっと悪い対応はしていないのだと自分を信じている。

しかしなぜなんだ。なぜドキドキしてしまうんだ。これは恋なのか?悪くないだろう。いや悪い。慣れた人や仕事は問題なくこなせるのに(多分)。人見知り皆無の息子に聞こうにも相手はまだ赤ちゃんだ。

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今朝も無事息子を保育園に送り届けてきた。バイバイしている私の方を見向きもせず、むしろ早く遊び出したそうに彼はクラスの中へ先生に抱かれ入って行った。コミュ力おばけママは今朝も仲良く先生とお話している。それを横目に私は、おしめなどの準備をたんたんと終え、そそくさと保育園を出てきた。もしも今日帰り、このママが話しかけてきてくれたら、今日こそはいい感じの会話をするんだ!もはや毎日の日課になってしまった心の中での1人決意表明。それでも飽き足らず今日も同じことを心で決意するのであった。

悪くないだろう!(ぺこぱさん好き)



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