感想:ハグとナガラ

ハグとナガラ 原田マハ著
https://www.amazon.co.jp/dp/4167915715/ref=cm_sw_r_cp_apa_glt_i_T7W93F02JN6JCZ2ACTKG
 
インスタに載せたけど、使い分けが決まってないので、同じものを掲載。
(目的:アウトプットを将来の自分のためにストックする)
 
●あらすじ
 
さいはての彼女
 https://www.instagram.com/p/CGSBrwdj8j4/?utm_medium=copy_link
 に、収録されていた「旅をあきらめた友と、その母への手紙」の「ハグ」と「ナガラ」の二人旅の連作短編集。40歳を控えた年頃から、50歳を過ぎた年齢まで、高校の同級生だった二人の人生の岐路と母親に対する想いと、友情と旅。
 
●感想(若干のネタバレあり)
 
 いやぁ、なんか自分(の予想する未来)に重なって泣けた。
 まだ、ラストの二人の年齢には及ばないし、主人公のハグのように仕事は出来ないし、仕事に情熱は無いし、彼女のような挫折は味わっていないのだけど、近い将来の自分に重ねつつ、二人のような友だち関係を羨ましく思いながら読み進めた。
 読みやすい文体と、読みながら自然と浮かぶ情景に、移動中の電車の中で集中して、あっという間に読んでしまった。
 
 後半のお話で、親の認知症や亡くすことに対する会話やシーンが出てくる。私自身はまだ、両親ともに健在だし、認知症にもなっていないけれど、離れて暮らす一人暮らしの義母が認知症になり、その数年後、心筋梗塞で亡くなった。長男の夫は献身的に、とまでは言えないかもしれないけれど、頻度を上げて実家に通うなどしていたし、彼なりに出きる範囲で心を配っていた。
 私の両親も、健在ではあるが、二人とも特に趣味もなく、仕事をやめた後コロナ禍でほぼずっと家にいる。丈夫で力強かった母は、60を過ぎてからは、よく体調を崩しているし、30年前の脳卒中の後遺症で障害の残る父は、いつ認知症になるかも分からない。(糖尿病だし、高血圧だし、頸椎ヘルニアもある)
 
 親孝行、したいときには親は無し
 
 最近は、この言葉が沁みる。と言うか、耳が痛い。
 親孝行しなきゃなぁ、と思っていても、億劫でなかなか会いには行けていない。
 このGWは顔を出したが、去年はコロナを口実に丸一年会わなかった。
 (県外だけど、電車で30分弱くらいの距離なのに)
 久しぶりに会った母親が急に年を取った感じがして、誕生日と母の日を兼ねて、SwitchLiteを贈った。ずっとスマホでソリティアとかツムツムやって、夜更かしすると聞いたので、脳トレゲームと一緒に。
 
 きっと、この後ろめたさと寂しさが、旅ではなく、二人の母親に対する想いを、私に一番強く感じさせたのだろう。
 人間的誰しも必ず死ぬ。いつか死ぬんだ。いつかは絶対。いつかくる、その時まで、少しでも「人生を足掻こう」
 
 あわよくば、十年後、二十年後、子育てを終えたかつての友人と、ハグとナガラのような二人旅が出きることを祈って。
 
 
#ハグとナガラ

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