五輪決行or中止？それぞれの最悪シナリオ

小池都知事が発言。東京オリンピック「中止」はありえない――

いや、長いこと準備を進めてきてそう言いたくなる気持ちも分かるけれど、「五輪どころではないだろう」というのが率直な感想なわけで。イタリアでも結構な数の死者がでているようだし、開催まであと約4カ月‥‥残された時間は案外短い。

東京五輪がもたらす危険

いわずもがな全世界的なイベント。もし、万が一のことが起きた場合、責任問題だって問われる可能性も。IOCに、全ては転嫁できないだろう。

その手の専門家が以前に3通りのケースを示唆していた。中止と延期、それからロンドン辺りでの代替開催案‥‥。まぁ、いま現在WHO（世界保健機関）がパンデミック状態であるとの見解を示しているほどだから、代替の可能性は低い。

となると、もっとも現実的なのは、やはり延期案か‥‥。この延期というのも、いつに延期するのかが最大の焦点であり、仮に秋、一年後となった場合、日程の調整は極めて困難である。

さらにいうと、私のような傍観者だからこうして「延期」などと簡単に言えるが、実際に五輪に出場する選手方にとっては死活問題。もう一度「そこ」へピークを持っていく、合わせるのが容易でないのは目に見えており、場合によっては再度、選手選考が行われるパターンも、考えられなくはないわけで。

中止がいいのか延期がいいのか、筆者には分からない。ただ現状、予定の7月開催はどう考えても厳しいのではないか。よしんば観衆のほぼ全員が、マスク姿のオリンピックなんて見たくない。

‥いずれにせよ、そう遠くないうちに何らかの発表がなされると思うが、勇気ある英断が求められる。