小人の仕業
朝起きて眼鏡をかけようとしたら「モダン」と呼ばれる箇所、耳にかけるところの部分なのだが、そこがいくら探してもない。寝る前にテーブルの上に置いておき、起きてテレビ(サンデーモーニング)を見ようと思って発覚。たしかに昨夜の時点ではあった。実際、私はその眼鏡をかけていたのだから。同居人はおらず、犬猫も部屋にいない。つまり、持ち出し(飲み込み)不可......
故障なのか寿命なのか、もともと、当該部分は外れやすくなっていた。でも、元のようにハメれば機能は損なわれていなく特段問題なかったし、掛けごこちが良かったのもあって、そのまま使用していた。おかげで今朝は「喝」のオジサンが、いつもよりも霞んで見えた。
家のどこかには必ずある。おそらく、あとで何事もなかったようにボロっと出てくるのだろう。
‥‥ぜったい近くにあるはずのモノなのに、いくら懸命に探しても見つからない、出てこないといった経験は、きっと皆さまにも一度や二度あるのではないだろうか。
この事象に遭遇したとき、私は「アウターゾーン」という漫画を思い出す。作者・光原伸による、主に怖い話を扱った作品だが、過去にそういったストーリーがあったのだ。
人間の目には見えない、小人のような悪魔がワルさ(イタズラ)をしている――
ブツを隠し、主が困っている姿を楽しむ。時間を置き、目を離した隙にブツをこっそり元の場所に戻しておき、それを見つけた主の様子を見て笑う。今朝の、筆者のパターンは、良心を持たない小人の仕業にちがいない。
ただ、今回のブツにかんしていえば「見えづらい」のは、目の悪い自分にとって、いろいろ死活問題となり得る。他のモノは何でもくれてやる。だから小人よ、それだけは一刻も早く私の元へ返してほしい。
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