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前半を振り返る

昨年の暮れ「中国の謎の新型肺炎」のニュースを目にした時は、このような事態になるとは想像もしなかった。

 2020年国際宝飾展(1月20~23日)は旧正月直前ということもあり、
予想通り中国からのバイヤーはやや少な目だった。宝飾展を前後して中国ではコロナ感染が急速に広がり、日本でも感染者が報告され始めた。

日本は中国からの入国規制はせず、旧正月休みが始まる、そして感染者数の多い武漢がロックダウンされた。

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中国全土がロックダウンされ、広東省の工場は旧正月休みから引き続きしばらく閉鎖することになる。(発注先の香港ジュエリーメーカーの工場は広東省の番禺にある。)

3月に入りようやく工場は再開したが、故郷がロックダウン中で工場に戻れないスタッフ、自宅待機を余儀なくされるスタッフ、稼働率は50%以下まで落ちる。

海外からの注文がストップ、キャンセル、支払いの遅延が発生し、海外からのオーダーに頼っている香港の会社にとっては大打撃となった。特にアメリカからの注文は全体の80%を占める。

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このパンデミックはすぐ私にも影響した、最初に直面した問題は注文した商品が届かないことだった。

その頃私はサンプル作りを進行中でしたが、オーダー激減のため工場は縮小、スタッフは週2日しか出勤出来ない中での打ち合わせはなかなか進まない。

そして物流に影響が出た
中国=香港間の移動規制のため物流が滞り、輸出入も通常通りに出来なくなった。

飛行機の便数が減少したためEMSは遅延、いつ届くか分からない状態。もっとも当時はマスクや医療用の救援物資の輸送が最優先。FedExやDHLなど自社の配達ネットワークサービスがある業者さんだけが頼り、このような状況下なので送料の値上は仕方なかった。

今まで当たり前だった移動が出来なくなった
コロナの影響で多くの企業がサプライチェーンの国内回帰、海外へ生産を頼る危険性を見直した。

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次に直面した問題はジュエリーショウの延期、キャンセルだ。
3月の香港ジュエリーショウが延期された。日本、香港、バーゼル、アメリカを始め世界中の展示会がキャンセル、延期となる。

ジュエリーショウでのトレードも打ち合わせが出来なくなったのだ。

買い付けは直接見て、手に取って商品を確認することは重要だ。打ち合わせや商談は直接会って説明しなければ微妙なニュアンスが伝わり難い、そんな当たり前のことが出来なくなった。

そのような状況下でも多くの企業、ブランドは素早くオンライン化で対応した。
インスタグラムで商品を紹介したり、スカイプやZOOMでセミナーへと移行した。アメリカのJCKでは初のVIrtual Show(オンラインジュエリーショウ)を8月11ー14日の4日間開催した。事前登録すれば誰でも参加出来て、以前よりも便利さを感じる。このようなオンラインでのコミニュケーションは今後も継続するだろう。

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一方日本は緊急事態宣言を4月7日に発令され、政府は外出自粛要請と店舗の休業要請した。小売店、展示会、イベントなどが開催制限され、百貨店も休業を余儀なくされた、海外のロックダウン(都市封鎖)のような強制力は無いものの、みんな不要不急な外出はしなくなった。直接お客様とお会いすることが難しくなりました。

高価なジュエリーを扱うこの仕事は、お客様との信頼関係がとても大切なので、直接お客様にお会いすることが基本です。しかしこのような状況下でもLINEやスカイプでもお客様と繋がれるという嬉しい発見が出来きた人は多いことでしょう。

急速に日本のジュエリー業界もオンライン化が進み、オンラインショップの立ち上げたブランドや小売店さんが増えました。

巣篭もり消費が限定的ですが見られたそうです、リフォームの相談も増えました。家で過ごす時間が長くなったので、身の回りのものを見直す良い機会となったことは事実です。

今はジュエリーは不要不急のモノ、私たちが最も投資すべきものは自分自身です。平常にビジネスが出来なくても健康を最優先に、新しいことに躊躇せず、変化す環境に適応し進化する力が必要だと思う。

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東京都の休業要請が解除6月11日に解除された、
収束するまで当面の間、不特定多数のお客に対面して接客するファッション小売業は、コロナ感染の万全の対策を取らねばならない。
販売員はできるだけお客と距離を取らねばならないし、話す時間も短くすることも必要になる。
さらに、本来の接客以外のマスクの着用や感染予防のため消毒作業など仕事が増えるであろう。



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