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あたたかな夢の中へ|羊文学「まほうがつかえる2023」レポ

12月25日にフェスティバルホールにて開催された羊文学「まほうがつかえる2023」に行ってきました。音響が大好きなホールなので楽しみありつつ、はじめての羊文学ワンマンにどきどき。

羊文学とは

ギターボーカルの塩塚モエカさん(私はモニさんと呼んでいる)、ベースコーラスの河西ゆりかさん、ドラムのフクダヒロアさんからなるスリーピースバンドです。最近は「メインストリームとアンダーグラウンドの両立」を掲げているそうで、最近ハマった私が言うのもなんですがゴリゴリアンダーグラウンドの感じを崩さないでいてほしいな、と思ってたりします。とにかくグイグイ来てます。

全曲ざっと感想


暗転した沈黙の中、モニさんギター弾き語りでの「Hug.m4a」。”静かに燃えるあなたの命を離さないで”という歌い出しから一瞬で心を持って行かれた。最新アルバムの1曲目をいきなり聴けるとは…!

そして2曲目から揺れを感じさせるイントロ。ゴリゴリロックを効かせる仮タイトル「スマホ」だったらしい「Addiction」は座席の背中からも振動を感じる音の嵐。次はフェスのリハでお馴染みの「パーティーはすぐそこ」。キラキラとしたミラーボールも動き出し、ここはパーティーなんだと胸が高鳴る。

つづいてフクダの4つ打ちに合わせてみんなで手拍子。”嘘つくな”で歌い始める「変身」。”もうすぐ世界が終わるとしてみて、あなたはほんとにいいの?”のところがいいよねぇ。

弾むイントロから始まり、会場みんなで歌う「GO!!!」では、一緒にグーを突き出すことができてうれしい。2番の”いえーい!”のところでピースを高く掲げるゆりかさんが可愛い。

そして静かなイントロからはじまる「深呼吸」からの「honestly」。新しいアルバムで1位タイに大好きなこの2曲。「深呼吸」ではやっぱり泣きそう。「honestly」は曲調もしかり、歌詞は「人間だった」にも通じる鋭さがすごく好き。特にモニさんのこぶしや低音がかっこよすぎる…。

「マヨイガ」ではモニさんの優しさが詰まっていた。アウトロのフクダのシンバルが好き。
そして「マフラー」!これが収録されているEP「オレンジチョコレートハウスまでの道のり」がすっごく好きなので嬉しい。ベースの音は車のマフラー、モニさんの歌声はあたたかなマフラーみたい。

最新アルバムからの「人魚」。海を泳いでいるようなメロディーだけど、演出の照明は止まっていた。きっと感情と時間が止まっている曲なんだと思う。

モニさんから、隠れクリスマスソングと紹介があった「キャロル」。”ねえサンタクロース教えて 奇跡は僕にも起こるかい?”という歌詞が素敵。
高い声と抑えめな感情の「つづく」もよかった。

そしてぴかぴかひかるイントロからの「光るとき」、「more than words」で盛り上がりは最高潮に。特にフェスとの違いがよくわかった。ゆっくりめテンポでの演奏で、一音一音を手にとるように聴ける素晴らしさ。wordsのドラムの淡々と無機質な感じが推しです。

次が最後の曲ですと言いながら、「1999」。モニさんゆりかさんのハモリがホールいっぱいに響いていてほんとうに綺麗だった。これで最後かぁ…と感傷に浸りそうになった瞬間、鳴り響く低音イントロの「FOOL」!これにはやられました。やっぱり羊文学はロックバンドなんだなというのを見せつけられ、赤いライトに照らされて力強く歌うモニさんはこの上なくかっこよかった。

アンコールではグッズ紹介と、24日にお誕生日を迎えたゆりかさんのお祝いを。フクダがポスターのこと間違えてポストって言っちゃったの可愛いと思ってしまいました(ごめんなさい)。そしてとある流れで両手をかざしてパワーの交換会が始まって、ひとしきり笑った後、モニさんが控えめに言った「あいまいパワー」が可愛かったぞ!

そしておなじみ「あいまいでいいよ」は盛り上がるね〜。
そして最後に弾き始めたのが「ワンダー」!私的、羊文学のイントロランキング1位がこのタイミングで来るとは思っていなかったのでおわわ!って言ってしまった。ほんとうにきれいな曲。最後のドラムも最高だったなぁ。

総評

フェスティバルホールに響く2人のハモリ、モニさんのつよさやさしさ、フクダの細かさ、背中からも感じるゆりかさんのベースの音、すべてが美しい。3人がつかう、まほうの実力をどっぷり体感できたことが嬉しかった。

そして3階席からの眺めは、フクダの手捌きがよく見えた。あいまいとかwordsでめっちゃツボなシンバルの音が生み出される瞬間がたまらんかった。個人的には他では感じない解像度の高さ細かさがあるフクダのドラム、めっちゃ推しです。

今年はフェスで2回羊文学を見てからのホールの羊文学、だったのでその違いも味わえたと思う。
フェスでは(気持ち)テンポ早めに対して、ホールはあえてテンポ遅め。ベースの音の切り替わりがわかりやすかったし、2人の声がより響いてよかった。あとイントロのドラムが際立つところもいい。個人的にはホールの方が好きかも。

羊文学には出会ってまだ1年くらいなのですが、まさか年に3回も見に行くほどハマるとは….ライブに行ってから、曲に対しての解像度も高まった気がして、まだまだ沼にハマりそうです。クリスマスに特別なライブをありがとう!


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