【橋下徹研究⑪】「副市長案件」弁明の崩壊と橋下市長関与の証明|山口敬之/Hanadaプラス要点切り抜き
「副市長案件」で突っ走った橋下徹と維新
・松井市長がインターネット番組で、咲洲メガソーラー事業は副市長案件で、橋下徹市長は指示も出していないし、報告も受けていないと弁明
・その後、吉村洋文府知事もツイート
橋下市長の関与を証明した6月10日大阪市議会
・松井市長が「副市長案件」を強調した理由
2011年12月に就任した橋下徹市長が、2012年10月に決定された咲洲メガソーラーの事業決定に一切関与していないことを示すため
この弁明は、「港湾局が遊休地活用の観点から咲洲でもメガソーラー事業をやることにした」というストーリーから全てがスタート
遊休地だったからこそ、
・不動産賃貸借契約という形式になり、
・賃料さえ入ればいいので、入札時にメガソーラー事業の実績などの調査も
十分には行わなかった、と説明。
・しかし、上海電力がいまメガソーラー発電を行なっている場所は、決して遊休地ではなかった
・大阪市が国土交通省と経済産業省に対して、
「分散型太陽光発電の実証実験を行う」と宣言していた土地だった
・この衝撃の事実を暴いたのが、6月10日の大阪市議会における前田和彦市議の質疑
・橋下徹氏が市長に当選したのは、2011年12月19日
・だから橋下氏は府知事時代から積極的に関与していた「関西イノベーション国際戦略総合特区」について、今度は大阪市長として「咲洲地区スマートコミュニティ実証事業」を行うことを前提として、政府から特区の承認を受けていた
・ところが、咲洲での分散型太陽光発電実証実験の予定地のうち、1か所だけ計画が白紙撤回された。
・それこそが、現在、上海電力日本がメガソーラー発電事業を行っている土地
・国土交通省に計画の詳細を報告した上で補助金の交付を受け、しかも他府県他市と共同で提出し承認を受けた「関西イノベーション国際戦略総合特区」構想にも記載されていた実証実験を変更すれば、補助金が交付されなかったり、特区認定の撤回という最悪の事態もありえた
・国に報告し補助金受給の根拠となったプロジェクトの一部白紙撤回というリスクの高い計画変更を、橋下徹市長以外の誰が決めることができたというのか
・咲洲など大阪湾でのメガソーラー事業について2012年9月19日、橋下徹市長はこんな発言をしていた。
・府知事時代の思い入れも込めて、新市長として大阪湾でのメガソーラー事業に該博な見識と並々ならぬ意気込みを開陳
・「関西イノベーション国際戦略総合特区」についても、直前の大阪府知事として、そして現職の大阪市長として、大規模特区の内容を熟知していたことがよくわかる
咲洲メガソーラーは紛れもない「橋下徹案件」
・咲洲メガソーラー事業の実現には行政的に2つの手続きが不可欠だった
(1) 「咲洲地区スマートコミュニティ実証事業」の事業計画変更
→分散型太陽光発電実証実験の一部白紙撤回
(2)白紙撤回した土地でのメガソーラー事業決定
・咲洲地区での分散型太陽光発電実証実験を含む「関西イノベーション国際戦略総合特区」が特区認定を受けたのが2012年3月9日
・(2)については、6月10日の大阪市議会で大阪市側が「2012年10月10日の幹部会議で決定した」と答弁
ということは2012年3月9日〜10月10日に、
(1)の分散型太陽光発電実証実験の計画の一部変更を大阪市が基幹決定し、国土交通省や経済産業省、そして特区のパートナー自治体に対して報告していたことになる
・咲洲メガソーラーと実証実験の関係について、6月10日の大阪市議会の審議で重大な発言が飛び出していた
・「関西イノベーション国際戦略総合特区」で大阪市がアピールしたのは、
「分散型エネルギー供給拠点と融合EMS(エネルギーマネジメントシステム)」であって、
・複数の施設を対象としたエネルギーマネジメントシステムの構築と
・自立・分散型発電システム、蓄電・蓄熱システム導入・開発だった。
・具体的には、咲洲地区内の施設が保有する電源、熱源の共有化とエネルギー需給の制御により、地域のエネルギー消費量の最少化やピークカットを行うエネルギーマネジメントシステムの構築を図る実証実験だった。
・現在、上海電力が発電を行っている土地だけは、こうした先進的な実証実験には全く参画しなかったのである。
・「やる」と言って国に報告し補助金まで受給した事業を「さしたる理由もなく」変更することなど、普通に考えれば絶対にあり得ない
・この危険かつ強引な決断をしたのは一体だれか橋下徹氏や松井市長は、これも「副市長案件」として当時の田中清剛副市長が決めたと抗弁するのだろうか
・こんなに重要な計画のあった土地を「遊休地だった」と抗弁する橋下徹氏の弁明には何の説得力もないどころか、事実を歪曲し隠蔽する悪意がはっきりと浮き彫りになっている
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