【詩】背伸びをしても

「愛してみせて」
さらけ出された乳房を見つめ息をのむ
左右で大きさのちがうそれの先端は
ピンクというよりくすんだ茶色で
日焼けを知らぬ肌のしろさに不似合いだ
へそのあたりに落ちた濃紺のキャミソール
細い肩紐を指先で摘んで持ち上げる
小枝の腕のその先の
あるべき場所に戻してみる
不自然なオーバーリップが歪む
仕事を終えた僕の両手
傷んだ金髪を撫でてみる
そのつけまつ毛、やめた方がいいよ
なんて言えなくて
嘘をついた
「また今度」

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