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古い絵柄と新しい絵柄と流行とリバイバル

絵を描くのが好きだ。
趣味は他にもある。エレクトーンを弾くのも、小説を書くのも、音楽を聞くのも、実況動画を見るのも、お抹茶やコーヒーを飲むのも好きだ。
その中でも、私にとって絵は特別だ。

ものごころついたころから絵を描いていた。
通っていた幼稚園が美術に力を入れていた影響もあるかもしれない。
小学生のころNARUTOにハマったのをきっかけに、絵を描く楽しさにのめり込むようになった。

ついぞ美術部には入らなかったが、高校時代はいわゆるアニ研のような、部員たちとだべりながらひたすら趣味のイラストを描く部に入り、3年間どっぷりオタ充していた。
当時、自分の携帯サイトを作ってラクガキやSSなんかを投稿したりもした。

社会人になり、満を持してTwitterデビューをした。
仲間がたくさんでき、嬉しかったのを覚えている。
でも、Twitterは楽しいだけではなかった。

ある時、私の絵柄を古いという人がいることを知った。
絵柄が古いってなに?どういうこと?と思ったし、古いと言っていたらしい人の絵の雰囲気も私の絵とそんなに変わらない、等身高めの絵だった。
当時の相互フォローだったので、その人の絵はよく知っていた。
「絵柄が古い」という意味がわからなかったが、影で見下されている・馬鹿にされていると思い、大変にショックを受けた。
その話を聞いたのも2017年とかでもう何年も前のことだけど、未だに呪いのように気になって仕方ない。

ずっと絵柄の古さについて考えながら絵を描いていた。
バズった絵からいいなと思う表現を取り入れたり、好みの顔を描く人の絵のバランスを研究したり、自分なりにいろいろ勉強や工夫をしてきたが、絵の「古い」「新しい」は未だにわからない。

先日、「趣味だし、絵を描くことでお金を稼いでいるわけでもない。好きなものを描いているのにどうして古い・新しいを気にするのか」と聞かれ、うまく答えられなかった。
別に古かろうが新しかろうが、私に損害もなければ利益もない。
こだわらなくても構わないはずなのに、古いと言われて悔しくて、恥ずかしくて、惨めな気分が晴れる気配もない。

どうやって説明しようかぐるぐる考えて、パッと口から出たのが「ダサい」というワードだった。
私にとって、「絵柄が古い」というのは、「服が時代遅れでダサい」というのとイコールだと思い当たった。
「今着ている服が古くてダサいと言われているような気分になるんです」と伝えると、先方は理解してくれた様子で「なるほどね」と言ってくれた。

たかが絵じゃないか、と言われると困るけれど、私にとっての絵はそのくらい思い入れがあるものだった。

服だったらマネキン買いすれば流行に乗れるけど、絵柄はお金で買えない。
お金で買えたら苦労しないのにな、と思う。
あと、流行りの絵柄といっても人によって好むテイストはまちまちだ。
ちゅるんとしたいかにもデジタルです!というような絵を好む人もいれば、あえての80’s風味がレトロでおしゃれという風潮も強くなってきている。
どこを目指せば良いのだろうか。

試行錯誤で絵を描く日々から脱せる日は来るのだろうか……。

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