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人生のからくりが見えた一冊〜『カニカマ人生論』読書感想文〜

この本を読み、まず一番の感想は、
「私もこんなエッセイが書きたい!」
でした。
私も広報誌にエッセイの連載をさせてもらっていますが、毎回、
「この内容で読者は楽しんでくれるのだろうか……」
と不安になります。
『カニカマ人生論』は、
ユーモアたっぷりでどんどん世界に惹き込まれていき、楽しく読ませていただきました。

作品を書くときに私が何より一番悩むのがタイトルです。
インパクトのあるタイトルが浮かばなくて、タイトルだけで何日も何日も悩みます。
『カニカマ人生論』は、
タイトルからして惹きつけられます!
「うん?かっ"カニカマ"?どういうこと?」
中を開いて、
「なるほどー!」
思わず大きな声をあげてしまうほど。
まるで高級なカニそっくりな味で
安くておいしく更に栄養豊富な優秀な食品
"カニカマ"
まるで日本が誇る
"モノマネ芸"
の元祖のようだということで、
カニカマ=モノマネ
と掛けたのだとわかり
腑に落ちました。
そして、
「なんて素晴らしいネーミング・アイデア!!」と
心から拍手を送りました。
モノマネ芸人の人生が綴られた一冊
これは内容もとっても気になるタイトルです。

読み進めていくにつれて
どんどんどんどん沸き起こる納得の嵐。
「こうやって清水ミチコさんはできたんだぁ」と
ページをめくるたびに頷きながら読んでいました。
生まれ育った環境
家族やまわりの人たち
友人
出会った方々
全てが、
清水ミチコさんを作り上げたのだと
その人生に感動を覚えました。
まるで、からくりの中を覗いた気分になりました。
そして、清水ミチコさんがこれまでよりも更に好きになりました。

これまでは、
テレビに映る清水ミチコさん
モノマネをして多くの人を笑わせてくれる清水ミチコさん
として好きでしたが、

この本を読んで、
清水ミチコさんの人生そのものが大好きになりました。
これまでの経験ひっくるめて全て大好きになりました。

人は、
出会った人や環境や経験を積んで成長したり、
その人になっていくのだと、
沁み沁み感じた一冊でした。

読み終わったあとは、
なんだか難しい問題がやっと解けたような
そんなスッキリした気持ちになりました。

『カニカマ人生論』
素晴らしいエッセイです。

最後に改めて一言
「私もこんなエッセイを書きたーい!!」


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