エンドレス・ヨサコイ

  夏というものは、非常に都合が良いので私は大好きです。
「夏だし」「夏といえば」「夏らしく」と、夏に絡めておけば、あとは勢いだけて何でもできてしまう、本当にありがたい季節だと思います。
 そもそも私は夏生まれなので暑さと相性が良い。
「あっつい!あついよぉぉ!」とへろへろになりながら炎天下の中を歩くのは嫌いじゃありません。
 
 あと、夏って人それぞれ定番があるんですよね。海とか花火とかフェスとか、「ぼくのわたしの夏はこれ!」っていうのが皆ひとつやふたつあるのではないかと思います。

 涼宮ハルヒが「夏は夏らしく夏じみたこと」をしたいがために夏休みを15000回以上も繰り返したという話は有名ですね。
 知らない方は見て欲しい。あれは私の人生を確実に変えました。
もし私が映画監督になったとき「この監督、『エンドレス・エイト』に影響を受けているんじゃないか」という考察やら感想がネットに上がると思うので、先に書いておきます。ちなみに今のところ映画をつくる気はない。
 
 ネタバレになるので詳しくは書きませんが、ハルヒはありとあらゆる「夏らしいこと」をやりつくしてもなお、満足できず夏休みを繰り返しました。
 最終的にループを抜け出すことができたのは、唯一ハルヒが経験していなかった夏イベントだったんですが、別に珍しいものでもなく、誰もが経験したことがあるものです。
 私はそれを見て、「夏を感じるポイントは人それぞれで、自分なりの夏ポイントを見つけられた者だけが夏という貴重な時間を制することができるのだ!!」と思ったのです。 

 私の場合、「よさこい」をやっていた夏が3年間あったのですが、それが私の夏を決定づけました。「夏は踊るもの」だと。
 こうやって迷いなく言えるのはやっぱり好きで楽しくて仕方なかったからです。

 実際のところ、踊らない夏を迎えるのが今年で3年目になります。
 同時に、「なぜ私はこんなにも踊り狂っていたのだろう」と考えるのも3年目になりました。
 
 よさこいを見たことがある方ならわかると思いますが、ジャズとかヒップホップみたいな振り付けも入りつつ、あくまでもよさこいは「踊る阿呆」であることが基本だと私は思っています。
 阿呆って感情を抑えることを知らないので、それこそ気持ちで踊る。
「こうやって踊る」とか以前に「こういう気持ちで踊る」の方をまず大事にしてくれるのがよさこいです。
 (正直、よさこいが好きっていうより踊るのが好きなんだと思っていたんですが、最近全く別のジャンルで踊り始めてこういうことに気付きました。)
 
 だから私は、「二度と戻ってこないこの夏を何とかして納得いくものにしたい」「今年の夏を後悔なく終わらせたい」という気持ちを爆発させてアホみたいに踊っていたわけです。
 たぶん「私の夏はこれなんだ」という確信が欲しかったんじゃないですかね。もう完全にハルヒの影響だよ!!!   
 
 ただ、今の私が「あの頃こうしていればよかったなぁ」と過去をいつまでも引きずらないでいられるのは、ハルヒが夏休みループを抜け出したのと同じように、自分の夏に満足できたからです。
 
 未練はない。が、
「夏は踊るもの」だという私のマインドが変わっていないからこそ、夏になるたびに「なぜあんなに踊り狂っていたのか」という疑問が湧いてくるわけで、、、。やっぱり夏は甲子園だけじゃ足りないみたいです。

 音楽好きがロッキンに行き、二次元好きがコミケに行くのと同じ感覚で、私も踊る阿呆になりたくなるんだろうな。