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聖NS学園21話

この物語を初めて見てくださる人へ


登場人物の設定はこちらから

これまでのあらすじ(これまでの話を簡単に要約しました。)

超名門校の聖NS学園に通う中学1年生の星南羽菜 せいなんはな
生徒会長に憧れ、後期の生徒会に立候補する。

1学期では、羽菜は生徒会のメンバーではないものの、生徒会にやたらと遊びに来たり、生徒会の会議に出席するなど数々の問題行為をしていた。

しかしそれはただの迷惑行為ではなく、行事を成功させるために無理をしている生徒会のメンバーへの気遣いだということが分かった。

後期生徒会選挙では堂々としたスピーチで生徒の心を掴み、見事当選。
前期生徒会のメンバーと共に学校をより良くするために励む、
友情と青春の物語。

前期生徒会のメンバー紹介

生徒会長
星葉 姫 ほしば ひめ

副会長
八雲 蒼生やくも あお

書記
白銀 黒 しろがね くろ

会計
熊野 陽太 くまの ひなた

聖NS学園23話


前回までのあらすじ!!
主人公星南羽菜は一年生ながら生徒会長を夢見て生徒会選挙に立候補!
しかし、生徒会の先輩と馴れ馴れしく接していることに反感を持った生徒もいた。
羽菜は反感を持った生徒に妨害されながらも堂々たるスピーチを行い、
それに心をうたれたのか、
見事生徒会庶務として生徒会執行部に入ることになったのだ!
新生徒会の絆を深めるため遊園地に向かった
一同。
トラブルもあったが
楽しい思い出を作ることができた。
そこで羽菜は見覚えのあるキーホルダーを拾い…


遊園地から帰ったあと、私は拾ったキーホルダーをずっと見ていた。

キーホルダーの見た目からしてお店で売っているものではなく、手作りのもの。

届けるって言っていたけど、このキーホルダーが気になりすぎて持って帰ってしまった。

ちょっと罪悪感はあったけど、自分でこのキーホルダーの持ち主を探せるような気がしたから持って帰ったって言うのもある。

羽菜
「あ!もしかして…!」

私はふと思い出した。

自分の鞄を持ってきてそこについているキーホルダーを見た。

そのキーホルダーは拾ったキーホルダーとよく似ていた。

羽菜
「私のキーホルダーの色違い…?」

でも、私のキーホルダーは…




それから夏休みが過ぎて、新学期が始まった。

よーし!

今日から本格的な生徒会メンバーとして活動するぞー!

私はルンルンで廊下を歩いていると

生徒
「星南さん!」

だれかに声をかけられた。

私が振り向くと、その人は私の選挙のときに私を邪魔してきた先輩だった。

羽菜
「え、えっと…な、なんですか?」

私はちょっと躊躇いながら返事をした。

その先輩は目を輝かせ、言った。

生徒
「あの堂々とした態度、スピーチ、素晴らしかったです!」

え。なんか疑っちゃうけど…
演技じゃないよね?
私はちょっと戸惑いながら答えた。

羽菜
「あ、ありがとうございます!生徒会の仕事も頑張るので応援してくれると嬉しいです!」

私がそう言うと周りのがざわついた。

え、な、なに…?

なんだか嫌な予感がした。

私が困惑しているとチャイムが鳴った。

羽菜
「あ、じゃあ私はここで失礼します!」

私は急いで教室に戻った。


〜1-1ホームルームで〜

先生
「今日は転校生がこのクラスに入ります。初めてで不安かもしれないので、仲良くしてあげてください。」

転校生かぁ…

この学校って転入試験なんてあるんだ…

女の子かなぁ…

私はぼんやりとそう考えていた。

先生
「では、どうぞ〜」

クラス全員がドアに釘付けになった。

するとドアから女の子が入ってきた。

ポニーテールの眼鏡をかけたおとなしい雰囲気の女の子。

少し緊張した様子だった。

由利野 ゆり
「由利野 ゆりです。私は絵を描くのが好きです。転校してきて、不安もありますが、よろしくお願いします。」

絵が得意なのかぁ…

いいなぁ…

私は、ほおづえをついて、ゆりちゃんを見つめていた。

先生
「では、そこの空いている席に座ってください。この学校になれるまでは、生徒会執行部の羽菜さんにいろいろと教えてもらってね。」

先生はそう言った。

由利野ゆり
「は、はい。」

え!?わ、私!?

なんでっ!?

学級委員は!?

由利野さんはこちらに向かってきた。

そういえば、隣の席が空いている。

由利野さんの席ってそこ!?

私は慌てていた。

え、どど、どうしよう!

話しかければいいのかな?

羽菜
「あ、え、えと、先生から紹介された羽菜です…由利野さん…よ、よろしくお願いします!」

私がそう言う。

ゆり
「あ、どうも。え、えっとこの学校のこと、まだわからないので、お世話になります。よろしくお願いします。」

謙虚だなぁ…えらいな。

羽菜
「私のことは好きに呼んでもらって良いよ!私はゆりちゃんって呼んでいい?」

ゆり
「分かりました。羽菜さんよろしくお願いします!」

けけけ、敬語!?

や、やばい!私、がっつりタメ口で話してしまった!

私は手で顔を押さえてしまった。

ゆり
「?羽菜さん、どうしました?」

羽菜
「あ、いや、何でもない…です…よろしくお願いします…」

私は俯いた。

どど、どう接したらいいんだろう…

ゆり
「あ、えっと、もうそろ1限目が始まりますよ。少人数教室…ってどこでしょう?」

私は我に帰った。

生徒会としてしっかりと降り回らないと!

羽菜
「あ、そうですね!行きましょう!」

私はとりあえず、敬語をつかってゆりちゃんと話すことにした。



生徒
「あ、見て見て!生徒会の方々よ!」

その声を聞いて私が振り返ると姫先輩達が並んで歩いていた。

移動教室なのだろうか。

その4人はお淑やかという言葉がふさわしいくらい上品な雰囲気だった。

いつものことだけど。

羽菜
「あの人達が生徒会の人。右から陽太先輩、蒼生先輩、姫先輩、黒先輩。この人達は1人につきファンクラブがいくつも存在していて、すごく人気な先輩方なの。」  

私はゆりちゃんに先輩を紹介した。

ゆり
「へ、へぇ。羽菜は?生徒会の人なのでしょう?」

ギクっ。

羽菜
「私は最近生徒会に入ったばかりだから…」

私は苦笑した。

ゆり
「そうなのね…」

私は先輩達をじっと見た。

先輩…生徒会室にいる時とキャラが絶対違う。

今朝のことが頭をよぎった。

今朝、選挙の邪魔をしてきた先輩に私がありがとうって言った時。

私のことを何かを噂されている感じだった…

朝、ざわざわされていた原因はこれかも知れない。

つ、つまり…?

私は気品がないってこと…?!

たっ、たしかに私は蒼生先輩や黒先輩よりは気品がないけど、
姫先輩や陽太先輩よりは大人しいでしょ!!!



謎の声ww) 説明しよう!!

たしかに姫や陽太は少しはキャラをつくっている。

だがしかし、羽菜は羽目を外しすぎて
姫と比べ物にならないくらい気品がないと全校生徒に知れ渡っている!

この学園では生徒会はエリート中のエリートしか入れないという先入観がある。

成績トップ、言動も上品!

これが生徒会のイメージである。

人間関係において第一印象はとても重要。

第一印象が悪いとその後どんなに良いことをしても印象は早々覆らない!

そのことを羽菜はまだ知らなかった…




ゆり
「羽菜?どうしたんですか?授業が始まりますよ?」

羽菜
「あ、ごめ、すみません!行きましょう!」

私も気品を保たねば…!

謎の声)挙句こんな妙なことになる。



ー生徒会室ー

羽菜
失礼いたします。

私は生徒会室に入った。

先輩達は口をあんぐり開けて私を見ていた。


「羽菜…どうかしたの…?!」

陽太先輩も近寄ってきた。

陽太
「頭でも打ったんじゃないか!?」

ちょっと!敬語使ったぐらいで心配されるなんて、!

私を何だと思ってるのよ!

羽菜
「…っ失礼な!私だって私なりに頑張ってるんだから!」

私はむきになって言う。

姫先輩が不思議そうに聞く。


「何を…?」

私はさらに怒った。

羽菜
「あーっ!もうっ!しらないっ!帰る!」

黒先輩が出ていこうとした私の手を掴んだ。


「ちょっと待って。流石にそれはないよ。」

蒼生
「僕たちもエスパーじゃないからね。なんか言ってくれないと分かんないよ。」

羽菜
「むー。」

蒼生先輩に言われて私は渋々話し始めた。



私は生徒会室の椅子に座り、話した。


「え?キャラを作ってる?」

羽菜
「そう!キャラを作ってるでしょ!」

私は目の前に座っていた姫先輩に問い詰めた。

姫先輩は困った顔をして言った。


「いや…つ、作ってないけど?」

羽菜
「嘘だ!!明らかにキャラが違う!」

私は机を思いっきり叩き、演説の時みたいに立った。

先輩はびっくりして、しばらく呆然としていた。

そして机をバンバンたたく。


「うるせえww」

蒼生
「つまり…羽菜は生徒会らしい振る舞いをするために僕達がどうやって振る舞っているか聞きたいの?」

少し離れた場所の椅子に座っていた蒼生先輩が言った。

羽菜
「そう!それ!」

私は蒼生先輩に指をさした。


「あ〜。なるほど…別にいいけど…」

え?


「き、キャラは作ってないからね!」

姫先輩はボソッと呟いた。

姫先輩、キャラを作ってる自覚あったんだ…


結局、姫先輩にレクチャーをしてもらうことにした。


「まずは常に見られてるって思うこと!」

羽菜
「常に見られてる…」

常に見られてるって思うと何が違うのかな?


「試しに見られてるって思いながら歩いてみて。」

姫先輩はゆっくりとした足取りで生徒会室を歩いた。

やってみる!

私は生徒会室を歩いた。

見られてる…見られてる…


「硬い!もっと自然に歩いて!」

姫先輩がバシッと注意した。


「ガチガチだよww」

か、硬い…?ガチガチ…?

蒼生
「ほら、自分の歩き方、見てごらん。」

蒼生先輩が撮っていた動画を見せてもらった。

羽菜
「ガチガチ…」

何これ…ロボット…?

最近のロボットでももう少し滑らかに歩くけど…


「うーん、これだとダメか。」

蒼生
「じゃあ、普通に歩いてみて。」

蒼生先輩がそう言った。

羽菜
「普通…?」

普段どおりに歩いてみる。


「猫背!下向いてる!もっと前向いて!」

色々注意された。

羽菜
「猫背…?」

蒼生先輩がまた動画を見せてくれた。

んー?

どういうこと…?


「もう一回やってみて!」

羽菜
「猫背は駄目、猫背はだめ…」


「全然駄目!これじゃあ気品は全くないよ!」

姫先輩に厳しく怒られる。

もっと優しく教えてよっ!

むー。

羽菜
「あーっ!もう分かんないっ!」

私は生徒会室のドアを思いっきり開けて、生徒会室から出て行った。

バターンっ!

ドアの閉まる音が生徒会室に響いた。


「あっ羽菜…!」




分からない…

私は生徒会室を出て、ひたすらどこかに向かって走っていた。

やっと念願の生徒会に入ったのに…
どうして?

私は立ち止まった。

いや。生徒会に入ったから…かな。

他人からの目を気にして、私はどう思われているのか、急に考えはじめてしまった。

羽菜
「……………あれ…?」

私は知らないうちに迷子になっていた。

羽菜
「ここ、どこ…?」

私が入ったこともないし、みたことすらない部屋だ。

部屋は古びていて、倉庫のように真っ暗だった。

私、どうやってここまできたっけ…
ガシャンという重い音が鳴り、急に静まり返った。
私は無我夢中に走りながら来た道をなんとか思い出した。

そ、そうだ。ここは旧校舎の体育倉庫だ!

思い出した瞬間、寒気がした。

羽菜
「もし、もしかして…」
私は嫌な予感がして手探りをしながら入って来た道を探した。

ようやく引き戸のドアを見つけると、私は思いっきり引っ張って戸を開けようとした。

羽菜
「あ、開かない…..」
私はまた扉を引っ張った。

羽菜
「んんんんっ…」

羽菜
「無理っっっ…」
どうしよう!?

不幸中の幸いか、ライト付きペンは持っていたので、明かりは確保できる。


て、てこの原理で開けられないかなっ!?

木の棒が落ちていたので、扉の小さな溝に木の棒を差し込んで、ぐっと押し込んだ。

羽菜
「ぐぬぬくぬぬぬぬぬ…」

力を入れてもびくともしない。

…どうしよう。

この前誰にも気づかれないのかな…

私が体育倉庫に入ってから1時間経った。

引き戸の隙間から見ると、もう日は落ちかけていた。

あ、暑い。

真夏の中、エヤコンのない場所でずっといたからだろうか。

汗もびっしょりで、頭もくらくらしてきた。

ね、熱中症…?


ゆり
「…なさん、羽菜さん!」

!扉の外から私を呼ぶ声がした。

だれか、外にいるのかもしれない!!


「星南さん!」
知らない人の声もした。

私は必死にドアを叩いて叫んだ。

羽菜
「誰かっ!!助けてっ!!」


「!あっちから声がしたよ!?」

ゆり
「本当ですか!?」

私は外からそんな声が聞こえたので、

もっと強く扉を叩いた。

羽菜
「体育倉庫に閉じ込められたのっ!助けて!」


「あっ!体育倉庫!あそこから声がした!」
だんだんと足音が聞こえて私は扉から離れた。

ゆり
「羽菜さん!聞こえますか!?私です!ゆりです!」

扉からそう聞こえたので、私は大きな声で言った。

羽菜
「ゆりちゃん!!助けに来てくれたの!?」

ゆり
「待っててくださいね!今助けます!」

ゆりちゃんがそう言うと、ドアが少し動いて、がゴンと音がなった。

私はすぐに引き戸を開け、目の前に立っていたゆりちゃんを抱きしめた。

羽菜
「ゆりちゃん!ありがとう…!本当にごめん!ゆりちゃんに迷惑かけちゃって!」

ゆり
「違います!迷惑ではありません!友達が急に行方不明になったら誰だって探すでしょう?」

羽菜
「ゆりちゃん…ありがとうっ!」


「よかったですわね!これで一安心です。」


「うんうん!生徒会の皆さんに知らせに行かないとね!」

と、ゆりの他に、二人、見知らぬ女の子がいた。

羽菜
「2人とも、顔も知らない私を助けてくれて、本当にありがとうございます!」

私は深々と頭を下げた。


「いえいえ。生徒会の羽菜さんがいなくなったって聞いたので…って名乗らないといけませんね。私は1-2の有栖川 愛桜と申します。」

凛歩
「私は、1-2 桃瀬凛歩 !」

羽菜
「愛桜ちゃんに、凛歩ちゃん!ゆりも!あらためて、本当にありがとう!!」

私はこれ以上頭が下がりすぎて、
立位体前屈みたいに床に手がつきそうなくらい全力で頭を下げた。

愛桜
「いいえ。いいのよ。当然のことをしたまでだわ。」

凛歩
「それより、ケガがなくて良かった!」

ゆり
「そうですね。なにより無事でよかった…」

羽菜
「3人とも、女神…あの!助けてくれたお礼と言えばいいのか分からないけど、友達になってくれますか!!??」

私はようやく顔を上げて3人の目を真っ直ぐ見た。

3人は微笑んで言った。

凛歩
「もちろん!大歓迎だよ!ねね!はーちゃんって呼んでいい?羽菜っていう名前にピッタリだと思う!」

愛桜
「はーちゃん!かわいいあだ名ね。私もはーちゃんって呼ばせてもらうわね。」

ゆり
「はーちゃん。ふふ。あだ名ってなんだか特別感がありますね。」

私のあだ名…!?

はーちゃん…!

羽菜
「はーちゃん…!うん!ありがとう!嬉しい!」

私は胸が熱くなったのを感じた。

ゆり
「それじゃあ、生徒会室に戻りましょうか。」

羽菜
「うん!!」




「なんで急にいなくなったの!!!めちゃくちゃ心配したんだからね!!」

生徒会室に帰ってきてそうそう姫先輩にお説教された。

羽菜
「うう、ごめんなさーい…」

私は生徒会室の床に正座して縮こまっていた。

姫先輩怖い…また逃げようかな…

と心のどこかでそう思った。

愛桜
(はーちゃんなんだか微笑ましいわ)

凛歩
(せ、生徒会の人たち怖ぁ…)

2人が私のこと、めちゃんこ見つめてくるし…

うう、視線が痛い…

陽太
「まあまあ、姫もそんなに怒らなくても…無事なだけよかったよ!」

ゆり
「はーちゃん、大丈夫だよ。先輩達ははーちやんのこと心配して怒ってるんだから。」

とゆりちゃんも正座していた私に手を差し伸べる。

羽菜
「ありがとう。」

と、手を取る。

愛桜
「私達はお邪魔ですかね、」

と3人は生徒会室の外へ出てしまった。


「逃げ出した時は本当にびっくりしたよw」

蒼生
「んー。ちょっと思ったんだけど、なんでそんな急に気品とか気にし始めたの?」

蒼生先輩の質問に私は戸惑いながらも答えた。

羽菜
「あ、え、うーん、、生徒会に入ってから、他の人からどう見られてるのかって気になってきちゃって…」

私はそう下を向くと、姫先輩はびっくりしたように声を上げる。


「え!?他人からの目が気になる?!あの羽菜が?」

私はそれにびっくりして顔を上げた。

羽菜
「え?」

陽太
「僕達と羽菜が初めて会った時、沢山の人だかりから迷いも無しに突っ込んでいったでしょ?」

ああ、確かにそうだったかも。

黒先輩が姫先輩の顔を見ながら言う。


「姫はそれで生徒会に入るための面接を受けさせたんだよ。羽菜のことをもっと知るために。」

ん?つまりはどう言うこと?

蒼生
「星葉は羽菜の堂々としているところを尊敬してるんだよ。そしてそれは僕達も。僕達は羽菜を生徒会のメンバーとして認めている。」


「羽菜は羽菜らしく突っ走って突っ込んで!」

羽菜
「…!!」

私は忘れていた。

みんなのことを考えて真っ先に行動してみんなに学校を楽しんでもらう。

それが私の目標だった。

でも生徒会に入ってから人の目を気にしてなにもできてなかった。

羽菜
「…先輩!!私、頑張ります!!突っ走って突っ込んで失敗しても、負けない、諦めない!生徒会のメンバーとして!!!」

先輩達の目を真っ直ぐに見つめて力強く言った。

姫先輩がイタズラっぽく笑う。


「やっぱり羽菜はそうでなくちゃね。」

私も姫先輩に微笑み返した。

愛桜
「そろそろ、最終下校も近いので帰った方が良いと思います…」

愛桜ちゃんが生徒会室のドアをそっと開けてそう言った。

みんなは一斉に時計を見る。

羽菜
「愛桜ちゃん、ありがとう。それじゃあ私は帰りますね!」

とリュックを背負う。

蒼生
「生徒会室の後始末は僕達でやっておくよ。友達、待たせたら迷惑でしょ?」

蒼生先輩が長いホウキを持つ。

羽菜
「蒼生先輩、ありがとうございます!!」

私はぺこっと蒼生先輩に一礼し、先輩達に大きな声で言った。

羽菜
「先輩、今日は本当にありがとうございました!」


「うん、また明日ね。」

と黒先輩は小さく手を振る。

私はそれを大きく手を振って返した。

凛歩
「はーちゃんー!帰ろー!」

外に出ると、暇そうにしていた凛歩ちゃんがいた。

羽菜
「わざわざ待っててくれて、ありがとう!」

凛歩
「私、もうお腹ぺこぺこだよー」

とお腹を押さえる。

すると、私のお腹からもぎゅるるる、と鈍い音が響く。

あ、そうだ!

羽菜
「じゃあさ!今からみんなでご飯食べに行かない?」

ゆり
「ご飯、いいですね!賛成です!」

凛歩
「私もサンセー!」

愛桜
「ええ、とっても楽しそうね♪」

凛歩
「よし!じゃあファミレスにレッツゴー!」

羽菜
「おー!」



「まさか羽菜が勘違いしてたとはねー。」

と机掃除をしていた黒が切り出した。

蒼生
「羽菜は鈍すぎて気付いてないみたいだけど、生徒から見られてるのは新しく羽菜ファンクラブが設立されたからなんだってこと。」

と目にかかった前髪を払う。

陽太
「ファンクラブの人も、きっと自然体の羽菜が好きなんだよね。」

ファイル整理をしながらふっと笑う。


「…むかつくけど、なんか憎めないんだよねw」

姫も陽太のとなりでファイルの整理をしていた。

陽太
「あのさ、僕達が羽菜に面接したじゃん?(2話)あれ、他の人には絶対しないと思うけど、なんで姫は羽菜に面接しようって言ったの?」


「…ああ、そういえば言ってなかったね」

とファイル整理をしていた手を止めた。


「あの子には、私の夢を託せると思ったからだよ」

coming soon…


あとがき
はい、皆さん誠に申し訳ございませんでした!
何ヶ月ぶりのNS学園です…!!
楽しみにしてくれていた方本当に申し訳ないっ!!
本編では夏扱いになってます!
季節反転してる…
あとあと、新キャラがかなり多いので設定の方も見てみてくださいね!!
次回もすこし期間が開くかもしれません…!
でも終盤に少しずつ近ついてきますよー!
次回はたぶーん体育祭準備編だよー!
気長にお待ちやがれください()

最後まで、見てくれてありがとうございます! 皆さんのスキやコメントはハナの原動力になってます! 是非コメント、スキお願いします!(*´▽`*)