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認知症対応型デイでの一幕「認知症利用者の対応は難しい」

皆さん、おはようございます!!
今日は火曜日ですので、“介護業界の話”をしたいと思います。
是非最後までお付き合いください。

(文字数:1614文字 所要時間:5分程度)

最近利用開始となった利用者さんの事例

認知症対応型デイサービスで最近利用開始となった女性利用者さん。
2か月ほど前に、同居のご主人・海外に住まれる長男とともに施設の見学に来られました。
私が施設の案内をしましたが、言っていることはちょっと話が通らないな~という印象でしたが、まぁ人当たりは良さそうな、穏やかな印象。
早速、当施設を体験利用。その後、他の施設も体験され、当施設の認知症対応型デイが一番気に入ったとのことで、契約。
週4日~利用開始、特に問題なく利用を続けていたのですが……

あれ?こんな感じだっけ!?

利用を続けていく中で、少しずつ本人の様子が変わってきました。
徘徊が増え、他利用者に絡みに行く。
「外に出して」と館内の扉をひたすら叩きながらウロチョロ。
職員が優しく声掛けすると一瞬は落ち着くのですが、すぐにソワソワ。
デイサービス内では、他の利用者さんへの影響も出始めるため、職員とともに事務所に連れてこられ、そこからは延々と管理者の私と、事務職員と担当介護職員の3名体制で、付かず離れずの対応が始まります。

「おにいさん?そちらの窓を開けてくださる?」

非常に物腰の柔らかい感じで、外に出してと訴えかけてくる。
もともと、裕福な生活をされているようである。

「ごめんなさい、もう少ししたら運転手さんが来ますから、それまで待ちましょうか。20分ほどです。」
と、優しい口調で伝える。

「あら、来てくださるの?それはありがたいわね」
少し落ち着いたと思ったのも束の間。
やはり、5秒後には事務所内を徘徊。

う~~ん、仕事ができん。。
ご主人さん、早くお迎えに来てくれ。。。
落ち着かなくなると、ご主人さんに連絡を入れると、車で迎えに来てくれることになっている。
そのご主人の到着をひたすら待つ。

そうこうしていると、少しずつ本人の様子が変わってくる。
少しずつ声が荒ぶってくる。
扉をたたき始める。
傘立てを手に取り、扉を破ろうとする。
「危ない」と必死で止める職員。
さらに興奮する利用者さん。

そう、、、負の連鎖の始まりです。
こうなると、もう、どうしようもない。
「あー、始まったか、、、」と思いながら、覚悟を決める。
ここからはもう、自分の仕事はできない。
とにかく『待つこと』ご主人の到着を『待つしかない』
そう悟っていると、利用者さんが私の目の前にやってくる。
何かな?と思っていると、、、、

「おっさん!早く出しなさい!!〇すわよ!
後ろから!!なんでも出来るんだから!!」

えぇぇぇ~!さっきまでの「おにいさん」はどこに!?
とにかく、血走った眼で、「早く開けなさい」と連呼。
突然、人が変わったかのよう。。。
そこから、ご主人が到着するまでの30分間は、暴言と暴力に耐えながらの対応である。

結局、ご主人が到着し、車に乗せようとしても、ご主人であるという認識も薄く、そこから「車に強引に乗せる」という新たなミッションも追加され、ようやく帰路についたのは、事務所に降りてきてから1時間15分後。。。

ご主人には、精神科の受診も奨めている。
自宅でも同じ感じなのだろう。
あまり驚いた様子のないご主人。

認知症の対応って難しい

改めて再認識することになりました。
どんな声掛けをしても、結局は堂々巡り。
かといって、精神科受診し、安定剤的な処方が出ても、次はふらつきが多くなり、転倒も増えてくる。
いや、、難しすぎる。
認知症だから仕方がないよね。では済まない。
そんな高齢者が、今後、多数派になります。
さて、どのような対策ができるのか。
今のうちから、しっかりと考えておかないといけない。
2040年には、この日本はどうなっているのでしょうか。。。
怖くて怖くて、仕方がありません。

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!
では、また!

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