あなたがやってるロックバンドが優しかったから。
文章を書いてみたい。そう思ったとき、最初に始めたブログのタイトルにした曲が、
階段に座って/THE BOYS&GIRLS だった。
私には、決まってなんとなく落ち込んだり涙が溢れそうだったり、しんどかったり、そういう夜に帰り道一人で聴く曲がある。それはまた別で書いてみたい。
階段に座って、は別のタイミングで聴く勝負曲だ。
決まって仕事に行くのが憂鬱で、毎朝泣きそうになっては死にたくなった、社会人2年目。
あの頃は、毎朝のようにこの曲を聴いて、私はここにいると思って過ごしてきた。
やるべきことは分かってるのに上手くやれるか不安なんだ。
今日も明日も明後日もまた変わらない笑顔で笑いたいけど 行くべき場所は分かってるのに少し怖くて、足がすくんだ
毎朝、私の歌だ。私のために歌ってくれているんだ。そういう気持ちで聴いていた。バンドだけが、音楽だけが私の味方で世界の中心だった。
震える肩 その向こうでガラガラのあの声が聴こえてくる 零さないように 一人きり 階段に座って
ぼろぼろと涙が止まらなくてもカーテンを開けてみたいそう思えたのはあなたがやってるロックバンドが優しかったから あなたがやってるロックバンドがいてくれて良かった
ロックバンドだけは、ロックは、音楽だけはずっと、優しかった。ただ隣にいてくれるだけの優しさが、こんな勝手で無償の優しさが、私には必要だった。
そんな風に日々を過ごしていたある日、私のスーパーヒーロー、THE BOYS&GIRLSはメンバー3人が抜け、ボーカルのシンゴさんだけで活動していくことを発表する。動画を見る。卓球をする4人。いつもの調子だったのに、いつもの言葉じゃなかった。
2018年の12月5日。寒い夜だった。
そんな風になっても、いやボイガルだから、ずっとずっとこの曲に救われて、そのまま年度最後の月になった。2019年の、3月19日。仕事終わり、私は渋谷に向かっていた。大好きな、あの4人がいるライブは最後だった。始まって欲しくなかった。
照明がついて、メンバーが見えた瞬間に涙が溢れた。あの日の階段に座っては、シンゴさんが後ろの方まで運ばれてきてすごかった。
それ以上に、私はあの日の階段に座ってを忘れない。
あなたがやってるロックバンドが優しかったから
あなたがやってるロックバンドがいてくれて良かった
それって本当に私の気持ちなんだと思うと涙が溢れた。
ライブ中ずっと泣いていたけど、終わった後に撮った写真は、泣き腫らした後の私の最高の笑顔たちだった。
あれからも、しんどい朝、怖いときには必ず聴く、私の人生の勝負曲。
それは、私の人生の、バックグラウンドミュージック。
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