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『打刀』柄巻き風について

弊社紹介とnoteについて

弊社noteへお越し頂きまして誠にありがとうございます。

福善刃物工業株式会社(Fukuzen)でございます。

弊社のTwitterやInstagramよりこちらのページにお越し頂いた方が大半ではないかと存じますが簡潔にご紹介を。

私共は刃物製造技術を応用して造られたキャンプ用ペグ『打刀』や薪割りクサビ『苦無』の製造・販売を行っております。

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こちらのnoteでは『打刀』や『苦無』等の弊社製品を用いた検証試験や新製品や試作中の製品の概要などを記載していきたいと考えております。

検証試験では、ご使用頂く際の参考となるようなデータや知見を、新製品のご説明ではコンセプトなどを皆様にお伝えできる場になれば幸いでございます。

試作中の『打刀』柄巻き風について

開発のきっかけ

先日SNSにて投稿いたしました『打刀』の柄巻き風仕様について、お話させて頂きます。

この試作の検討は、ユーザー様より光沢のある銀色の『打刀』を打ち込むとキャンプサイトの地面等に同化してしまい、見失ってしまうというご意見を頂いたことより始まりました。

まず始めにガイロープなどを付けるオプションパーツの検討を行い、未だリリース出来ておらず誠に申し訳ないのですが、現在も検討中でございます。こちらは今回のお話とは逸れるので割愛させて頂きます。

打刀の有色化

◆DLCコーティング

次の試作として打刀自体を有色化させる検討を開始いたしました。個人的には光沢のあるステンレスの外観が好みではあるので悩ましいところでありましたが、金属の光沢を残しつつ有色化させる方法を模索し生まれたのが下記の打刀でございます。


こちらはDLC(ダイアモンドライクカーボン)コーティングを打刀に施しました。地球上で一番硬いとされるダイアモンドのように非常に丈夫なコーティングと金属の質感を残した黒色と玉虫色の外観に文句の付け所がなかったのですが…

コスト面や製造面における課題が解決できず、量産化には至りませんでした。

◆有色化膜の課題

DLCコーティングがあまりにも良い出来映えであったのでどうしても諦めきれず、様々なコーティングや表面処理の検討を行いましたが、検討した試作全てに共通して残った課題が、有色化箇所の『耐久性』でございます。

当たり前ではございますが、ペグである打刀は地面に打ち込まれます。熱処理を行い、非常に頑丈なステンレス鋼を使用している打刀も石などに当たった際には傷が入ることがございます。

打刀よりも強度のない有色膜は、当然打刀よりも早く傷がつき剥がれていってしまいます。

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更に打刀は平らな形状のペグ故に余計に剥離痕が傷のように目立ってしまいます。ここからは好みの問題にもなってしまうのですが、この有色膜が剥離した状態の打刀がどうにも気に入りませんでした。

◆有色箇所の限定(柄巻き)

上記写真2枚目の有色膜が剥離した打刀を観察しておりますと、あることに気がつきました。先端周辺は地中と長く擦れあるため剥離が進んでいますが、ヘッド付近はそうでもないなと。

今回の有色化の目的は外観向上ももちろんですが、打ち込んだ際に見つけやすくすることが目的です。それであれば必要な箇所のみを有色化すれば良いと考え、刀がモチーフのペグですので日本刀の持ち手箇所である『柄巻き』風のデザインにするアイデアが生まれました。

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もちろんヘッド箇所付近も絶対に剥離しないわけではございません。使用を重ねるごとに剥離は発生いたします。また製造面を考えると全面を有色化する方が遙かに簡単ではございます。

しかし少しでも長く外観を維持し、打刀というデザイン、必要な機能を満たす仕様としては最適であると考えております。

カラーバリエーションや有色化膜の仕様などは現在検討中でございますので、もう少々お待ち頂きますと幸いでございます。


※『打刀』の意匠について

たくさんのご心配のお声を頂き、誠に申し訳ございません。
弊社キャンプ用ペグ『打刀』は意匠登録されております。
意匠登録第1685748号
意匠登録第1696744号

弊社の権利を守るためのものではございますが、お客様に弊社製品と誤認されないようにし、ご迷惑をお掛けしないようにする目的もございます。

お客様の選択肢を狭めないよう、いたずらに権利を行使するつもりはございませんが、明らかに誤認されるような製品につきましては、対応して参ります。
何卒ご理解の程、よろしくお願い申し上げます。


最後までお読み頂きまして誠にありがとうございます。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

福善刃物工業株式会社【Fukuzen】



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