若年性認知症(前頭側頭型認知症)とは何なのか?


前頭側頭型認知症=ピック病は、国に難病指定されている

前頭側頭葉変性症(指定難病127)
https://www.nanbyou.or.jp/entry/4841


特徴の一部

・常同行動
(毎日決まった時間に興奮する、徘徊する。邪魔されるとキレる)
・反社会的行動
(ところかまわず小便、他人に暴言、万引きする、順番を守らない、人目を気にしなくなる)
・注意多動(気が散って集中できない、ADHDに近いが、どんどん症状は重くなる)
・強迫神経症(被害妄想)
・反復行動(ひたすら袋に荷物を詰める、カバンの中身を取り出しては戻すなど)


大きく分けて二種類ある。どちらも難病指定。
併発していることもある。

「行動異常型」
・反社会的な行動。マナーの欠如。暴言。
・行動の反復。
・徘徊など。
・強迫神経症。

「意味性型」
・文字が読めない
・文字が書けない
・物の呼び方を間違える。
・人の呼び方を間違える。その他。


治療法・・なし
緩和療法・・なし

70歳以上で発症する例は「まれ」である。
発症は主に65歳以前。
前頭側頭葉に委縮、または血流低下がみられる。

緩徐進行性(ゆっくりと進行する)
平均寿命は発症から6~12年とあるが、死亡まで20年以上かかることもある



指定医に5~6000円の「臨床調査個人票」の発行を頼めば、
指定申請できるが、毎年の更新も必要。

特典として「指定難病医療受給者証」の交付による
医療費の助成があるが

すでに障害者手帳を所持していて、
保険診療の自己負担分の助成を受けている場合は不要。

本人が認知症の場合、市営県営にも入居はできないので、
他にメリットはないかもしれない。



県の難病指定窓口

各県ごとに、難病支援センターがある。
前頭側頭型認知症に対応している病院(診察、および、治療)を紹介してもらえることもある。

実際に受け入れる体制が整っているのは、その中の一部。

薬物治療というよりも、
閉鎖病棟に閉じ込めて常同行動をさせ、症状を進行させる。
期間は3カ月までと厳密に区切っている病院と、
延長を許容する病院がある。

通常の予防カリキュラムを行う通所もある。
地域外からでも、自力で送迎すれば通うこともできる。

認知症専門の通所を行っている病院は、ほんの一部。
認知症専門の通所でないと、他者からのクレームによって追い出されるので長続きしない。

認知症病棟(閉鎖病棟)で、
前頭側頭型認知症の、入院認知症患者全体に占める割合は100分の1程度(一例)




【ここから私見】


薬が効かない傾向があるようだ。

抗精神薬が逆に作用する。副作用だけが出る。
薬過敏という話も。

発達障害(ADHD、ASD)との相関性も一部医師の間で指摘されている。
発達障害=重度発達障害=前頭側頭。
のように症状的には進行したように見えることもある。



いずれも前頭葉が弱い、という特徴がある。
前頭葉の働きが弱いことによって起きる症状として、

・人の顔が覚えられない
・人の名前が覚えられない
(顔と名前が一致しない)

・物覚えが悪い
・ワーキングメモリー不足
・気が散りやすい
・(前頭葉の機能低下による)偏桃体の暴走

これらが発達障害の時にもあるが、
前頭側頭になり、さらに強まったようにも感じる。


偏桃体が暴走することで、脳が不安・恐怖・怒り、に支配される
ストレスホルモンの「コルチゾール」が大量に分泌され、
神経細胞が委縮し、
海馬が委縮する

親は幼い頃、腎臓病で死にかけたことがある。
(治療したのかは知らないが成り行きで収まったようだ)
腎臓結石で複数回入院したこともある。

コルチゾールが分泌されるのは副腎。
関係あるのだろうか。



海馬萎縮が速く、大脳辺縁系の萎縮よりも先に来る
記憶障害、短期記憶障害が先に来る。

前頭葉機能低下で日常生活ができるうちから
人の顔を先に忘れる。家族の顔がわからなくなる

うつ病(海馬が委縮する)や、統合失調症と誤診されることもある。
CTやMRIにははっきり結果が出ない。

統合失調症の薬は効かない。


高齢になっても、スタートが前頭側頭だと、生涯この傾向は維持される。
(例:95歳になっても興奮、反復・常同行動、娘に依存など)

体力は人並みの同世代よりある。
活動的で、エネルギッシュで、年をとってもパワーが維持される。

同世代の老人とは協調できない。
若い人に依存する傾向が強い。


男性は、キレやすいので、、
暴力、暴言、食欲、性欲(痴漢など)

女性は、不安や恐怖が優先するので、
被害妄想、物とられ妄想、

の症状が出やすいらしい。



※追加メモ。


治療法=薬がない(効きにくい)というのは確かだが、
緩和療法がない、というわけでもない


症状の根幹にあるのは、

アルツハイマー患者に診られる
認知症が進んだことによる周辺症状というよりも、

偏桃体の暴走による
「不安」と「恐怖」という感情なので、

その感情に対処すればよい。

本人から見て、周囲は「味方」か「敵」のニ択なので
かりに家族の顔を忘れても、味方認定されているなら、従う。

逆に敵認定されてしまえば、あとは接触するたびにトラブルになる。


一緒にいる、常に目に見えるところにいる。
ボディタッチをする(腕や肩をたたく、握ることで意識を散らす)のは有効。

圧力をかけて上下関係を作るのも有効。

言葉だけで抑えるのは困難。
人の感情にも敏感なので、うわべだけで話を合わせても見破る。

人混みは不安に駆られるのでダメ。
完全に個室放置もダメ。
味方認定した人と一緒の空間に居続けるのがよい。

その人が忙しくしていると、
自分のことを見ていない、と不安に駆られて症状が悪化する。


「不安」や「恐怖」は記憶が混乱したから出る周辺症状というよりも
脳内物質の暴走や、時間帯、タイミングによって出る。

理由なく突然、感情が爆発する。
ある時間帯になると興奮しやすい、など。

ただ一定時間を経過すると治まる。
この辺は多重人格と勘違いされるくらい顕著。


精神薬は副作用が出やすい。
リズムが狂いやすい。

常同行動をさせ、味方認定された人(家族・スタッフ)と一緒の空間で安心させてすごすのが、結果として、一番管理しやすいのかもしれない。


一人で納得しない場合、
複数で安心させるか、一定時間放置し、興奮させてガス抜きをするしかない。

日光のある昼間は興奮しやすい。
夜は落ち着きやすい(うちの場合)


毎朝、行動はリセットされる。
感情にも、波がある。
記憶にも、波がある。

思い出す時間帯と、そうでない時間帯がある。


自傷他傷はあまりない?
自殺もしない。


同性よりも、異性の方が味方認定されやすいかもしれない?
(女性=女性× (女性=男性〇
(男性=男性× (男性=女性〇


【私見ここまで】



施設や病院は、
高齢者・アルツハイマー型認知症にあわせているので、
前頭側頭型(若年性)の行動力や常同行動、不安神経症にあわせてケアするところはほとんどない。

薬が効かない。
発作のように始まり一定時間で治まる。
平穏な時は扱いやすく普通に見える。

などは理解する人は少ない。

病院はあったとして閉鎖病棟に閉じ込めるくらいか。
3カ月などの期限が決まっているところが多いようだ。


正確には若年性認知症=前頭側頭型認知症、ではないけれど(若年性は65歳以前で発症した人の総称であるため)、、便宜上そう記載。

前頭側頭型の多くは、65歳以前に発症するため。
主に80代で発症する老人性認知症やアルツハイマーとは別の進行・症状。

コウノメソッドの医師によれば、前頭側頭を認知症(老人性認知症)と一緒にするのは疑問だと言っているが、今のところカテゴリーは「認知症」であるし、誘導されるのは「物忘れ外来」である。難病指定。



(未翻訳)
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~最終加筆:2021年10月5日





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