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僕の自粛日誌 その⑥ 2022年春夏編

2022年 春頃
2年前にコロナ禍が始まり、自粛生活となったのをきっかけに、いろいろな出来事を記録しようというくらいの軽いノリで書き綴ってきた『僕の自粛日誌』も、なんと『その⑥』にまでなった。
なんにしても、依然、状況が変わっていかないので、自分の記録として気楽に書き続けて行こうと思う。

5月
コロナはある程度数が落ちついては来ていたけれど、新規感染者の増加が全国で3万人台と、収束とは程遠かった。

国としてはさすがに経済が回らないという事で、2年ぶりとなる規制のないゴールデンウィークとなり、海外旅行組、田舎への帰省組で、大いに賑わっていた。
僕ら夫婦はともにオンラインワークなので、特にゴールデンウィークに休むという事もなく、いつもよりも道が混むくらいの違いにしか感じなかった。

僕のヤマノミュージックサロンの対面型ハーモニカレッスンは休講を続けていたし、ネット番組などの制作作業も一段落していたので、実に久しぶりにいつも以上に頭の中が空っぽ状態だった。
日々のスケジュールも、オンラインレッスンの生徒さんとの事前の調整だけなので、バタバタと慌てる事は一度もなく、穏やかな日常が過ぎて行く。

僕の五十肩は相変わらず両方とも激痛が続き、痛み止めを飲んでも熟睡出来る事はなかった。「気落ちせず、なんとかできる事だけでも」とはいえ身体中が不調では、結局はPC周りの作業だけになってしまって、溜まっていた事務ワークの方を日々サクサクと片付ける単調な日々だった。

ロシアのウクライナ侵攻は止まらず、すでに3ヶ月。世界は激変し、日本も武装化を良しとする世論が大勢になって来る。「北海道を狙う」ような発言を受けては、さすがに意識も変わるというものだ。
そんな中、アメリカのバイデン大統領来日。対中国政策なども具体化し、すでにコロナ禍よりも、来たるべき未来に向けた準備へと、昨年では考えられないくらいの緊迫したムードだ。

ガソリン、食材、ありとあらゆる物の値上げが発表になって行く。もちろん、僕の教えるテンホールズハーモニカも一律値上げになって行く訳だけれど、オンラインの生徒さんはあまり気にしてはおられないようだ。

この月、僕とかみさんで制作している新番組『ハモニカフェビギナーズ』も無事に全10話が配信でき、YouTubeチャンネルの数字は久しぶりに元気なものになった。
今回はライブ配信はせず、編集済みの動画の公開だけだったこともあり、FacebookやInstagramでも同時に公開してみた。はっきりとした数値ではわからないけれど、観てもらえる方々の幅が大きく広がったようで、さまざまな連絡をいただいた。
結果、オンラインレッスンの宣伝としても十分だったようで、一安心といったところだ。ぜひ、どれかひとつでも人気エピソードに成長して欲しい。

ハモニカフェ・ビギナーズ専用ページ

5月中旬頃、かみさんの方の仕事の都合で愛知に行く事になった。車での移動の方が良いだろうという事で、僕も付き添う事になり、結果、2週間遅れの連休をとるようなものになった。

相変わらず、僕の肩は長距離運転に悲鳴を上げ続け、少しでも早く到着をしたかったのだけれど、外に出たら出たで、やはり久しぶりの旅は楽しい。いろいろなパーキングエリアで、僕らはちょい食いを楽しんだ。
連泊したところは行政施設のホテル機能といった感じで、リーズナブルではあるものの、浮かれた感じはまったくなく、旅行というよりなんだか企業の研修っぽかった。

かみさんの方は仕事の関係なので常に忙しかった。僕は古巣の友人達に会いに行こうとも思っていたけれど、なかなか誰とも予定が合わず、ネットで映画をみたり、近くの大型スーパーに行ってみたりと、無駄に時間を潰しているようなものだった。
「宿」というか「施設」にある風呂は温泉ではないもののかなり大きく、サウナまでついていたので、まるで貸し切りのように利用させていただいた。体の事もあり、僕には最高の連休となった。

この旅の終わり頃、かみさんの学生時代の友人の店で食事をできたり、愛知に住んでいた時の友人にも会え、マスクをしながらではあるものの、3年ぶりのリアルな会食を楽しむ。
愛知らしく、コロうどん(冷たいうどん)や、あんかけスパ(名古屋めし)も堪能でき、帰りは空いている高速をらくらくと帰る事が出来た。コロナ禍にあって、安全で、連休らしい連休だった。

6月
新規感染者数が2万人台にまでは減少し、爽やかな晴天が続いた。
この月、体調に回復の兆しが見えてきた。Yogibo(ヨギボー)という、めり込むほどふわふわのクッションにより、久しぶりに安眠をとることができるようになる。もちろん朝起きると激痛は始まるのだけれど、寝られる事だけでもかなり大きい。

発泡スチロールの凹凸にはめ込まれた家電のように、完全に体は固定されるため、寝返りを打てない。そのため肩をひねらないで済むのだ。
ただ弱点は、あまりにめり込むため「支点・力点・作用点」がずれ続け、いつまでたっても起きる事ができない。誰もがするように腕を使って起き上がれればいいのだけれど、それができればそもそもこのヨギボーは必要ないのだ。
僕は朝のたび、もがくイモムシのようにして30秒ほどを掛け起きるようになった。おそらく地震では逃げ遅れるだろう。

このヨギボーでの起き上がりにも関係があるのだけれど、謎の「腸がつる激痛」にも光明が見えてきた。それは食のアレルギーだったのかもしれないと解って来たのだ。
小麦、玉ねぎを始め、多くの食材を食事から抜いて来たけれど、けいれんの頻度が減るだけで解決はしなかった。ここに「コーヒー」と「炭酸」を控えてみたのだ。すると腹がつるだけで、けいれんにまではならなくなったのだ。

僕は思い切って「カフェインレス」のコーヒーに変え、次にお茶のようなものまでやめ、麦茶と水のみに変えてみた。炭酸も完全に抜きビールも飲まなかった。するといつも絶えずあった「つりかけている感覚」が消え、腹が張っている状況のみになった。
これによって腹筋を普通に動かせるようになり、たとえヨギボーのようなクッションにめり込んでいたとしても、自分の力だけで起き上がれるようになったのだ。

普通に動けるかもしれない。僕は「ひょっとしたらもう、ステージでの演奏は難しいのかも」との絶望感から、開放されつつあった。もちろんいくつかの飲み薬も続けていたし、様々な食事療法も続けていたけれど、初めてサラリとした収束感があった。

晴れ晴れとした開放感の中で、久しぶりに富士五湖方面へドライブにも出掛けてみる。
政府からは盛んに、外では熱中症対策も含め「マスクをとれ」との宣伝があったけれど、誰も従う気配はなかった。そして相変わらずのマスク会食。飲食店では名前と電話の記入も義務だった。

平日のせいか人もまばらで、閉めている店も多かった。閑散としている中に、白鳥や魚やクジラなどを模したボートが並ぶ姿は、なかなかにシュール。
湖では至るところに野生の白鳥がいてとても和む風情だった。
白鳥自身は人間のデザイン感覚をどう思っているのだろうか。

気のせいか自然の動物たちを多く見る。道路で何気に鹿の親子を見たのは感動的だった。地元に近い箱根ではイノシシの親子を見掛ける事があるけれど、人がいなければ当たり前に動物は現れる。

この感染者減少の流れで、僕はヤマノの対面型レッスンの再開にも踏み切った。
昨年の12月以来で、やめた人も多く、開講し続けていた別のハーモニカ教室へ移られた方もいた。
もともと僕の再開の判断基準は、他の音楽教室が全て動き始めたのを見て、その後にさらに様子を見て、最後に再開するくらいの「石橋を叩いて渡る」ようなイメージだった。

僕の教えるハーモニカは、唯一の「吹くだけではなく、吸う楽器」だ。しかも強く息を吸い込むことで表現を磨くブルースと密接なカリキュラムなので、コロナには慎重すぎるくらいでちょうどいいと考えていた。
レッスンは月2回の隔週で、念のため、1、3週でなく、3、5週にずらす事で、より感染者が減るのを待つように提案をしてみるのだけれど、それでもまだ今月は見送りたいという生徒さんの連絡を受ける。
まだ一日で2万人台の新規感染者が出続けている訳だから、それが当たり前だとも思う。

全国での新規感染者は1.5万人台にまで減少し、久しぶりの東京での教室再開は、いきなりの梅雨入りとなった。このところ寒暖差の激しい異常気象続きで、数日前にも東京に雹(ひょう)が降ったほどだ。
電車でも屋外でも、マスクこそしているけれど、誰もが熱く会話を弾ませている。飛沫などお構いなしだ。
ただガード派は、まるで水鳥などが「ふわぁー」と焦らず人から離れて行くように、集団から自然に距離をとり見事な棲み分けが出来ている。

今年初めてとなる教室は、いきなりのリフォーム後に驚かされる。実に新鮮な気分だった。エレベーターや通路、トイレなどには、これでもかというほど、徹底的にコロナ関連の表記が張り巡らされている。
久しぶりにお会いする生徒さんたちは皆一様にいきいきとしていて、レッスンに全くブランクを感じさせない。

まだコロナが不安で出て来ない生徒さんやお辞めになられた方の時間枠が空き、その時間を利用して、電車で数駅先の友人に会いに行く事ができた。

オンラインでは話していたので、情報だけは伝えあっていたものの、情緒を交えて話すのはすこぶる気分が良い。その方とお会いするのは本当に久しぶりで、目の前にいるのが不思議なくらいだった。僕は身体の痛みや薬の話題に特に力が入った。

そんなある日、いきなり僕のチャンネルの中でも「あまり人気のない」YouTube動画が高回転する。
『LIVE HOUSE CLOPCLOPクラウドファンディング記念・遠隔セッションライブ』『ヤマノミュージックサロンセッション講座CM』『居酒屋麻衣酔いどれライブ』。
確かに、それぞれに良い内容の動画ではあるけれど、どれも告知用に使ったもので、今、回転する理由が思い当たらなかった。
なんとその理由は、演奏で組んでいるギタリストの『渡邉英一』さんだった。

渡邉さんのFacebookを見ると、ギタリスト対談の動画が紹介されており、見れば人気チャンネルのようだった。どうやらこの動画の影響のようだ。

渡邉さんとやっている『鉄鍋(テツナベ)』という4人組みのユニットライブ動画も少しは回っていたけれど、デュオ演奏の動画の方が回るというのは「より渡邉さんのギターを聴きたい」という事なのだろう。
ある動画に一日でバット評価が3つもつけられたのはショックだった。おそらく僕が、かなりのでしゃばりに見えたのだろう。
いやいや、でもさ、ハーモニカのチャンネルなのでね。ほんとにネットは怖い。

閉じこもりの日々が続いてはいけないと箱根へドライブ。片道30分の程よい気分転換だ。
久しぶりに立ち寄った箱根甘酒茶屋さんが、今年も新製品を発売していた。昨年は甘酒アイスキャンディー、今年はそのカップバージョンだ。

同じアイスのようだけれど、カップで食べると溶けた時の滴りを気にしなくて済む分、甘酒の風味を長く楽しめる。僕は食事療法中なので大変うれしい。寄木細工のスプーンで食べるのも粋なはからいだ。

急遽季節の贈り物として、甘酒カップアイスに寄木スプーンをセットして、お中元セットを考え、お店からクール宅急便で直送してもらう。
どなたにも好評で、ご自身で注文をされた方までおられた。「来年も行けるな」と思う。

この時、甘酒茶屋13代目店主山本 聡さんから、うれしい言葉を聞いた。
「今年は、やっぱり、まだ無理かな。箱根八夜やらないの?っていうお客さんもいるよ」

この『箱根八夜』は、僕らの続けてきた中でも代表的といえるイベントだ。
全ての電気を消し、ランプの明かりの中で、聡さんの京都仕込みのおばんざいと楽しむ、季節にちなんだ様々なイベント、その数は22夜(回)にもなる。
演奏は僕と中村アキラさんのデュオを中心に、ゲストを迎える事もある。毎回趣向を凝らし、箱根の地元芝居や怪談話、アート的なパフォーマンスに挑戦した事もあった。

2019年が最後になるのだけれど、ぜひコロナが一段落した頃には再開させたい。もちろん僕の体調も万全にし、ライブのための演奏のリハビリも必要だ。
僕は「来年は実現しましょう」と返事をし、ギタリストの中村アキラさんにも連絡する。
また年末の与五郎まつりでのイベントも再開させ、ギタリストの渡邉英一さんとの、極寒の中で行う凍死しそうな演奏の方も再開したいものだ。

6月末、新規感染者が1.5万人から下がりきらない。加えて東京では微増傾向もあった。
真夏並みに暑い日が到来しても、マスクをはずそうとしない国民へ『熱中症』対策として「外しなさい」との放送が続くも、ほとんどの人が外さなかった。同調圧力なのか、不安からか。僕も汗だくでマスクを付け続けていた。

さらに7月
ヤマノミュージックサロンのハーモニカレッスンが引き続き開講できていた。
やはり不安のため休講のままの方もおられるが、元気に通われる方々は、まるでもうコロナが終わったと錯覚させるほどの開放的な表情だ。
そんな初旬、選挙の街宣活動にある程度の話題が集まる中、いきなり東京の新規感染者が2倍の数字になり、全国では3.6万人台となる。翌日には4.5万人台、週末には5.5万人台.
翌週9.5万人台といういきなりの急上昇だった。
これはまた8月の休講が予想される感じになって来た。

僕はすぐにレッスンの予定週を調整し、7月を前半に詰め、後半は8月お盆明けにずらすことで間を1ヶ月空けるようにしたけれど、時既に遅し。すでに長期休会の連絡が入り始め、僕の東京教室はかなりの少数の生徒さんになり青息吐息状態になった。
一方、オンラインレッスンの方は、誰かのレッスンが減る分、誰かが増えたりといった調子で、変わらずの安定を見せていた。

七夕の日、僕らは26回目の結婚記念日だったのだけれど、ともに仕事だったため、翌日にドライブへ出掛けた。その出先で、選挙演説中の安倍晋三元首相の銃撃のニュースを知る。投票日を目前にした緊急事態に、日本中が混乱していた。

ニュースはこの事件一色になる中、さらにカルト集団「旧統一教会」によって日本の政治が牛耳られていた事が解ってくる。僕が会社員の頃は「オウム真理教」だったけれど、一大センセーショナルとなりそうな感じだ。

さらに行動制限を掛けない状況から、感染者は10万人を突破、3連休明けには18万人突破、その週末には新記録行進の20万人突破と爆発的に増加し、新記録を更新。
いよいよ緊急事態宣言の流れかとささやかれ始めるも、政府はこれを否定。経済面を優先させた訳だ。
こうなって来ると僕のヤマノのスケジュール調整は、今回もギリギリ間に合ったくらいの感じだったのかもしれない。

この頃、新番組の後押しも一段落し、予定では来年を目安に考えていた「次のシリーズ」の準備だったのだけれど、イラストがかなり多めの企画なのに、肩の痛みから来る指のしびれが消えず、まだしばらくは延期するしかなかなさそうだ。
ということで、代わりに別の事をスタートさせる。

僕は昔、ブログで連載していた『ハーモニカ失敗談』を書籍化し『ハメルンのベンド』という名前で、Apple BooksとKindleで無料ダウンロードをしている。
無名な演奏者の自伝的な失敗談のくせに全10巻もあり、かなりのボリュームなのだけれど、無料のせいか未だに全巻ダウンロードしてくださる方々が多い。僕のコンテンツの中では一番の反響があった。

このシリーズのブログアプリ『note版』を用意する事にしたのだ。つまり、内容は同じで、読めるアプリを増やすという案だ。
僕は、いろいろなSNSをやっている割には、あまり詳しい訳ではなかった。最近になって、ようやくTwitterとInstagramの違いが理解出来たくらいだ。
要は『使う人たちの関わり方』が違うらしい。同じ内容でも、見る側の感じ方や目的で、だいぶ『広がり方』が変わってくるようだ。

最初はこれに気が付かず、辛く嫌な事を露骨に書くのが『Twitter』、上手くいった事を華やかに書くのが『Instagram』だと勘違いをしていて、今振り返ると、なんだか僕は「ジキルとハイドのような人間」として映ってしまっていたかもしれない。
今では「これはTwitterらしい表現だ」とか「Instagramに向いた企画だ」なんて事まで、なんとなく判断できたりするまでにはなった。オジさんなりになんとか頑張っているといったところだ。

noteには、文章的に長くなってしまったものや、やや普遍的なテーマを書いたものを、まとめ直して再掲載するところから始めていた。
一年ほどたち、読んでくださる層が真面目で、文字を読むこと自体が好きな方々という印象を受ける。そんな事からも「失敗談の再掲載」にぴったりだと考えだのだ。このコンテンツは無料で行っていたので、いくらでもこういった追加展開が可能だった。

けれども、この案をかみさん広瀬玲子に相談し、新しい装丁をお願いしたところ、簡単なはずのリニューアル企画に「待った」が掛かる。
初めてこの書籍を公開した時から大分経ち、タイトルや統一性など、全てにおいて読みづらく感じるとの事だった。かみさんがこう言い出すと、極めてに大変な事態になる。十中八九根底から見直す事になるだろう。

とはいえ、いつもかみさんの言うことは、結果として、新しい流れを生み出すことに成功していた。それはほぼ確定していたので、僕は安易なリニューアルをやめ、思い切った加筆をしてみる事にした。今までは今までで、これからはこれからなのだ。

そして8月
あ~あ、と言いたくなるほど、1日での新規感染者20万人クラスが止まらない。東京はあたり前に3万人を超えたままだ。
ニュースでは記録更新という言葉が相次ぎ、医療関係のコロナ専用サイトでも、記録更新をした都道府県は赤い色で表示されるようになり、連日真っ赤だった。

オンラインの生徒さんの中でも、少しずつコロナ感染をしたという方が出て来る。
みなさん真面目で、つながった瞬間にすごい形相で「前日までにキャンセルしなかったので、このまま受けます」などと無理をされたりするのを見て、僕は「次の週に移すよう」に促す。頑張ってくれるのは嬉しいけれど、体調より優先するものはないので、気軽に考えて頂きたいものだ。
そうこう言っている間に、全国の新規感染者が25万人を超える。
これではさすがに8月の後半は無謀と判断し、僕はヤマノ側へ9月までの休講を連絡する。

連日政府と旧統一教会の問題が報道される中、今度は中国と台湾が緊張状態に入ってしまった。ウクライナ侵攻も全く解決していないのに、このコロナ禍に一体人類は何をしているのだろうか。
こうなって来ると当たり前のように「世界の終わり」を叫ぶ輩が出て来る。気持ちはわからなくもないけれど、そちらも自重してもらいたいものだ。それができないのなら、せめて毎回読みを外した人はきちんとあやまって欲しい。

中旬、猛暑が続く中『線状降水帯』という気象状況が問題となる。雨雲がいつまでも続き、記録的な集中豪雨のため災害級の水害が出るというものだ。
これが1週間も東北に続くという予想に、友人宅や生徒さん宅が多くあるので心配なところだけれど、気象モデル自体が変わってしまったのでもうどうする事もできない。
昔は「泣く子と天気には勝てない」という言葉があったけれど、今ではそれに、コロナとカルトをくわえる必要があるだろう。

そしていよいよお盆が開け、当たり前に新規感染者は25万人を突破する。僕はやむなく9月からのヤマノの再開を断念し、休講の継続を連絡する。
う~ん、本当にキリがない。キリがないけれど、突破口もない。これから一体どうなるのだろうか。10月頃に打つことになるという4回目のワクチンで、ある程度は感染も収まって行くのだろうか?

とうとう、この9月となる。
やはり、というか当たり前に新規感染者が10万人を割らない。またヤマノミュージックサロンの自分の教室の休講を延長せざるを得ないまま、順調なオンラインレッスンだけを仕事として繰り返している。おこもり生活のまま季節が変わるのはさすがに精神的にしんどい。
ここに来て友達の友達などではなく「自分の友達」の感染が相次いで来る。やはり第七波は今までとは違うようだ。「もう考えるのは辞めたよ」なんて人も多いけれど、僕はそこまでは吹っ切れないでいる。

五十肩の方は痛みが引いて来たかと思いきや、またぶり返して来る。あの苦痛の日々に戻るのかと思うとゾッとする。一方、脇腹のけいれんの方はようやく収まって来て、安息の日々を更新し続けてはいるものの、アレルギーの食事制限は、生きがいの半分を失うようなものだ。それを考えると、コロナの後遺症で嗅覚が戻らず、全て砂を食べているようだという方の話が恐ろしくてしょうがない。

この時期の話題は安倍元首相の国葬の是非が焦点となる。旧統一教会問題と合わせてなかなかの論戦が繰り広げられている。僕らは最近ネットの方のニュース番組を頻繁に観るようになった。
「ポリタス」や「アークタイムス」という番組で、マスメディアではないので大変に地味な見た目の上、機材トラブルなども多く、いつも「予算がない」を繰り返しているものの、ウソや紛らわしい表現がないので信憑性はある。これからは情報源の全てを選ばなければならないのは一苦労だけれど、もはやテレビは完全に信用できない範囲に入ってしまったようなので、仕方が無いのかも知れない。
代わりに多くのアンカーマンや取材陣がまるでヒーローのように登場し、それを個人で応援できるのもワクワクとさせられる。自分も弱小メディアを立ち上げている側として、負けずに頑張りたいと思う。

さて、いよいよ『ハメルンのベンド』という僕のブログの再編集で出版した無料のダウンロードコンテンツが新シリーズに一新するため、一旦サービスを停止する事になった。1ヶ月前になったのでその事をSNSで告知すると、最後の飛び込みとばかりにダウンロードが急に増加する。全くもって嬉しい限りだ。
今、新シリーズの推敲を細々と進めているけれど、最初は同じ内容の書き直しが続くので、重ねて読んでいただく事になる方々には、なんだか申し訳ない。
新しいシリーズの第一章はもうすぐ公開する予定だ。相変わらずのつたない文章なのだけれど、今後とも何卒よろしくお願いいたします。

さて、地味な自粛生活の中、それでも何かしらの発信はしようということになり、昔のCDから数曲をダウンロード配信する事を決めた。まずは僕のHPからのダウンロード販売を行うので、よろしければダウンロード購入をお願いいたします。

https://www.hamonicafe.com/hamonicafe-shop

①HAKONE-8-MODE(ハコネ・エイト・モード)
¥110 (DL)
ハーモニカのモード奏法をお楽しみください。
演奏Key-Em ハーモニカC-Key 4th-position

②おさるのかごやーレゲエバージョンー
¥110 (DL)
イベント『箱根八夜』シリーズなどでの定番掛け声ソングです。
アンプリファイドハープをお楽しみ下さい。
演奏Key-Dm ハーモニカC-Key 3rd-position

③呼吸する庭 ーinto the LEAFー
¥110 (DL)
箱根の野鳥とのコラボレーションです。
演奏Key-G ハーモニカC-Key 2nd-position
(カントリーチューニングを使用)

さて、この灰色のコロナ禍に、超がつく嬉しい、誠に光栄な事が起こった。僕が尊敬をする神様のような音楽家から、美味しいものをいただいたのだ。そのあまりの旨さに、どうしても直接にお電話で感想を言わせていただいた。電話から聞こえて来るトップミュージシャンのお声はやはり、ありがたい響きを持っておられた。僕には最高の1日になった。

と、ここまで書いてはみたけれど、さすがにこの文章ボリュームは書き過ぎだろうということで、僕の自粛日誌2022年春夏編として一区切りのアップをしてみたいと思う。

なんとかこの『その⑥』で、僕の自粛日誌シリーズを終わらせたいところだったけれど、それは『その⑦』に期待したいと思う。

2022年9月18日 広瀬哲哉