タラの芽
春になったら、山菜を一回くらいは自分で採ってきて食べる。青臭くて、野性味があり、すごく美味しい。
自宅の駐車場の土手に、タラの木が二本生えているが、なぜかいつも一本は枯れている。
毎年、芽が出るのを楽しみにしているが、今年は気が付いた時には、伸びて葉っぱが広がり始めていた。もう棘が硬くなっていて食べれないなと思って諦めた。
次の日の夕方、仕事帰りにもう一度土手を眺めた。
棘の無い、僅かな節みたいな所を素手で強く抓み、木を引き寄せて、芽の棘がまだ硬くない事を確かめて、タラの芽を採った。
棘だらけで触れられなさそうだが、よく見てみると隙があるものだなと思いながら、茹でて食べた。
(「谷津正昭の手記」より転載 )
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