そのうちお前の血にも味噌が流れるというのに
本日の夕飯は味噌煮込みうどんを食べに行った。
味噌煮込みうどんというのは愛知発祥の小さめの鍋で、グツグツ言うほど味噌が煮込まれた固めの麺のうどんなのだが、
煮えたぎると表記しても差し支えないくらい熱いので、鍋の蓋を取り皿代わりにして、うどんをよそって少し冷ましつつ食べるのが私の住まう地域での常識だ。
なのだが、横須賀生まれ高校から静岡育ちの夫からしたら鍋の蓋で食べるのは耐え難いらしく、
いつも直でうどんをすすっては舌を大火傷している。
他県民からしたらそこまで抗うほど屈辱な食べ方なのだろうか?
理解し難い。
舌を代償に持ってかれるくらいなら、従った方が良いのにと思ってしまう。
そもそも、もう愛知・岐阜で暮らした時間の方が長いのに、ヤツは頑なにトンカツに味噌をかけるのを拒むし、冷やし中華にマヨネーズをかける人間をゴミを見るような目で見てくる。
語尾も「~じゃん」という事が多い。
じゃんって何だよ。都会ぶりやがって。
と内心言われる度に思っている。
味噌煮込みうどんのことを書いていたら思い出したが、昨日静岡の義実家の方達と昼食に行った際にも驚いた。
姪の好物だからと義母が手羽先を頼んだのだが、「手羽先です」と言って出てきたのは手羽中だった。
(愛知で『手羽先』と言えば、手羽先と手羽中が引っ付いたV字になっているもののことを指す)
私が呆気にとられて手羽中を見つめている中、何の困惑もないまま、他の全員が箸で手羽中を取っていった。
箸で手羽先(手羽中)食うの????
と脳内処理が追いつかなかった。
(愛知では両手で持ち、手羽先と手羽中の中間辺りで折り、捻りつつ引っ張って骨を抜いてから食べる)
カルチャーショックだったが、何もいえなかった。
箸で食べる、手羽先と名乗る手羽中は、高校デビューを果たした幼なじみのように遠い存在に感じてしまい、何だか味気なかった。
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