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バニ活

中学時代の友人が、私が兼ねてより欲しいけど…この小さい生命を私が預かってもいいのか…?と躊躇していたシルバニアをお迎えした。

写真の三毛猫の子供のペパーミントちゃんは彼女の家に迎えられてからすくすくと愛されて育ち、
そのサイズ感を上回る大量のご飯を食べている写真がTLに上がる度、
私はハンカチを食い破りかねない程羨ましく思い、睨め付けるように写真を眺めていた。


そんな中、期は熟した。
12月にクリスマスプレゼントをください!!!!と旦那に懇願し、とうとうフェネックの兄弟のジャスミンちゃんとカレブくん

ジャスミンちゃん(姉)とカレブくん(弟)

をお迎えした。

それからというもの、バニアと同じご飯が食べたい一心で様々な食器や食べ物系ガチャを回し、人生初めての収集癖が開花した。
一日で2,800円ぶん回すくらい初めての衝動が止められなかった。

そんな私もそろそろ彼女と肩を並べても良い頃合ではないか…?と思うくらいグッズが集まってきた。

「バニ活したいからご飯でも行かん?」
そう告げると、彼女は快諾してくれた。
とにかく小さくて可愛ければバニアでなくても構わない
とにかく可愛い写真が撮りたい。
うちの子の可愛さを引き出せる写真が撮りたい。
バニアこそ持っていないが、そういう物が大好きな共通の友人も誘い、とうとうこの日がやって来た。



『流石にやり過ぎたかな……』
当日の朝、紙袋にバニアのピクニックカーを詰めながら私は思った。

しかし今日はバニ活をしようという趣旨で声を掛けたのだし、
食事の後のカラオケでテーブルに広げるくらいならそう迷惑ではないのではないか?
もし引いてそうな雰囲気であれば片付ければ良い。

悩んでいる間にお迎えの車が到着し、私はブツをそのまま抱えていくことにした。
(友人に車を出してもらったにも関わらず、自分は車を持参としてくる意味の分からないムーブをしてしまった)


やはりバニアとする食事は最高である。
可愛いご飯に可愛い生き物が同席しているだけでこんなにもハッピーは増す。
ただ、店員さんがバニアをチラ見し、「可愛いですね~……ヤドン…?」と困惑させてしまった。
いいじゃないか、ヤドンも材質は同じだし、この食卓を囲む仲間なのだ。
粋な店員さんはそれ以上言及せず、にこやかに給仕を済ませてくれた。
(しかし、厨房で「シルバニアの中にポケモンが……!」と話しているのは聞こえてしまった。その疑問は尤もである。よくぞ耐えた。プロだ。)


楽しい食事を終え、カラオケに移動し、私が照れつつピクニックカーを取り出すと、
2人とも私の想像以上のグッズを取り出してきた。




お前等、天才かよ。


今この時、この空間には女児しか居らず、カラオケに来たというのに誰も歌わず、店員さんがドン引きしながら置いていったドリンクも飲まずに、ただひたすら可愛いもの達を並べる時間が30分程続いた。

それぞれが持っているアイテムのバラつきやそれぞれのアイディアは相乗効果を産み、無限に遊べてしまった。
我々は完全に字面で言う「キャッキャ」していた。

誰かが歌を歌えばその間に少しづつバニア達の居場所が変わっていたり追加されていたりして、もう主役はバニアで、カラオケはBGM程度でしかない。
それぞれ自分が歌う場面になるとやや悲しそうな顔をしつつバニア達から離れていってて、『カラオケに来たんだよな……?』と思った。


今回集まった時に、今日のコーデテーマを決めて揃えよう!という趣旨も話しており、服装は全員白・灰色で統一すること
としていたのだが、
その事に誰も触れないまましばらく時間が過ぎた。
それくらいバニアの空間演出作業は楽しすぎた。


やっぱりピクニックカーを持っていったのは正解であった。
是非またやりたい。
定期的に催したい会であった。
こんなにはしゃいだの何年ぶりだろうか。
今日は本当によく眠れそうだ。

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