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バチェロレッテ2は物足りなかった(2021年7月30日)

バチェロレッテ2を完走しました。全シリーズ見ていますが、個人的には今まででいちばん見応えがなかったと思いました。

もっとムキダシにしてほしかった

それぞれの登場人物のプロフィールやSNSは全く見ていないのであくまで本編を見ただけの感想ですが、これまでのシリーズと違って「ムキダシ」感が物足りなかったような気がしました。

長い旅と共同生活でごまかしが効かなくなって極限状態になって、それぞれの多面性が出てくる。「あんな嫌な奴だと思っていたけどそれって意志が強いからなんだ」「頭おかしいと思ってたけど実は人間臭い面もあるな」みたいな発見があると登場人物に奥行きが見えてくる。
思いつくのはバチェラー1の鶴さんとかゆきぽよとか。賛否あると思うけどバチェラー3の岩永さんなんてその最たる例で、とくに後半はバチェラーらしからぬダサい男の姿をたくさん見せてくれた。その「ムキダシ」の姿こそ見応えだし、人間愛を感じるんです。

さて、今回のバチェロレッテ2はどうでしょうか。本当に個人的感想ですが、みんなやたら身の上話多くないですか?
もちろんご家族を亡くした経験や幼少期にあった辛い体験は人間性を決定づけることもままあると思うし、そりゃあ結婚を考える上で話しておきたいでしょうが・・・
身の上話をされてしまうと、その奥にあるものにたどり着きにくくなる気がするんです。「乗り越えたんだね、すごいね」「辛かったんだね」しか言えないし、実際それで終わっていた気がする。

辛い経験も含めて、「今自分はどんな人間なのか」、かっこ悪い部分を含めてムキダシにして欲しかった。ちょっと全編通して嘘っぽいというか、台詞っぽいというか。編集の問題かもしれないけど。

なんでムキダシになれなかったの

全体にただよう「ムキダシじゃない感」の理由は、バチェロレッテ本人がムキダシになれなかったからだと思う。

ムキダシになるのに必要なのは「自信」と「時間」だと思う。自信がないからリアクションで取り繕う。パフォーマンスや身の上話に終始する。本音や本心、核心に迫られることへの恐れこそが自信のなさ。長旅で時間をかけて、バチェロレッテ(バチェラー)やライバルたちとのコミュニケーションを通して恐れから脱却していく、自信をつけていく。そのプロセスを鑑賞するのがバチェラーシリーズの楽しみなのかと。

で言うと、今回バチェロレッテ自身にかなり自信がないように見えた。本人が「鎧」とも言っていたが、わたしにはそれがまさに「核心に迫られることへの恐れ」に見えた。

バチェロレッテの核心に迫ろうとした人が何人かいたけど、その人たちはあっさりと落とされてしまった。確かに核心に迫ろうとするアプローチはあまり有効ではなかった気がするけど、やっぱりバチェロレッテ自身が本質的な部分を避けていたように感じた。

そうそうムキダシといえばバチェロレッテ1のハオハオ。鉄壁のプライド男が萌子さんとのコミュニケーションで、最終話で泣いちゃうほどムキダシになった。それは萌子さんが一点の曇りもなく常にムキダシだったからだと思う。ムキダシでしか答えられないごまかしのなさ、改めて萌子さんすごい。時間をかけて築いてきた自信の持ち主なのでしょう。

ケイイチ vs マクファー

さて、最後の2人に残った長谷川恵一さんと佐藤マクファーレン優樹さん。Twitterでは「なんで恵一じゃないの・・・」派が圧倒的に多いようでした。例に漏れずわたしもです。長谷川さんと一緒にいるときのバチェロレッテの方が幸せそうに見えて、長く暮らしていくイメージができたからです。

しかし本人が選んだのはマクファーこと佐藤さん。マクファーはとにかく愛をストレートに伝え続けていたのですが、あまり一生を長く暮らすイメージが湧きませんでした。全然自然体じゃないんですよね。あと、目が怖いのよねマクファー。後半に進むに連れどんどん目に光がなくなっていってた。たぶんバチェロレッテへの愛以上に「この勝負に勝つ」っていうことにこだわりすぎていたんじゃないかな。アフターローズパーティでは少し目に光が戻っていてまあよかったです。

なんでマクファーだったんだろう

たぶん自信のないバチェロレッテにとっては、長谷川さんは「優秀すぎる」のかなあと。長谷川さんは弱気キャラだった割にめちゃくちゃ言葉の扱いがうまいし、余裕がある。もうたぶんめちゃくちゃにモテてきたと思う。チャラモテじゃないガチモテ。天然物。生まれながらの優秀マンを前にすると、やっぱり自信のなさという鎧は外せないのかなと。

反面マクファーは良くも悪くも直情型で、ごまかしがない分、自信があろうとなかろうと、鎧を外そうと外さまいと、もうミキちゃんだったらなんでもオッケー状態だから、安心感があったんじゃないかな。

つまりは「自信のなさゆえの劣等感」を感じずにすむのがマクファーだったんじゃないかなとか。

ミキさん、そんなに笑わなくてもいいんだよ

アフターローズパーティを見ていると、結果的にマクファーといて幸せそうだったからよかった。なんとなく、鎧が少し外せているようにも見えました。

このシーズンを通して、ミキさんの愛想の良い笑いが悲しく映ることが度々ありました。これまでの人生、いろんな人の話をニコニコして聞いてきたんだろうなあ。愛想よくいることが最大の防御だったりしますもんね。わたしも仕事で付き合いのある人の話を、仕事を円滑に進めるためにつまんなくてもニコニコ聞きがちなんだけど、やりすぎるとどんどん自分の感性が死んでいって本音がわからなくなることがあります。

つまんないことにはそんなに笑わなくていいんだよ、ミキさん。違和感を持ったら顔に出してみてください。マクファーはオールオッケーだと思うよ。


早くも次シーズン、楽しみです。ムキダシの皆さんに会えるのを楽しみにしています。

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