大正ロマンカフェの面接を通して。

大正ロマンカフェの面接を通して感じた事を書いていきます。私たちが運営しているカフェは求人の対象がコンカフェやメイドカフェと縁の無い人も多く「主な業務が会話です」と説明しても、その会話が添え物のように想像される方も多いです。また、容姿や年齢を中心とした採用ではなく、尚且つ応募者が増える事が経験として分かっていたので接客経験や職歴なども質問しませんでした。こちらの業務に必要な耐性や適正、また働く前の段階でこちらが求めている人物像に近しい人を篩に掛けると言う形になりました。

今回用意した問題では「あの子が贔屓されている」とか「可愛い子をいじめる、もしくはネガティブな発言をしてしまう」とか「どうせ自分なんか・・・」と言った、人間は不完全な生き物であり、その不完全さにこそ魅力が宿る、その脆さでお客さんを惹きつける人は合格ができません。自分に自信があり、多くの場所で必要とされ、挫折も成功も経験し、誰かと力を合わせて何かを成し遂げた経験を持ち、ストレスに強く、相手の顔色に左右されない芯の強さを持った、自分の判断で接客を行える人だけが(その確度の高さはこれから先の働く様子でしか判断できないのですが)二次面接に通りました。

運営でやっても、この適正・耐性試験は合格基準を越えませんでした。自分たちには無い物を持っている人たちですから、お金を払って雇うのです。大正ロマンカフェ全体を盛り上げていきたい。働く人には「私のお客さん」ではなくて、「大正ロマンカフェのお客さん」もっと言えば、「私は働くと言う役割、あなたはお客さんと言う役割で、大正ロマンカフェを楽しんでいる」と言うのが理想です。役割という言い方は、お客さんはお金を払うのですから適切では無いかもしれません。しかし、普段の生活とは違う自分を演じられる場所は、誰しも必要なものです。二度、三度来ていただいている常連さんを、すでに勤務してもらっている女給さんが「この人はめちゃくちゃ良い人!」と信頼して話をしている姿を見る事があります。自分は、四六時中良い人間ではありません。かつては部下に「人間が嫌いですよね」とか、自分を好いてくれる人を自殺に追い込んだり、その結果その人の人生が今もボロボロなのを風の噂に聞く事があります。実家も捨てているし、毎日誰かに迷惑をかけていると言っても言い過ぎでは無いです。それでも、ごく限られた範囲では、良い人間でいられるのです。そう言ったロールが積極的に肯定される場所があっても良いのでは無いかと思いますし、その肯定的な場所で伸び伸びと働いてくれそうな人を今回の面接では採用したいと考えました。

以降は実際の面接を通しての雑感や、コンカフェに限らず会社とかボランティア組織で起こった回避しなくてはいけない事を覚書程度に書いていきます。

自分に自信がなく、嫉妬深い、自分に損がなくとも他人の利益を減らしたい人

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