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恋人ができたので4th Single『焼肉』焼いてみた


8月23日(水)4th Single『焼肉』をリリースしました。
みなさん、すでに召し上がっていただけたでしょうか。
破滅ロマンスのVo.梅星えあです。
恋愛を歌ってみました。



まず、私自身の恋愛的思考も相まって恋愛をテーマに音楽するのが苦手です。
ちなみに、単純なラブロマンス映画も苦手。相手が人外とかなら好きなのですが。

・好きな人と夜のコンビニアイス
・「会いたい」「会えない」「会いたい」
・曖昧な関係の相手とベランダで煙草
・同じ銘柄の煙草
・居酒屋の安いレモンサワーで酔っちゃう恋人
・恋人になれないのに身体の関係をもって相手にバレないように声を押し殺して涙する夜
・君がいなくなった空っぽの部屋


的なものに哀愁纏わせてるのが苦手です。
結局は感情移入の鬼なので映画とか漫画とか摂取すると、OS-1飲んだ方がいいんじゃない?ってくらい泣くんですけど。
『花束みたいな恋をした』でも大泣きした。

心情の理解はできるけど私が歌えるものではないなーと思っていました。
この世にめちゃくちゃあるし。
しかしながら、送ってくれるDMとか読むと恋愛相談があったり、好きな人や彼氏との辛みだったりを綴ってくれている子がわりといて「書くならせめていつもと同じように芯から喰らって書きたい」願望が前からありました。
だって私宛に送ってくれるんだもん。



数年前、ライブ前にメンバーとラーメン食ってる時に親友が泣きながら電話してきて「好きな人にフラれた。曲にしてほしい。」て言われたことがある。
好意を持っている相手から拒否される痛み、虚しさ、惨めさは知っていて、大切な人が苦しんでいるのが悲しかった。
けれど、ライブ終わり、そんな曲は一個もないな〜と帰り道は恋について考えていた。


てか、中学生からずっと恋について考えている。
田舎でのお祭りは気狂うくらいの大イベント。
中学生くらいから周りの子達が“お祭りは彼氏と行く”ムーブなってきて、一番仲良い子はお祭り直前に付き合って、お祭り終わったらすぐ別れてた。
学校では私がずっと一緒にいるのに、なぜこんな一大イベントの時は私じゃないんだろう。
なんでそんなに男子がいいんだろう。
悲しくてムカついた。
まあでも小中とだいたいハブられていたので、彼氏がいないからとかではなく、あまり行けてない。
彼氏いない子達で行く流れになってたけど主犯の子が「えあちゃん、“えあも一緒に行っていい?”とか言ってきそうだよね💦どうする?💦」ていう手紙を回し合ってたので「言わねえよバカが私はどんだけお祭り女だよ」と、誰もいない教室で勝手に盗み読んだそのクソ手紙を破いて捨てた。
セキュリティが甘いんだよ。


高校生になってからは二次元やバンドに推しがいたり、「彼氏ほしいー!」て言いながらも友達優先する子達と会えたけど、このあたりでDV彼氏ができてバグっていきます。
今の私を作るまでに必要な人材でしたが、これは話長くなるのでまた別の機会に。




あの子のこと、みんなのこと分かりたいし、恋愛は思ったより身近だし、私なりに知ろうとした。
私は恋を洋服や音楽、映画、物語などにする。
「それは恋じゃない。」
否定されたりするけど、恋です。

私の恋は創作物や作品に向けるときめき、一方的に注ぐ感情を楽しむためにあるのかもしれない。
好きなものを好きって認めることが気持ちいい。
そして、最近、そんな恋が人に向けられた瞬間があった。
予期せぬ感情で取り扱い方が分からないまま終わった。
いや、終わってないかも。
普通に今も好きなままだし。
「初恋かも!」て騒いでた。

でも、それって付き合いたいとかの好きなの?て聞かれてよくわからなかった。
「付き合う」はなんだろう。
暗黙の「これ自分のなんで」ていう独占法的なものか。
生きてきて一度も誰かと付き合いたいと思ったことがない。
一緒にいると自然と湧いてくる情と支配欲、独占欲などが私にとって“付き合う”の形で、この一方的に注ぐ純粋な恋は、そんな“レンアイ”というドロついたものにしてしまうのは嫌だなあと思った。
実際、その「初恋かも!」の人に恋人がいても同棲していようと結婚しようと気にならない。
あ、人のものでも関係ねえ!奪ってやる!ってことじゃないです。
嫌ですからね、そんな人間になるのは。
ただ、恋を純粋なまま大切にしたいというだけの話。


composer.ナガタトモヤからトラックが送られてきた時点で既に弾き語りでAメロの歌い出しはほぼ作っていました。


ドラマにも映画にもならない
ネットニュースには載らない
でも丸裸は描けない 太った地獄
有名じゃない名前を持った君と僕の焼肉
いつか週刊誌に撮られようね約束


その、「初恋かも!」の人と両想いで焼肉に行ったらって妄想だった。
何の肉好きなんだろ。
米食べるのかな。
イントロのリフが夏の夜だった。
曲名は即決。


その最中、恋人ができた。
「初恋かも!」とは違う人。
そして、すでに別れることが決まっている。
かなしいですが。
決まっていなくても、レンアイには終わりがくると信じている私なのでエンディングはどうせさよなら。
『サマー・ニューカラー』も終わりかけているし、『助演女優賞』は終わっています。
終わりがなかったことはないから二人での未来とか信じられない。
ちゃんと恋人は好きですし大切だけど、焼肉も君も好き!って音楽にはなれない。



「初恋かも!」の人への妄想から始まり、恋人との経験を織り混ぜながらストーリーにしていって、その主題歌として仕上げていった。
同時に、好きじゃない人から高い焼肉をご馳走してもらう経験から蓄積されていった歪んだ性根も出しています。
反比して、好きな人との焼肉がより綺麗に見える。
ごめんなさい。
高い焼肉を奢ってくれた人たち。
ありがとう。
高い焼肉を奢ってくれた人たち。
絶対入れたかった気持ち。
好きな人と焼肉、だけじゃ終わらせられない。
夜のコンビニアイスと一緒。
もう分かったから。
そんなの最高に決まってんだから。
エモさで胃もたれするわ。
焼肉焼くだけでも私は歪んでいる。
東京に来て「安い!おいしい!」て感動していた安安の肉はもう食えなくなっている私を出せ。



アートワークは焼肉屋さんで撮りました。
「好きな人と焼肉行った設定で喋りながら自然に〜」ってことになったんだけど、途中から「るるぶ!」「ことりっぷ!」「カップルにおすすめ!都内個室焼肉10選!」とか私がふざけはじめてしまって。
めちゃくちゃ笑いながら400枚も撮らせてしまった。

別候補アートワーク。
撮影:夕

2番

口コミ低い 個室の火が
網を壊す だるい空気


アートワーク撮った後に夕さんに「ここ変えよっかな〜」て相談して変わった歌詞。
元は何だったか忘れてしまった。
本当に口コミ低くて不味かったから、好きな人と来たら気まずい感じとか曲も終盤だし関係の終わりに向かってる空気にしました。
ちなみに、全体的にお口に合わなかったんですけど、いぶりがっこクリームチーズだけは今まで食べた中で最高でした。


恋人と行ったら髪まとめる。
麦焼酎飲む。



今回もミックス、マスタリングは桑山さんです。
『美醜乱⭐︎レストラン』か『焼肉』か迷うってくらい好いてもらいました。
かなり音が気持ちいいです。
そしてアレンジも良い。
まさに、先ほどの「口コミ低い〜」から後ろで鳴ってるノイズの声がセンス抜群です。
ざわざわ。不穏。


ナガタとすいすい作りました。
サビで転調しているのでメロがちょっと作り辛かったくらい。
ベースも良い感じにうようよ動いています。
こだわりは各々でポストするかと思われます。




お暑いうちに、冷めないうちに。
冷めてからでもいいか。
しばらくは、僕と君の味に痺れてる。
さよなら、夏。

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