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歌舞伎座「霊験亀山鉾」2/19の感想

◎うわーーーん鶴屋南北に
脳内をグッチャグチャに掻き回されたよウッカリしてた四谷怪談や天竺徳兵衛の人なのに甘く見ていたーあーー爆裂面白かった!!

◎江戸後期の民衆が熱狂した
ケレンと仕掛け、愛と死、笑いと涙の大スペクタクルが織りなす虚空に
ずっと仁左衛門丈の美しくも凄婉な顔が浮かんでるという、モノスゴイ演劇体験をしてしまった…
また、一生涯忘れられない舞台の記憶が刻まれました〜大感謝です!!

◎仁左衛門丈一世一代と銘打ってたけど
正にその通り、渾身の麗しき悪の華でした〜最of高!!
桜姫東文章や十六夜清心でこの方の色悪は見てたんスけど、綺麗すぎてもっとサラッとした印象だったような…(オボロゲ)
去年の團十郎丈襲名公演くゎんぺらでも思ったけど、歌舞伎役者て七十代になったら出てくる新鮮で独特な味わいがあるのよね、怪物化するというか(褒めてます)…この芝居、あの要所要所で見せる美しく凄味のある笑顔が、心の深奥を覗かれるようで心底オソロシかった…
コレだけは言っときますが、人間国宝だから素晴らしいんじゃないんだよ!素晴らしい役者だから面白いんだよ芝居が!!

◎先代の雀右衛門丈に夢中でした、
七十代超えてるのにキュートで可憐で、なのに絢爛たる叙情性があり
当代はご子息、「年齢に関係なく可愛らしいのは京屋(屋号)の系譜ですな〜」と思って見てたらアレだもんね〜南北〜〜!!初期の妊婦さんなのに土砂降りの中での大立ち回り!?かと思ったら
ある瞬間にいきなり誰も捉えられない美しく恐ろしく儚い“ナニカ”に変化(へんげ)する、それも京屋の系譜
あと手が異様にキレイなのもね、3階席から見惚れましたよ〜お父様の時と同じように!

◎え、芝翫丈て2役(正確には3役?)だったの!??
てなったのは前半が終わってから、早替わりか〜クッソウ南北め〜別人だったから気づかなかったぜ!悔しい前半だけでいーからもっかい見せてくれ!てなりました(苦笑)
橋之助さんの頃から見てて段違いの貫禄、と思ったら2人の女性にギャースギャース奪り合われてオタオタしてるのは相変わらず可愛いし、袖介の立ち回りは相変わらず目にも止まらぬシャープさだし…あ!そっか、あの立ち回りで「コリャまたすげーカッコイイ役者が出てきた」て思った時点で気づくべきでした〜失礼しゃした!!

◎国立劇場で、俊寛の通しを見たのは
いつだったっけか、少なくとも20年は経っている…普段は演らないストーリーの中で、孝太郎丈の千鳥が歌舞伎のヒロインらしからぬ、恋する人のために大ハッスルな美少女で脳天カチ割られるレベルで魅了されたのは…
今回は違ってた、母なんですよ!愛する人の死を乗り越えて息子に決死のサポートをする、白装束で本懐を遂げたラストの横顔の清々しさ強さ美しさときたら…
でもやっぱり可愛さもあった、待ちわびた夫が帰る!?てなって「どうしよう、服とか髪とかもっとちキチンとしときたかった!」てワチャワチャしたり、夫や義母の死にのけぞらんばかりに悲しんだり…はまのこそ「どうしよう」ですよ〜好きです!!(出た突然の告白)
あと、ひっさびさに「そうじゃ!!」が聞けて嬉しかったです〜あの一連の所作もスピーディかつキレイで♡

◎鴈治郎丈、思い出せないほどお久しぶりだった
團十郎丈襲名公演の里暁でも思ったけど、表情豊かで余韻のある役者さんになってて楽しいですわー見てて!端正とお茶目の使い分けがお見事すぎて…
でも、近松の心中モノも見たいです、恋に狂う男の転落もめちゃくちゃ良いんでしょう?きっと…今年中に予定ありますよね!?行きますからね←

◎ホントにホントにお久しぶりの東蔵丈、
以前は粋で洒脱なイメージでしたが
今回は息子のために、孫のために命を懸ける母として気高く重厚に生きてました〜そう、色悪が支配するエキセントリックな世界と思わせといて2人の母親が重大なカギを握る、母性愛で泣かせるのはズルいよ南北〜てか天才か!??(知ってた)

◎「〜亀山鉾」のメンバーで、誰が1番好きかと言うと
吉弥丈のおりきです、まず滴る色気がスゴイ!!
粋で機転が効いて忠義心もある、ステキィ…と思ってたら最後あんな事に〜南北!アンドおつまさん笑←

◎おぉ〜またドえらい美形が出てきた
と思ったら千之助丈!お祖父様とお父様のイイトコ取りなのね?コリャ期待できますな裃姿の凛々しい佇まいイケてる~眼福あざす♡

◎種太郎くんかんわい〜上品で華がある、
7歳!?Oh…
うちの息子が7歳だった時のことを考えた、あの大舞台で、あのお衣装きてカツラかぶって腰に大小を差して…幼少期から大任を追い、観客の心を揺さぶる役者の業(ごう)を考えた…
あ、お父様=歌昇丈の金六もステキでした♪

◎山鉾が大舞台を練り歩く賑々しさ華やかさ、
亀山城の壮大な背景もすごかった!舞台そのものが見応えありました〜♪
あと超ひっっさびさに大好きなだんまり(暗闇の中でお互い見えない、という想定で複数の登場人物が手さぐりで絡む)が見られたのも嬉しかったな~ホントにバラエティ豊か、はまの得が盛りだくさんの楽しい舞台でした☆

◎悪が滅びる終幕だけど愛すべき主人公の
最期でもある、と思ったら!!
宝塚のパレードほど大がかりじゃないけど、皆さん身支度を整え、仁左衛門丈が中心となって「では、本日はこれぎり」のご挨拶がよかった〜♡南北&仁左衛門丈に情緒をグチャグチャに崩壊させられ脳内がバグってるにも関わらず、ニコニコしながら帰宅の途につけました!

虚空に響く南北の高笑い、でもいーんです!負けるが勝ちという時もある、今回は本望です(笑)


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