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歌舞伎座「新・陰陽師ー滝夜叉姫」4/4の感想

◎今から30年以上前に見た猿之助(先代)歌舞伎に
物足りなさを感じたのは
一座として若かったというより、自分が観客として未熟だったんだろうなと思う…
アホバカ女子大生だったから、気に食わないトコロが引っかかる“引き算の見方”をしちゃってた
あの頃の自分に言ってやりたいね、「好きなトコロを愛でる“足し算”の見方をした方が面白いよ、時間とチケット代ももったいないし」って
でもある程度、歳をとんないと無理だったかもしれない…基本アホバカな自分は変わんないけど、それなりに色々あったもんね〜(苦笑)

◎猿之助丈の蘆屋道満、邪にして陽にして剽、
なんとも味わい深い大らかな悪、絶妙な間合いと圧(←)に唸った!
「亀ちゃん(当時は亀治郎丈だったから)」て呼んでた中学生の頃が最初の記憶、華奢なお姫様だったのが、こんなスケールの大きな立役になって〜(出た!謎のオバチャンポジション)
お父様の段四郎丈も大好きだった、まだ70代…いつの日か、並んで舞台に立つ姿が見られる事をお祈りしております☆

※この後、まさかあんな事件が起こるとは…段四郎丈のご冥福を、心からお祈りいたします

◎中村隼人丈の安倍晴明…近寄りがたいほど
削ぎ落とされた、氷のように美しいビジュアルに対して
細かいくすぐり(ギャグ)を入れてくるところがツボった(笑)、柔らかな笑顔もステキ♡
お父様は錦之助丈…?て、あ!前の信二郎丈か〜シャープな美貌、似てるわ!!
それにしても萬屋の御曹司は充実してるね〜調べ過ぎて思わずIHIで演ってるFF歌舞伎まで行っちまいそうになった笑(行けない←経済的事情)

◎博雅の染五郎丈、あの気を失うほど華麗な
王子ビジュアルは知ってたけど舞台で見るのは初めて…辺りを払うような清々しい麗しさ、淡く上品な色彩のお衣装が激お似合い♡
役の人柄が素朴だから「うわ〜可愛い〜〜」てニコニコしながら見てたら…見得のキリッとした凛々しさたるや!あの風格こそが正に高麗屋のプリンス!!

◎将門役者、派手な隈取りでも「あれ…三津五郎丈?いや、巳之助丈だ」
と思ったらビンゴ!!お顔も似てたけど、亡きお父様のカッチリした楷書の芸風に、鮮やかさ華やかさも感じるのは…お母様の血も入ってると思ったのは、気のせいかしら?
妖しく猛々しく禍々しい中に、底知れない艶と哀切感がにじむ至芸、目に金泥を刷いたような錯覚に落ちた…まだ若いのにこの開花っぷり、なんて素晴らしい役者に(感慨)
巳之助丈は、何度も言うけど初舞台(6歳)が忘れられない。愛らしい仔猿くんの隣りで最高に幸せそうな笑みを浮かべる猿遣い(九代目坂東三津五郎丈=お祖父様)…色々な事があったけど、今日この舞台でこの人を見られた幸せを噛みしめました…

◎福之助丈は芝翫丈三人息子のご次男で初めまして…
かな?端正で爽快感あふれる快男児は、成駒屋に連なる立役の真骨頂!!
秀郷は豪壮だけど、晴明や将門や奥さんの桔梗ちゎん(大好き♡)と比べてインパクトに欠けるような…と思ってたら、クライマックスの全力バトルが凄かった!!見得をきる時の迫力、左目だけグーッと寄るのが豊国の錦絵のようで見惚れた~ギャップ狙いも芸の内、いやカッコ良かったっす~☆

◎ニセモノの方の琴吹内侍が、すごいキレイな人だぁ
と思ってたら…右近丈?あの映画「私の幸せな結婚」で独特の存在感を発揮してた??「歌舞伎で見たら、どんなだろう」て思ってたから、早速見られて嬉しい限り〜♪
興世王実は…正体を現す前の重厚感も見応えあったけど、ぶっ返りで変身?後の圧倒的なパワーに飲まれた…て、え、お父様が延寿太夫!?そりゃイケメンだわ~美男の系譜☆

◎突如現れた鷹之資丈の大蛇丸は
五月人形のように大時代かつ高雅、貫禄と軽やかさを合わせ持つ芸風は、亡きお父様を偲ばせた…まぁ大きくなって~(涙目)
てか、はまのはオロチマルって名前の人には惹かれる習性があるのか?(例・ロマンス劇場笑)

◎登場の時に「似てる、嫋々たるたおやかさと細やかな心配りが」
「福助丈に」と思ったら、やっぱり児太郎丈だった~てか、桔梗ちゎん大好きすぎる~激推し!!
秀郷との仲を裂かれて帝の寵姫に、と思ったらめっちゃ引き止められてるのに軽々と愛する人の元へ戻り、と思ったら「帝に愛されたこの身を利用して」将門に侍り弱点を突き止めて夫の役に立ち、最後の大詰めまでナイスサポート…知恵とチャンスをフル活用する女傑だけど、「女房」と呼んでもらえて喜ぶ笑顔がソーキュートでした♪
それにしても極限まで洗練された所作の美しさ、大成駒の血を受け継ぐ人にふさわしい、若くしてあそこまで研ぎ澄まされた女形の芸を魅せるには、幼少期からどれほどの研鑽を積んだ事か…
いずれビッグネームを名乗る人、でもその前にやっぱり見たい…お父様との並びを。

◎「ギャー滝夜叉姫の人キレイ~カワイイ~惚れる~」
と思ってたら…この方が壱太郎丈か!
紅ゆずるさんと仲良しで、一緒にテレビに出てたのは知ってたけど、ここまで惹きこまれる女形とは…登場のパターンとして、はじめは淑やかで愛らしい姫君なんだけど、徐々に本性を現わしてって引っ込みでは妖しく、そして強さも見せる(マサカ飛び六方で引っ込むとは)、そして哀れさも…キィなんて魅力的なんだ!!(謎ギレ)
てか!踊りの最中とか時々目がキューッと細くなるアレね、狙ってますか?やめて欲しいんです~そのたんびに心臓を握り潰されるから(好きすぎて)
鴈治郎丈のご子息イコール西の成駒屋、という事は…いずれ見られるんですね!?お初や小春や梅川を…TA☆NO☆SHI☆MI☆

琴吹内侍の寿猿丈、ガチの「来月で93歳」ネタ
面白かった~でも、それと同レベルで尊い☆
足腰が達者で口跡もハッキリしている限り舞台に立ち続ける、伝統芸能を支える人々の気概&元気を実感しました~!!

◎笑也丈の蜜虫も良かったね~まず美人♡
道満が寄越したムシチャン(式神の蟲)をアブラムシよばわりして、自分はぶっ返りで華麗な蝶になり飛び立つのも好き、あんな変化(へんげ)のパターンもあるんですね(新鮮)…
てかムシチャン、バーン!て破裂して飛び散って、皆がその残骸?の上をそのまま歩いたり座ったりするのが、オバチャン気になって気になって…誰か片づけてあげて!?←

◎はまのの大大大好きなだんまり
(何も見えない暗闇と想定された舞台で、様々な手さぐりの人間模様がくり広げられる)を、すごい豪華メンバーで見られたのも俺得でした~「この公演、見といた方がいい」と思った自分、ありがとう♡

◎カエルチャン(大蝦蟇)バーン!!て出てきて盛り上がったね~
見得きりまくってたし(笑)てか、キツネチャン(白狐)なんでいっぱい出てきたの、遊んでるの?と思ったら…あれはカエルチャンから晴明を守ってたのね~眷属だから♡

◎しまいには大ムカデチャンまで出てきて
新・陰陽師なかなかバラエティ豊かな動物ワールド(笑)大勢の四天が集まって大百足になるアイデア・ばんばんトンボをきりまくるスペクタクル・最後はアクロバティックに飛び散ってムカデチャンが分裂=退治された事を表現したのには感服…客席も大拍手大喝采で応援して楽しかった♪

◎舞台俳優の、(映像メインの人々とはたぶん違う)身体的な
芯と軸について考える機会でもありました
歌舞伎に限らず宝塚でもその他の舞台でも、全身をまっすぐに支える芯と、動く時にもぶれない軸があって初めて、あの人々の見事なパフォーマンスが作り上げられるのだと
そのためにどれほど長時間の厳しい訓練を重ねているか、わかったような気がした場面がありました

◎立ち三味線&大薩摩(?)、ROCKでしたな~
座ってないだけでスペシャル感あるのに
特に三味線ソロの超絶技巧にはゾクゾク来ました~かっっっけぇ!

◎昨年11月の團十郎丈襲名で、3階下手に大向こうブースが
設置され、観客はまだ禁止だけど決められたメンバー?が掛け声をかけるようになった、と聞いてたんですけど…今日は誰もいなかった、大向こうブース…1階の客席で誰かが声をかけて、その後は静かになったという事は、注意されたのか…「ここぞ!」という決めシーンにかけ声が無いのは、なんとも物足りないですな…舞台効果音の一環だと思います~もう客席OKにしません?何とかして松竹さん!?

◎宝塚の拍手のタイミングが独特、というのは
よく聞く話だけど
歌舞伎の方が特殊ですな、なんでソウ思ったかというと…
隣席の女性が、最初は(たぶん)自分の好きな場面で拍手してたんですけど
それがいちいち他の人々とタイミングずれるんで、途中からやりづらそうにしてて
最後には諦めてました…(完)

◎え?話の流れでの宙乗りじゃないんだ、
「無いと面白みに欠けて締まらないから」っていう理由だけで、(言い方悪いけど取ってつけたような)あんな豪快+危険なアクロバットを…猿之助丈の「観客を喜ばせたい」という真心と、「どうしてもやり切りたい」エンターテイメント魂に、心からの拍手を送りました!!

※くり返しますが、この後にマサカあんな事件が…いつかまた、勇姿が見られたらいいな…


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