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長濱シルクの未来に向かって

いよいよSOZAI展(東京インターナショナルギフトショーLIFE&DESIGN)へ!
「“技術と素材”を提案し、新たな流通へとつなげる見本市」に「THE 白生地産地 長濱シルク」として出展。
白生地の技と品質をさまざまな業界へアピールする機会として、プロジェクトメンバーがワンチームとして臨みました。


THE 白生地産地 長濱シルクのブースはこちら!

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(吉正織物工場×福川登紀子チームによる、白生地ブルゾン)

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(南久ちりめん×滋賀県東北部工業技術センター岡田倫子チームによる交織デニム)

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(タケツネ×仕立屋と職人チームによるベビーアイテム)


これら各チームのこれまでの成果物に加え、岡田倫子さんが取り組んできた浜ちりめん生地のニットもお目見え。

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3事業者の個性や製造プロセスなどを紹介しつつ、さらに浜縮緬工業協同組合と仕立屋と職人の企画で完成した「長濱シルクバンチブック」を壁面にずらり。浜ちりめん・輪奈ビロード・浜紬の生地なんと54種の質感を数値化したものです。

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(バンチブックとは生地見本のこと。やわらかさ、ストレッチ度合いなどを数値化し、生地の違いを明確化した)


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ブース内を回廊してもらえるような動線を作り、長浜ならではの白生地を多面的に伝えられるように強調しました。

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(開幕前日入りし、ブースディレクター石井挙之さん指揮のもと皆で設営)



広大な会場でさまざまなコンセプトの展示棟があるなか、SOZAI展には15ブランド(社)が出展。

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SOZAI展を訪れる人は「なんとなく覗いてみた」という感じではなく、「自社のこの商品を作るための素材を探している」といった目的意識をもつ企業やメーカーが多数。皆が分担しながら説明や紹介を行いました。

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なかには1時間ほど話し込むケースもあるほど。濃厚な接客ばかりが続きました。
接客後はその反応や手応えをヒアリングシートに必ず残すように徹底。
次の事業展開に向けての「ヒント」がこのシートでもあるです。

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各チームの開発アイテムへの反応は?


吉正織物工場×福川登紀子チーム(広幅化)
ユニセックスブルゾン&レディースシャツ

ブルゾンは、白生地、黒無地染め、そして柄染めの3タイプでお目見え。
黒無地染めは裏地を柄染めに仕立てました。
ポケットのデザインがそれぞれに異なるほか、襟ぐりや背中側のラインなど細部に福川さんのセンスが光ります。
プロジェクト内でも公開は初めてとあって、メンバーも感動! 軽くてさわやかな着心地を実感します。
来場者からも同様の感想で、生地の美しさにも高い評価が。「個人的に購入したい」といった声もあったほどでした。

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(黒無地、柄染めは後述のfeel NIPPONに出品)

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南久ちりめん×岡田倫子(交織化) 
デニム生地「Natural stretch Fabric」
シルク、ウール、ラミーに八丁撚糸を取り入れ、交織でのデニム生地製作を続けてきた南久チームでは8種の生地見本を展示。
繊維の長いラミーに代わって短いリネンを取り入れ違いを確かめるなど、さまざまな試作を繰り返してた長谷健次さん。
さらには、インディゴ染めの綿糸を取り入れ、最終的には経糸に、先染めのシルクを使った4種とインディゴ綿糸4種を披露する形になりました。

八丁撚糸ならではのシボの入り具合や自然なストレッチ感は、来場者にとても新鮮に映った様子。テキスタイルを探しているデザイナーや業者から具体的な相談があるなど、これまでの浜ちりめんを求める層とは異なる分野へ着実な手応えがありました。

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タケツネ×仕立屋と職人チーム
ベビーアイテム(帽子3種、ケープ、おくるみ、シューズ2種)

タケツネの輪奈ビロード製品は、生地の凹凸で文様を浮き上がらせているのが特徴。このベビーアイテムでも、「青海波」「菱取小花」など10種の日本の伝統文様が入った生地で仕立て、赤ちゃんのすこやかな成長を願う仕様に。

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縫製をお任せしたのは長浜で洋裁店を営むモニカ先生こと福永禮子さん。タケツネ製品の仕立てを長く担い、輪奈ビロード生地を扱うスペシャリスト。仕立屋と職人のワタナベユカリさんが福永さんにイメージを伝え、福永さんからは適切なアドバイスをもらいながら完成しました。


実演で伝える

今回のSOZAI展での目玉のひとつが「SOZAI LIVE」。同展出展者が、自社製品の製法を実演するスペースです。
長濱シルクからは、タケツネの武田規与枝さんが輪奈ビロード製造工程の「抜き」などを披露。
行き交う人が足を留めて見入り、なかにはタケツネ本社での工場見学を希望する声も。
実演を通じて技を伝えた上で試着用のコートを羽織ってもらうと、反応が断然異なります。輪奈ビロードは「身につけてもらうもの」だと再確認することもできました。

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「feel NIPPON」に同時出展


SOZAI展が素材や技術をPRする場に対して、こちらは既成製品を販路開拓・拡大する場。会場も来場者層もそれぞれに異なることから、2本立ての出展をすることで、長濱シルクの魅力を多層的に見せます。

ブース設営は、事務局の長浜商工会議所と長年連携する空間コーディネーターの片桐かほりさんが担当。SOZAI展とは対照的にダークブルーの色合いですっきりとまとめました。

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(前日の設営準備を終えて意気込み充分! 左から事務局の吉井康治さん、吉正織物工場の吉田和生さん、片桐さん)


吉正チームの染めと柄のブルゾンはこちらで展示したほか、南久ちりめんと吉正織物が以前からコラボレーションする「afumico」の名刺ケースなどの小物や、「kinumina」のシルク製ボディタオルも登場。
浜ちりめんを気軽に生活雑貨としても愛用してほしいとの思いから生まれ、登場当時から好評のアイテムです。今回も安定の引き合いがありました。

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会期を終えて

ギフトショーの来場者数は、公式発表によると3日間の会期でおよそ27万人。
長濱シルクの素材・技・品質を体感してもらえる機会としては、たいへん有意義な出展でした。
出展の成果が見えたのと同様に課題や今後のテーマも浮上してきます。
各チームでの取り組みのこれからの道を模索すること、そして皆が一体となって白生地の産地長浜のPRをブラッシュアップしていくこと。
濱シルク活用プロジェクトの本当の正念場はここから始まります。