【ドラフト】高校通算本塁打という評価基準
高校生のドラフト候補をプロ入り前に評価する基準は色々とありますが、特に野手のスラッガータイプで注目される数値としてあるのが「高校通算本塁打数」です。
これは名前の通り、高校通算で何本のホームランを打ったか、というのを数えた数字になります。今回はこちらの評価基準について考察してみました。
参考にする人・しない人
まず、この「高校通算本塁打数」という言葉、ドラフトに興味を持った人なら1度は見聞きした言葉でしょう。
ですがこの数をドラフト候補の評価として参考にすべきかどうかについては、大きく意見が分かれます。
個人的な印象だと、テレビのドラフト候補特集や野球雑誌でよく見かけたり、ドラフト候補に興味を持ち始めた段階の方々はこの数字の大小に注目しやすく、逆にドラフト候補に詳しい方々ほど、あまり参考にしない傾向があるように思います。
何故、詳しい方々が高校通算本塁打数を参考にしない傾向にあるのかは、おそらく選手を見分ける目が培われてきている方が多いからです。
沢山のドラフト候補を見てきて、球団のスカウトのようにその選手が出場する試合を見に行ったり、プレー中の動画を見ることで良し悪しを判断できる眼力を培ってくれば、自分の評価基準にある程度信頼を置けるようになってくるでしょう。
こうなれば、高校通算本塁打数というのはただの数値で、打撃フォームや体格・体つきや打球方向や角度などで判断する方がより情報量が多く信頼しやすくなります。
では、ドラフト候補の試合を見に行くほどの関心の高さと、見極める目が無ければドラフト候補の評価ができないのかと言うと、そういうわけでも無いと思います。試合を見ることで得られる情報量というのは確かに多いですが、それはあくまでその試合でのことで、たまたま調子が良かったり、逆に悪かったりする選手は沢山います。
もしくはフォームを色々と試している段階だったり、疲労の有無やコンディションなどに左右されることも多く、それは数試合見ただけでは分からない部分でしょう。
こういう場合は逆にデータの方がトータルでの成績や状態を表すことができるので、1試合単位での好不調の状態に左右されにくくなります。
つまり、ドラフト候補を評価する上でデータも重要になってきます。
高校通算本塁打数はデータとして信頼できるか?
ここまで、実際に見て得られる情報のメリット・デメリットと、データで見るメリット・デメリットについて記載しました。
では、高校通算本塁打数というのは果たしてデータとして信頼できるものでしょうか。
これについてはやや信頼性が弱いと考えます。
理由として、高校通算本塁打数というのは1年生~3年生までの全ての本塁打数を数えた数になりますが、以下の点がデータとしての信憑性を損ねるからです。
①練習試合を含めるので、学校ごとに練習試合の数に差がある
②上記と同様の理由で、学校ごとにフェンスまでの距離や高さに違いがある
③高校1~3年までスパンが長く、1~3年までの成長が分かりづらい
①、②については学校ごとの違いが多いですし、特に強豪の私立校と公立校では対戦相手の状態も施設も大きく異なってくるでしょう。この差は通算本塁打数にも大きな影響を与えると思われます。
③についても、本塁打数という数自体は分かるものの、3年間のトータルなのでいったいいつ成長してきたのか等が見えづらいです。
1・2年の時にホームランを量産していたのに3年生で途端に打てなくなった選手と、1・2年は全然打てなかったけど3年になってからいきなり打てるようになった選手では、ドラフト候補の評価として大きな違いがありますが、通算本塁打では実はそこまで差が無かったりします。
なので高校通算本塁打数への信頼度は、単体で見るとそこまで高くないでしょう。ただ、練習試合の数や施設の状態まで考慮したり、成長ぶりを追っていて分かっている場合は評価基準になり得るものだと思います。
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