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【横浜DeNA】中畑清監督の本当の功績~ファンを想い・選手を守り・球団のあるべき姿を示した

DeNA初代監督の中畑清。
中畑監督が残した功績について、「ベイスターズ再建録」という書籍から読み取れる部分がありましたので、そこの紹介を含めてまとめてみました。

最下位のチームの意識改革

中畑監督の在籍期間中の成績は、5位が2回、6位が2回で、成績面での結果は残せませんでした。

ですが、直近10年で8回も最下位に沈んでいたチームは、気持ちも完全に沈んでいました。そこに喜怒哀楽をはっきり出せる人が入ることは、チームの雰囲気を変えることに繋がりますし、チームに活気を取り戻すという目的では中畑監督はまさにうってつけでした。

チームの意識改革という点では、中畑監督以上の適任はいなかったはずで、DeNAの初代監督の人選としては誤りでは無かったでしょう。

ファンサービス・観客動員数増加への貢献

これ以外にも中畑監督がやったことで、とても大きなことがあります。

それはDeNAが様々なファンサービスに乗り出したことです。

新親会社のDeNAと、そこから来たフロント陣がまずやったのは、様々なイベントを行ってファンサービスを充実させ、球場に来るファンを増やすことでした。
そのイベントにも中畑監督は積極的に参加してくれたことで、イベントの企画やファンサービスの拡大が非常にやりやすかったと思います。

正しいファンサービスを示した

そしてこの様々なイベントについて、中畑監督はただ単にイベントを盛り上げようとするだけでなく、正しい方向へ導くこともできていました。

DeNAになってから初期の頃に「全額返金!? アツいぜ!チケット」というのを売り出していた時がありました。
これは中畑監督とコラボした企画ですが、試合に負けたとき、このチケットで観戦した人にはチケットの料金が全額返金されるというものです。
これは勝った時でも内容が面白くなかった場合は、半額が返金されるというチケットになっていて、話題性のあるチケットでした。

当初の中畑監督は返金されないように頑張ろう!という気持ちを出していましたが、ある日事件が起こります。

2012年5月8日の中日戦で、DeNAは中日相手に12-1と圧勝しました。
先発の三浦大輔は9回1失点の完投、打線も15安打2本塁打と打ちまくり、これ以上無いぐらいの完璧な勝利でした。
しかしこの試合後、「アツいぜ!チケット」を購入した人の半分以上が返金の列に並んでいました。
これに中畑監督は激怒しました。

「『おまえらのプレーには金払えない』と言われたようなもので、現場にとっては屈辱以外の何ものでもない」
「ひどい負け方をしたならともかく、最高のプレーをして『金返せ!』じゃ選手のモチベーションを下げるだけ」
「いろいろ営業努力をしてくれているのはありがたい。でも、この企画に関しては二度とやらないでいただきたい」

当時の池田球団社長に怒鳴り込んだと言われるほどの怒りで、ここまではっきりと怒りを示したのは後にも先にも初めてでした。

球団の営業としては注目を集めた意味でも成功と捉えたのでしょうが、現場の選手たちの全力をフイにするような企画では、いずれチームはバラバラになってしまいます。
中畑監督はそれを危惧したから、ファンサービスのイベントだとしても「2度とやらない」と強く反対したのだと思います。

仮にこれがなぁなぁで済まされて、毎年のように行われていたとしたら、その後のAクラスや日本シリーズ進出は無かったかもしれません。

監督として選手のプライドを守ったこと、そして球団に正しいファンサービスの在り方を示したこと、この功績は非常に大きかったでしょう。

これ以降は先着10名に200円で販売です。
10名に達しましたら300円に変更されます。

対戦球団へのリスペクトの気持ちを示した

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