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【育成論】佐々木朗希から見る160km超えの高卒投手の育成法【ロッテ】

今、日本球界で最も話題になっているプロ野球選手というと、ロッテの佐々木朗希になるでしょう。
佐々木朗希は高卒3年目の20歳の投手で、2022年4月10日のオリックス戦で先発し、9回 被安打0 奪三振19 与四球0 失点0の成績を残し、完全試合を達成しました。
この完全試合では、1試合の奪三振数が19で日本の歴代最多タイ記録となり、連続奪三振数も13でこちらは日本新記録になりました。

この試合に続き、次の4月17日の登板でも8回まで無安打無四球の完全試合ペースを維持していました。
この時は8回まで0対0のままで、9回に佐々木は降板したため2試合連続完全試合達成とはなりませんでしたが、その目前まで来れたことが絶賛され、日本のプロ野球だけでなく海外からも注目を集めました。

佐々木朗希が高卒3年目でこれほどの投球ができるようになった背景には、いったいどのようなものがあったのでしょうか。

高校時代から超高校級

最速163kmの怪物右腕

高校時代の佐々木は190cm 86kgという大型の体格で、かつ最速163kmの直球を投げていたことで、大谷翔平のような投手と注目されていました。
佐々木は球速だけではなく、制球も安定していて被安打・奪三振・与四球などすべての指標が良く、歴代の高校生投手を見てもトップクラスだったことは間違いないでしょう。
当然ドラフト候補として、プロの全球団が注目していた投手でした。

物議を呼んだ3年夏の県大会決勝

その佐々木朗希について、3年夏の最後の大会で物議を呼ぶ場面がありました。
当時、エース佐々木を中心とした大船渡高校は夏の県大会を勝ち進んでいき、佐々木も準決勝で先発登板して完封勝ちを収めていました。
佐々木は準決勝を1人で投げぬいたことで疲労が心配されていましたが、佐々木は大船渡のエース投手で、ドラフト候補としても注目度No.1の投手だったことから、決勝戦でも登板するだろうと多くの野球ファンが予想していました。
しかし、決勝戦の先発は佐々木ではなく別の投手が先発しました。

佐々木は結局この試合で登板することなく、投手陣が打ち込まれたことで大船渡は2-12で敗れて甲子園出場を逃しました。
試合後、大船渡の國保監督は佐々木を起用しなかったことについて、「故障を防ぐために判断した」と説明していますが、チームのエース投手の佐々木を決勝戦の舞台で登板させず、甲子園出場を逃したことで批判が殺到しました。

蛇足ですが、これに関して自分の当時の心境としては、登板回避は仕方ないと思う反面、監督が出し惜しみした印象も残っていました。
ただ、後々こうして佐々木がプロで完全試合を達成するまでになっていることを考えると、高校時代でのこうした起用判断があったからこそ、故障のリスクなくプロでも順調に結果を残せるようになっているとも考えられそうです。

プロスカウトは更なる伸びしろを評価

佐々木は2019年のドラフトでロッテ、日本ハム、楽天、西武の4球団から1位指名を受け、抽選の結果ロッテに入団しました。
佐々木朗希はロッテに指名されて、背番号17番を提示されましたが、この17の意味は、170kmまで投げれる投手になって欲しいという想いが込められてるとも言われています。

佐々木は最速160km超えの速い球を投げていましたが、当時のフォームは力感なく無理の無い形だったので、しっかり身体づくりをしていけば更に球速を上げていくことも可能と、プロスカウトから評価されていました。
このように佐々木は高校時代の圧倒的な球速を評価されていただけではなく、伸びしろについても評価されていたことが分かります。

佐々木朗希のロッテでの育成法

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