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【DeNA】梶原昂希の好調は運か?実力か?【BABIP】

DeNAは今シーズンの優勝がかなり難しくなってきましたが、その中でも梶原昂希が猛烈な活躍を見せています。

【7月の成績】
19試合 75打席 打率.361 0本 12得点 4盗塁 出塁率.387 長打率.417 OPS.803

【8月の成績】※19日時点
14試合 62打席 打率.443 2本 12得点 3盗塁 出塁率.443 長打率.623 OPS1.066

7月から高い打率で、8月にはさらに打率を上げ本塁打も出て、OPSは1.000を超えてきました。
この活躍で最近はスタメンに固定されて、1番や2番で起用されています。
この好調ぶりは喜ばしいことですが、果たしてこれは実力なのでしょうか?それともたまたま運が良いということでしょうか?
今回はBABIPという指標に注目して調べてみました。


運の要素を測るBABIP

「梶原の活躍は運だ」と言われると、梶原ファンの方はムッとしてしまうかもしれません。
ただ、セイバーメトリクスの指標にはBABIPというものがあり、これは運の良し悪しを判別する指標としても用いられています。

BABIPは選手の能力による要素を排して、運の影響を受けやすい要素で計算することで、この数値が高い場合は運が良く、低い場合は運が悪いと考えることができる指標です。

具体的には打撃成績からホームランと三振を排して、インプレーになった打球が安打となった割合を計算しています。

【計算式】
BABIP=(安打−本塁打)÷(打数−本塁打−三数+犠飛)

野球ではプレー中に、当たり損ないが内野安打になったり、逆に捉えた当たりが守備の正面でアウトになったりすることがよくあります。
これらは個々の選手の能力以上に運も絡んでいるため、BABIPで数値化しているということです。


さて説明はこのぐらいにして、では梶原の7月·8月のBABIPはどうだったのか計算してみました。

7月のBABIP: .481
=(26安打-0本塁打)÷(72打数-0本塁打-18三振+0犠飛)
8月のBABIP: .543
=(27安打-2本塁打)÷(61打数-2本塁打-13三振+0犠飛)

7月·8月とも5割近い数値になっています。
つまりインプレーになった打球の2つに1つは安打になっているということです。
ちなみにリーグ平均のBABIPが.285なので、これと比較すれば梶原の7月·8月のBABIPが極めて高いことが伝わると思います。


BABIPが高くなりやすい打者

ここまでの話をまとめると現在の梶原はBABIPがとても高く、好調なのは運が良いからだという結論になります。

ただ、本当に運だけなのでしょうか?

というのも、このBABIPという指標は打者のタイプによって高くなりやすかったり、低くなりやすい指標でもあります。

このBABIPは打球が安打になりやすいかどうかを計算しているので、例えば俊足で内野安打を稼ぎやすい選手や、打球が速く内野の間を抜けやすい選手は高く出やすい傾向があるのです。

そして今年の梶原は、この2つのどちらも満たしています。

梶原の内野安打数は現在9つですが、打数に占める内野安打の割合(内野安打率)はセ・リーグ2位になっています。
①村松 13/259 5.0%
②梶原   9/191 4.7%
③福永 11/248 4.4%
④丸山 10/228 4.4%
つまり内野安打を打てる足があるということです。

更に盗塁数が10個で、これはリーグ3位タイになります。
①近本 17
②吉川 11
③羽月 10
③梶原 10

そして長打と足が必要な三塁打数は2つでリーグ8位タイになっています。
これらの特徴から考えても梶原はインプレーの打球を安打にしやすいことが分かります。

歴代でBABIPが高い選手の代表例だと、イチロー、松井稼頭央、赤星憲広、鳥谷敬、青木宣親、坂本勇人、山田哲人、柳田悠岐などが挙がります。
彼らは梶原が目指すべき目標と言えそうです。

流石にBABIP.500近い今の状態は運の要素も大きいですが、ここから安定して毎年.350前後に留まれるような打者になれれば、打率の方もかなり高い水準をキープできるでしょう。

是非ともそんな打者になって、DeNAで長く不動の1番打者として定着して欲しいですね。








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