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ツールでは心を読むことはできない

silent10話、視聴終えました。
いよいよ次週最終回とのこと。
泣かなかった回はなかったんじゃないかというくらい泣かされっぱなしです。最終回が怖い……。

今回、キーワードなっていたのは「声が聴きたい」という想の辛い気持ちでした。
想は高校生のころの青羽の声を忘れてしまったらしい。
そんなことある!? と思ったのですが、そういえば最近読み進めている燃え殻さんのエッセイにも似たようなことが書いてあったんですよね。

よく、みんなが忘れてしまった時に、人は本当の死を迎える、と言われるけれど、最初に僕たちが忘れてしまう記憶は、声なんじゃないかと思う。

「すべて忘れてしまうから」(燃え殻著/新潮文庫)より

けっこうショックで数分立ち直れなかったんですよ、このフレーズ読んだときに。
いままで一緒に過ごしてきた大切なひとたちのことを忘れることも辛いってよくひとりで泣いたりすることあるんですが、まず「声」を思い出せなくなるのかな、って想像したらすごく悲しくて。
忘れてしまったときに、どんなふうに脳内の音声は再生されるのか。
想はきっと音のない世界で、それを味わっている、と思ったら、涙が止まらない……(また書きながら泣いている)

このことについて書いているときりがないので、ドラマ内でもうひとつ唸ったシーンがありました。

風間くん演じる春尾講師は、手話を教える仕事しています。
その春尾講師曰く、「手話はコミュニケーションの道具であって、人の心の中を読むことはできなかった」(ニュアンス)だと。

それは手話に限ったことではないですよね。
どうして自分は小説を書いたりnoteを書いたりしているのかと言うと、それは考えたり感じたりした自分の内側から溢れ出そうな想いを周りに知ってもらいたいからで。
その手段として私は「言葉」を文字化して使用しています。

想は「言葉」を「手話」で伝えるし、「絵」で伝える人もいる。
マクロス7の熱気バサラだったら「歌」で伝えようとしています。
でもそれはぜんぶツールであるから、受け取り側はツールの奥にある想いを感じ取らなければならない。

自分は、他人に100パーセント伝わることは不可能だけれど、ツールを使って発信した想いが少しでも受け取り側に伝わればいいと思っている。

スピッツが作りだす歌の世界では、受け取り側で歌詞がその人の想いに馴染むというマジックが施されているのです……。

だれひとり、自分と同じ考えの人はいるわけなくて。
ツールを使うことによって「共感」することはできる。

そういうのもあるのか。
とか
そうそう、そんな感じ。
とか。

想の気持ちは全部理解することはできないけれど、脳内ではとても辛いことは感じ取れる。

想いを言葉にして、何かしらのツールを使用して伝える。
私ができるのは、「文字を書く」というツールを使うことだ。
こんなこと想っていた、というのを小説やnoteに残しておきたい。

あぁsilent、辛いですね。
最近、目黒くんが笑うときは声が出ているので、嬉しくなるのですが、悲しそうな顔が胸を締め付けます。

どんな結末になるか分かりませんが、最終回、見守りたいと思います。

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