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『君たちはどういきるか』物語が難解だった方たちへ(ネタバレ有)2/2

『ファンタジーよりSFとして観る』


本作品は、 冒険活劇ファンタジーとなっております。もちろん主人公が訪れる異世界の中ではファンタジーの要素で満ち溢れていますが、物語の全体像をとらえるという意味では、 SF作品(タイムトラベルもの)として観た方がしっくりくるのではないかと考えています。

まず、本作品の異世界では外の世界(現実世界)と扉でつながっておりその扉は無数にあり、さらに様々な時間軸の現実世界と繋がっていることが本編でわかるようになっています。


分かりやすくするために図にまとめてみました。


ここまでの説明で理解していただける方がほとんどだと思いますが、 この物語要素によって主人公及びキーパーソンたちがその異世界で別時代から来たとされる人物と出会うことで理解出来うる情報が整理されます。

これに関しても情報をまとめてみました。それぞれの主要人物目線からまとめた情報です。

■眞人
・大叔父:自分の先祖にあたる人物この異世界を誰か(血縁者)に継がせようとしている
・ヒミ :ナツコを「妹」と呼ぶ人物(母?)
・キリコ:若き日の女中

■ヒミ
・大叔父:自分の先祖にあたる人物この異世界を誰か(血縁者)に継がせようとしている
・ナツコ:大人になった自分の妹。子供を身ごもっており、精神的に病んでいる状態
・眞人 :同年代の少年、自分と同じく母を幼いころになくしている。母(自分の妹)を探しにこの異世界にやってきた。

■ナツコ
・ヒミ :幼少期の姉
・キリコ:若き日の女中

それぞれの人物が異世界で出会う別時代の人との関わりから、物語の終盤に向けてどのような感情を抱いていくのか、それを想像すればするほど、作品の深みが出てくる構造となっています。

特にヒミの立場になったときのことを考えると少女一人が受け止めきれるものなのかと疑問を持ってしまうほどの現実(未来)を突き付けられます。

しかし最終的に眞人の為に異世界を潔くはなれることを決意するのです。自分が現実世界に戻らなければ眞人は生まれません。そのタイムパラドックスもやはりSF的っぽい構造となっています。

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