漫画家によるワンピース考察三本立て

漫画家によるワンピース考察を三本立てでお送りいたします。



①「ルフィの夢の果て」

結論:ルフィの夢の果ては、
「俺がこの海のルールを全部決める」だと思います。

海賊王は「王」、王といえば国のルールを決める人です。
だからこそ「『海賊王』になったらできるかも」なんです。

ルフィにとって海賊王とは、海で一番自由な奴です。
一番自由な奴とは、ルールを決められる存在です。

ワンピースの世界には、明確な法律がないと思いませんか?

「裁判所(エニエスロビー)があるじゃないか」と思うかもしれませんが
あそこは特に法律やルールを基準に裁いているわけではありません。
司法のすべては世界政府の匙加減でコントロールされています。

フランキーの過去編でトムさんが裁判にかけられた時も、
法律に則って裁かれたわけではありません。
トムさん自身が
「罪を被せてきたのも世界政府 裁くのも世界政府」と言っていますが
それがワンピースの世界観を表していると思います。

あの世界、同じ人殺しでも
海賊は裁かれますが天竜人は裁かれませんよね。

ワンピースの世界は法律基準ではなく
世界政府基準で善悪が決められます。
王家七武海はそれを象徴する制度です。

いわば世界政府が法でありルール。

だからこそ、この「夢の果て」が成立すれば
ワンピースの世界にいる様々な種族や立場の人が
同じ土俵で善悪を区別されるようになり
救われるようになるのです。

「ルフィが法律云々とか気にするかなあ…」

その通りです。
ルフィは世界に一律のルールがない事を気にしたり
法律作ったほうがいいよね、なんて事を考えたりしません。

ルフィは、ガキ大将になりたいだけなんです。

公園で子供同士で遊んでいる時に
「次はこういうルールでやろうぜ!」と
決める人いますよね。
ルフィは大きな海のそれになりたいだけ。

自分が最も「楽しい!」と思えるルールを
好き勝手に決めたいだけなのです。

だから、きっとルフィがルールを作るなら
「美味しい肉は俺のもとにもってこい」とか
「祝いの時は必ず宴せよ」とか
「仲間は大切にしろ」とか
そういう感じのものから始まり、
他者の自由を奪わない程度の決め事を作るんじゃないかな

それが結果的にあらゆる存在へ基本的人権を与えることになり
世界を救う事になるじゃないかと思います

ルフィは自分がトップに立つと
「俺がリーダーなんだから俺の言う事を聞け!」
というタイプです。

ウォーターセブン編でウソップと喧嘩したときも
「これはおれが決めた事だ!! 今更お前が何言ったって意見は変えねェ!!」と言ったり

ジンベエに「お前の船長は もうおれだぞ!」と言ったり

その前例を考えても、
この「夢の果て」はしっくりくると思います。

要するに、ワンピースは
ルフィが地球という船の船長になる物語なのです。



②「ワンピースの正体」

結論:聖書だと思います。

正確には、ポーネグリフのように
黄金の石に刻まれた聖書の原本です。

かつて存在した、太陽の神ニカを崇拝する宗教の
教典的なイメージです。

ロジャーがラフテルで見つけたのは
石に刻まれた聖書の律法部分の原本で、
当時ジョイ・ボーイ(ニカ)が決めた
滅茶苦茶なルールを見て
笑ったのではないでしょうか。

それこそ
「美味しい肉は俺のもとにもってこい」とか
「祝いの時は必ず宴せよ」とか。

聖書には神の律法が記されています。
つまり、それが世界のルールブックとなるのです。
結果的にルフィ(ニカ)はこの聖書を通して
自分ルールを世界に浸透させるのではないでしょうか。
(=①ルフィの「夢の果て」達成)

現実世界でも、聖書は世界一売れている書物です。
そして、世界人口の過半数以上が何かしらの教徒です。

聖書は世界中の人々の考え方や言動をコントロールできる
影響力の高さから、"大秘宝"に相応しいと思います。

それこそ、多くの人が「神」と認める存在がいればですが…

ですので、ロジャーの言っていた「俺達には早すぎた」というのは
肝心な神(=ニカ)が当時存在していないから
本来聖書が持つポテンシャルを発揮できないという事だと思います。

ワンピースの世界に足らないピース(欠片)=ルール(法)
ルール(法)を決めるとピース(平和)が訪れる
法の下、どんな人でも平等になり人権を得る
それが人繋ぎの大秘法なんじゃないかと思います

世界一教徒の多いキリスト教のキリストなんかは
一度死んで復活してから救世主(メシア)となりました。
カイドウ戦で死んでからニカとして目覚めたルフィと被りますよね。

要するに、最終的には上記の流れを汲んで
ルフィはあの世界において救世主になるのだと思います。

そしてキリスト教ならぬニカ教が世界のスタンダードになり
ルフィの考えた「俺ルール」聖書が
世界の法律代わりになるのではないでしょうか。

補足として、なぜ黄金の石に刻まれている前提なのかというと、
現状"ひとつなぎの大秘宝"は「莫大な宝」と表現されているので
物としてもしっかり価値を持つものである可能性が高いからです。

空島編で最後、麦わらの一味は黄金を奪って逃げようとしました。
しかもルフィ発案で。
黄金で出来ている物は価値のあるお宝、という認識は既に作中で
表現されています。

当時は「黄金を奪う? ルフィらしくないなあ」と思ったのですが、
"ひとつなぎの大秘宝"の正体がこの考察通りなら、
その為の描写だったのではないかと納得がいきます。


③「ルフィを真の神にする存在」

結論:ビビです。

最終的にルフィがキリストのように神になる…
とはいえ、今現在はルフィが「神」そのものなわけではありません。

ヒトヒトの実モデル大仏を食べたセンゴクが本物の仏じゃないように
ルフィはニカの能力を使えるだけでまだ本物の「神」ではありません。

ではそのルフィをなぜビビが本物の「神」にできるのか

物語全体の黒幕候補としてイム様という存在がいますよね。
イム様は、「イ+ム」で「仏」だと思います。

では、それに対抗して「申(モンキー)」であるルフィが
「神」になるにはどうすべきか

「ネ」が足りませんね。
「ネ」があれば「ネ+申」で「神」です。

「ネ」が増えたら足ります。

「ネ」増える足り…

ネフェルタリ。

ネフェルタリ・ビビがルフィを神にします。ドン!


すいませんネタっぽくなってしまいました

具体的にどう「神」にするのかはわかりませんが
①の"夢の果て"が合っている場合

絶対ルフィは変なルールとか
破綻したルールとかいっぱい作ると思うので
国の王女であるビビがルール作りを
手伝ってくれたりするんじゃないすかね(適当)

結局、最後までルフィには仲間が必要だったという
良い着地はしそうかなと思っています。


終わりに

ここまで読んでくださってありがとうございました。
すごい今更なんですが
私はワンピースを隅々まで読んでいるわけではなく
記憶力も超絶悪いため
破綻している部分が多々あるかもしれません
間違った認識の部分も多いかもしれません
その場合ほんますいません

ただ発想としては、
尾田先生は元々ワンピースを
5年くらいで完結させるつもりだったと聞き、
じゃあ今広がってる複雑な世界観とか設定とかは
「夢の果て」とか「ワンピース」には
あんまり関わらないだろうな…と思って

ルフィがガキっぽく
「この海の王はおれだ!おれがルールを全部決める!」
的な感じで語っているところを想像したら
この考察に落ち着きました。

おしまい








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