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考えの幅を広げるクリティカルシンキング

何かを成し遂げるためには自分の考えを信じて、決めたことを最後までやり切る執念が必要になります。一方で行動はするものの、行き当たりばったりで言っていることが二転三転したり、特定の人に贔屓するような態度だと、他人を巻き込んで改革を実行することは難しくなります。

考える幅を広げるためには、別の視点があるのではないか、保守的に見るとどうなるのか、相手の視点から見るとどうなるのか、と考えることで他者の視点を持つことができます。

もっと具体的に、革新派の考えと保守派の考えの両者からの視点を持つことを考えてみます。例えば、解雇規制をなくすという革新派の考えに対して、メリット、その反論、反論の反論を考えることで両者の考えを想像することができます。逆に、解雇規制を維持すべきという意見に対して、反論、その反論まで考えることでさらに考えの幅が広がります。

解雇規制撤廃、その反論、その反論の反論をやってみると、
a. 解雇規制撤廃派
 解雇規制によって、組織で機能していないシニア層が止まることになり若手の採用、若手の昇給ができない。活躍できない人材は欧米のように解雇することで雇用の流動化を促進すべき

aの反対意見
 日本はこれまで同じ会社で部署を移動しながら働くメンバーシップ型の雇用、終身型の雇用を守ってきたことで、安心して働ける、そういう会社なら安心して就職できる、そのために頑張って勉強して大学に入るという真面目な層を支えてきた。このイメージを崩すと勤勉な層を失うことになり、元には戻せない

aの反対意見の反対意見
 メンバーシップ型の雇用によって、肩書きで仕事をする人が増えて、若手が萎縮して意見を言えないような組織を作ってしまっている。ジョブ型、プロジェクト型の雇用と仕事にシフトしてメリハリのある働きかたをしていないから日本は改革に弱い、変化に弱い組織が多い国になってしまった。マイナンバーやキャッシュレスが浸透しないのも変化に弱い中年層、高齢者が多いからだ。いまだに学歴社会が変わらないのも解雇規制があるためだ。

というふうに、反対意見、反対意見の反対意見と書いていくうちに問題の構造が見えてきて、自分ならこの意見を支持するという柱が、思い込みではなく、複数の視点の中から選ぶ形で見えてきます。間違っていたら訂正するという柔軟性も身につきます。

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