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『ペンションメッツァ』観ました

先日、小川糸さんの『ライオンのおやつ』を読みました。
中盤から涙が止まらず、ティッシュの消費がすごかったです。泣きすぎて全身がぐったり疲れました。翌日の昼まで目が開けにくいほど目を腫らしてしまいました。
どっぷりと世界に浸かってしまったので、まるで一回人生を終えたような錯覚をしてしまいました。

作品は良かったのですが体にはちょっとしんどかったので、もう少し気楽になれるものを求めていたところ、『ペンションメッツァ』を見つけました。

草むらから役所広司👀 | ペンションメッツァ | Netflix Japan (youtube.com)

学生時代は毎週山に行っていました。マイナスイオンだかわかりませんが、空気が違うので何をするのでもなく行っていました。
その空気感が伝わってきて本当に見ているだけで気持ちがいい作品です。

※ネタバレないです。それどころか、内容については書いていません。観たよ、ってだけです。


最近、小林聡美さんの作品が好きです。
以前は『かもめ食堂』とかちょっと物足りない作品という印象だったんです。恋愛ものとか感動系とかってわかりやすいですよね。でも、そうじゃない物語って、昔はちょっとわからなかったんです。
今もわかっているのかと言われればどうかわからないですけど、心地いいなと感じます。
実際大人になっても大恋愛とか報道されるような事件に巻き込まれたりってないじゃないですか。だけど、市井の人でも出会いがあって、考えたり、結論が出なくてもなんとなく生活していますよね。
そんな市井の人でありながら、私には到達できるわけではないような雰囲気をもつのが小林聡美さんが演じるキャラクターです。

小林聡美さんの作品をたくさん観たわけではないのですが『ペンションメッツァ』『かもめ食堂』『パンとスープとネコ日和』とかを観ると一人で生きる強さを感じています。それぞれ違う役なのでもちろん同じではないのですが、どんな人でも両手を広げて受け入れるような肝っ玉母ちゃんタイプではないけれど、野良猫が入れるようにそっとドアを開けて「困ってるならどうぞ」という感じがなんか好きです。

悩むときも、静かに悩む。でも自分が違うと思うことは違うのよ、という意思もしっかり感じて。私が思う“大人の女性”がそこにいるのです。
親戚にいてほしい。小林聡美さんが演じるとどこか達観した人に見えるんですよね。

私はわたわた悩んで、ぐちゃぐちゃしてしまう。だけどそんなことをしたって意味がないとはわかっている。情けないな~私は。なんて思いながら、かっこいいぜ!と憧れています。

そして、たぶん憧れる一番の理由は描かれる生活だと思います。
整えられたおうちやお店、料理が素晴らしい。いつも「この量を一人で??」と思うのですが、きちんと生活を回すことができて自分の意思決定ができる人がかっこいいと思うんですよね。

自分の生活と比べて活かしていければいいのですが、なんてぐうたら!!
全部を整えることを考えると部屋が小さくなってほしい!と子供のような考えをしています。
子供は昨日、夫に不要なものを捨てるように言われたら「部屋を広くして」と言っていました。
とんでもない親子です…

結果として『ペンションメッツァ』最高でした。
押しつけがましくもなく、心をグラグラ揺さぶられることもなく、本当に心地よく観れる作品でした。んーーー。好きだなぁ。


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