ストリップ観劇日記

 

観てきました。
『女の子のための~』炎上事件からこっち、ストリップを考える、だけでなく観ることも多い。見ると、見たい踊り子さんが増える。また見る。また増える。

そんなわけで、メモ。
(デビュー年などのデータはストリップナビゲーターを参照しています。一応18禁サイト?ご注意)


日取り:2020年8月17日(月)

場所 :渋谷道頓堀劇場

時間 :1回目1番から、2回目4番まで。


香盤 (ふりがな、所属、デビュー)

1:ささきさち (ささき さち、道頓堀劇場、2019年12月21日デビュー)

2:柳るい (やなぎ るい、道頓堀劇場、2020年5月11日デビュー)

3:星乃結子 (ほしの ゆいこ、道頓堀劇場、2018年1月11日デビュー)

4:桃歌 (ももか、道頓堀劇場、2018年4月11日デビュー)

5:目黒あいら (めぐろ あいら、晃生ショー、2008年4月21日デビュー)

6:中条彩乃 (なかじょう あやの、ロック座、2017年10月21日デビュー)


というわけで、目黒あいらさん以外はデビュー3年以内で占められた香盤。だけど全員実力派ぞろいで大満足。道頓堀劇場チームの若手、すごいメンツが育ってるなあ。4人も?


一回目の公演

1:ささきさち

1回目、おそらくデビュー作の、王道J-POP演目。

……この人を初めて見たのは石原さゆみさんの出演している週で、その時に「跡取りか!?」とびっっくりした。
さゆみさんというのは同じ道頓堀劇場所属の、2014年デビューの方。2017年に一度引退したものの、人気は根強くお正月やGW、お盆といったハレの期間には復帰してるここ2年。見た目が「幼馴染」、みたいな柔らかくて親しみやすく、あどけない可愛さで、しかもそれをフルに活かした演目をものにして――つまり客観視できてるわけで、あどけなくも何ともないのだが――めっちゃアイドル。おじさんは軒並みノックアウトされていた。俺もおじさん。

で、ささきさんだけれど。

もう何か、9歳のまま成人になった、みたいな・・・そう書くと背徳感しかないが、本当に奇跡みたいなルックスで。
しかもステージングの表情もうまい。
そこはしっかり、いたいけな感じは、ない。全然。うまい。

(ちなみにこの週の前半11~15日は4番:石原さゆみさんだった。また同じ香盤だったわけだけど、あの並びは心臓に悪い・・・)

1曲目、POPで元気な曲。スカート衣装で元気に踊り、曲終わり暗転。2曲目はベッド着になって登場、ゆっくりと踊り、盆で終わり。3曲目、しっとりとベッド着を脱ぎ、花道に置いて盆座り回し。4曲目でポーズを切って、本舞台戻っておしまい。

なんでこんなにステージの流れを書いたかというと、それは二番さんのところで。


選曲がささきさんの年齢(憶測)からすると若干古め? に思えた・・・2003年あたり・・・ビミョ~にリアルタイムじゃなさそうな・・・わからんけど・・・
ふしぎ。

なんにせよ逸材。いやあすごかった。


2:柳るい

デビューから3か月。といって、うまかった。表情も動きもやわらかのびやかで・・・また手足が長くて、同じ踊り子さんで例えるのはあれだけど、矢沢ようこさんを思い出すスタイル。また逸材だなあ。すごいな道頓堀劇場。見つけるなあ。

で、さっき何でささきさんの演目の流れを書いたかというと、こちら柳さんも多分デビュー作をやっていて、構成が思いっきり同じになっていて、面白かったのだ。

1曲目、POPで元気な曲。スカート衣装で元気に踊り、曲終わり暗転。2曲目はベッド着になって登場、ゆっくりと踊り、盆で終わり。3曲目、しっとりとベッド着を脱ぎ、花道に置いて盆座り回し。4曲目でポーズを切って、本舞台戻っておしまい。

デビュー作とは、というかストリップ演目の構成の基本中の基本とは、こういうことだ。
そしてこのテーマは、6番さんの時にまた登場するでしょう。


3:星乃結子

デビュー作を2作観たあとに登場したこちらで、ちょっと吹っ飛んだ。
派手な衣装、高い音圧でバリバリ踊る。芸歴が一気に跳ね上がった! 照明もパステル調から原色に変化、フロントの地明かりも暗くしちゃったりして、そう、芸歴を積んだ頑丈な肉体なら激しい照明にもかき消されることはないから。
1・2番でも充分に満足していたのだけど、そことは違う「ステージ!ダンス!バリバリバリ!」という面が立ち上ってきて、うーん芸歴っていいもんだなあ。

と思ったけどデビューから2年半の方だった。

いやぁ~、うまいし、これ言うと悪口に聞こえるけど、衣装や楽曲のセンスが絶妙に俗で派手で、昭和に足を突っ込むので、芸歴がもっと上に見えたのかもしれない。

それは堂に入っているということよ。

「めっちゃカッコよかったです~」と言ってポラを撮らせてもらった。


4:桃歌

こちらも1番さんを初めて見た週に乗られていて、初めて見た。ストナビを見ると18年4月デビュー、19年1月にラストステージ、20年6月に友情出演(ここだ)。そして現在は復帰したという。
復帰してくれて無茶苦茶うれしい。

とんでもない人ですよ、これは。


1回目の演目は、昭和初期の流行歌をちりばめたもの。特に2曲目、赤いスパンコールビキニの昭和の踊り子ルックで踊るのが圧巻。あの時間をどうして、持たせられるんだ。
表情が細かい人で、常に「何か」を表現している。
ダンスでの「表情」って大概そんなに細かいことは必要とされてなくて、一曲丸ごと「笑顔」とか「さみしげ」とかでも全然やっていけるのだけど、どうも振り付けと歌と同時に、非常~に細かく表情が動いている。歌の感情とともに、舞台上のその肉体の感情が変化している。

身体の強さを見せつけてくる演目だった。笑っちゃった。圧倒的で。

あと、人間って必ず顔立ちが似てるマンガ家さん(の画風)があると思うんだけど、桃歌さんは、さくらももこ作品に出てきそうなお顔だと思った。おもしろくてかわいい。なんだこの感想。


5:目黒あいら

この香盤唯一のベテラン。言わずもがなのハイクオリティ。

選曲がすごかった。

これは邪推の域だけど、あいらさんくらいになると、なんだって演目になっちゃうんだぜと言わんばかりのソングス。ここ二年で、テレビを点けてれば絶対聞いてる曲だらけ。あまりにも大ヒットソングだらけ。笑ったなあ。

それを並べて、演目になる。しちゃう強さ。

また楽しそうに踊るんだよなあ。


6:中条彩乃

2年前くらいからロック座と道頓堀劇場のコース交流が再開(?)して、お互いの劇場に出演するようになってきた。ものすごくいいことですね。

さて中条さんはデビュー週を見ているので、なんか勝手に記憶をそこで止めてしまっていて、しかも今回の力作香盤のトリ、若干心配しながら・・・

観たら、なんと逆ストリップ!

と言うんだっけ? ハナっからベット着で盆が回ってスタート。そして1曲目からポーズを切る切る。2曲目で本舞台に戻り、少し着たりして、3曲目でも少し着たりして、4曲目、またベッド入りしてポーズ、そしてフィニッシュ。逆というかサンドイッチか?

1・2番さんのデビュー作で見た「ストリップの構成の基本」が、ここで覆される快感。

そして無駄のない肉体、切れのある動き、見事でしたねえ。


ただ同時に、ロック座ってこういう美意識なんだよなあ、という寂しさも感じる。

それは4番:桃歌さんのあの微細な表情を経たせいでもあるのだけど、まあ少なくともこの演目では、表情は、ややマブタを落とした流し目的なシリアス、二枚目カッコよさ、もしくは切なさ、寂しさ、ばかりで・・・人間の多面を切り捨てて、カッコよさ美しさを狭い場所に入れてく感じがする・・・。

いや!

この感想は、おととい見た全然別の舞台のせいだ!


トリ用の、かっこいい演目だからねえ。これでいいのだ。

別の舞台のことは、別にまた、そのうち書くかも。

そんなこんなで二回目の公演へ。


二回目の公演

1:ささきさち

水兵さんの格好で始まる、楽しい演目。オナベ。オナベって、「お鍋」のイントネーションなのかしら? それとも「浜辺」?

2:柳るい

同じ。

とはいえ、同じ演目の中に微細な違い、「生」を感じ取るのが醍醐味でもある。

3:星乃結子

やっぱりパワフル。ツイッターによると「あきなちゃん」という演目。なるほど!

4:桃歌

登場から、表情、動きで、「何か」の質量がでかい。肉体の強さよ。
この人の踊りを観ると、流れている歌が、よりよくわかる。歌が、頭に入ってくる。この人が、歌になってるような気がする。

引退した道頓堀劇場のスター:匠悠那さんのダンスは、あまりに曲をのりこなしていて、曲の解像度が上がって聞こえたのだけど、その流れでいうと、桃歌さんのステージは・・・

なんだろう?



時間が来たのでここで退場。

いいストリップでした~


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