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太刀川カニオさんのMig-3パイロット

こんにちは「はるばる」です。
今回はフィギュアのお話です。

はるばるオンラインショップでお取扱いしています『ソビエト空軍 ミグ3搭乗の女性パイロット』。

今回はこちらを制作しました原型師「太刀川カニオさんに」、自身のフィギュア製作について解説していただきました。

太刀川カニオ:原型師・模型ライター
@Tachikawa_canio
本業の傍ら、商業原型師としてマックスファクトリー、モデ ルカステンなどのフィギュア原型を担当。
またスケールアヴィエーション誌などで模型ライターとしても活躍。


-制作のきっかけについて

ソ連機は最近興味を持って1/32のキットを色々買っているんですが、Mig-3はツイッターでたままた復元機の写真を見て惚れ込みまして、その雰囲気を作ってみたくて製作に掛かりました。


そもそも飛行機模型に女性パイロットを乗せるのが好きなのですがw、ソ連空軍にはWW2時にすでにリディア・リトヴァク中尉を始めとする女性戦闘機パイロットが活躍してました。
ロマン・ユゴー先生のバンドデシネ『ル・グラン・デューク』でもその活躍が描かれてますよね。なのでソ連機を作るなら是非にと前から思ってました。

-スケッチ、資料集めなどの製作前準備について

今回は描きませんでしたが、前準備としてイメージスケッチを描くときもあります。実際に造型するときの見本にするというよりは、自分の頭の中で3次元形状を整理するときや、服装などのコーディネートを考えるときにビジュアルにしてみるという目的ですね。

資料に関しては私はもう小学生くらいからミリタリーフィギュアを造っていますので、その頃から買い集めた軍装の資料本が結構あります。ただソ連空軍に関してはあまり資料がなかったので前述の『ル・グラン・デューク』をベースに『世界の傑作機』などの戦場写真でディテールを確認していきました。


今はネット検索もかなり有効ですね。よい時代になりました。

-今回の制作イメージについて

そもそも戦場写真の一コマを再現したというよりも、ある程度イラスト的にシンプルなディテールでまとめています。スケールフィギュアだと服とかシワシワにしがちなのですが、シワ付けときゃ良いってもんでもないんですよねw 


ミニチュアでは全てをスケール通りに縮小するより、「モコモコな防寒ジャケットにデカい皮手袋…」といったようなイメージを優先して多少ディフォルメを入れた方が見栄えが良くなると思ってます。それこそバンド・デシネの一コマになるような絵が見えてくれると嬉しいですね。

-原型のこだわりポイント

こだわりはやっぱり口元ですね。目は塗装でなんとでもなりますが、口元はごまかしが効かないので気を使います。女性らしさを表現できるポイントでもありますしね。

-製品版について

今回は原型の1/32スケールだけでなく3Dスキャンで縮小した1/48スケール版も同梱ですが、1/48で同じように造れるかと言えば、なかなか難しいと思うのでこういったアレンジの際に3Dスキャンは有効な方法ですね。

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私はミニチュアはそれぞれのスケールに合わせたディフォルメが大事だと思っているのですが、今回は前述のようなコンセプトで造りましたので1/48でもそれほど違和感なくその辺りが活かせているなと思いました。

-制作ツールについて

原型はエポキシパテで大まかに造って細部はラッカーパテで仕上げるんですが、エポパテはタミヤの高密度と速乾を自分の使いやすい硬さ、密度になるように混ぜ合わせて使っています。スペシャルブレンドですね(笑)

塗装には、最近のお気に入りはシタデルで下塗り>ファレホで仕上げですね。シタデルはシステムを無視した自己流の使い方ですが性能が気に入っているので。
あと、このところフィギュア作例で使っているアクリジョンですが、どんどん使い勝手が良くなっていて楽しみです。
筆はW&Nの他、Da Vinciのセイブルを使ってます。細部はカステン・アイフィニッシャーです。

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-今後の展開について

現状では戦闘機キットに搭乗できる1/32の女性パイロットフィギュアは少ないので各国の1/32女性パイロットを造りたいですね。
1/48では更に少ないと思いますので、始めからスケールダウンを意識した造型にも取り組んでみたいと思っています。


以上、太刀川カニオさんによるフィギュア製作解説でした。

カニオさん原型のアイテムは上記の「Mig-3女性パイロット」の他に、イラストレーターである山下しゅんやさんデザインのオリジナルキャラクター『1/20ビキニアーマー よし子』も絶賛発売中です。

こちらの製作ガイドがカニオさんのブログに掲載されておりますのでこちらも併せてご覧ください。

今回は太刀川カニオさんのフィギュア製作についてお届けしました。
次回もまたよろしくお願いします。

©️Shunya Yamashita

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