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【極薦】ホテルローヤルで求める非日常

こんにちは、はるきです。リップクリームを塗る前にハンドクリームを手に塗ってしまったので、そのままツルツルして開かなくなるリップの蓋と戦いました。


北海道といえば釧路。釧路といえば桜木紫乃。桜木紫乃といえば北海道。

ということで北海道を中心とした作品を書かれる作家桜木紫乃さんの話です。好きです、とても。

数ある作品の中のひとつ『ホテルローヤル』を読み終えて・・・
「北の大地で凍てついた肌を紫乃ホールドが優しく包み込んでくれる。」
プレー後の感想はそのような印象を受けました。

らすじをGoogleブックスの引用で楽をさせていただくと…
「北国の湿原を背にするラブホテル。生活に諦念や倦怠を感じる男と女は“非日常”を求めてその扉を開く―。恋人から投稿ヌード写真の撮影に誘われた女性事務員。貧乏寺の維持のために檀家たちと肌を重ねる住職の妻。アダルト玩具会社の社員とホテル経営者の娘。ささやかな昴揚の後、彼らは安らぎと寂しさを手に、部屋を出て行く。人生の一瞬の煌めきを鮮やかに描く全7編。第149回直木賞受賞作。」

【おもしろかったところ】
7つの話で構成されているのだが、主人公が毎回違う人物。さっきの章では脇役だった人が次の章で主役になり、その主役は次の章でまた脇役になり…というように同じ町を舞台に主役が連鎖する。それは全員が脇役であり主役でもあるということ。作中では何層にもわたって人の歴史が積み重なっていくので、同じ場面の話でも映る景色がすべて違った様に見えてくる。なので話をどこで切り取ってもそこからやり切れない温もりが滲み出てくる。その哀愁をすべて拾い集めて愛しさに変える、という意味での「紫乃ホールド」といえる。

画化されてるようです、ホテルローヤル女優の波留さんが気になる…。
紫乃さんの本は他にもたくさん出版されていますので文庫でゆっくり味わうのもいいでしょうし、映画館で観るのもいいですね。

あなたのように多くの経験をして生きてこられた「おとな」だからこそ楽しめる世界がそこにはある。かもしれない。

では、また!

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