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2.コンピュータと高校進学

 コンピュータというものに触れて、キーボードをブラインドタッチしている人がやけに格好よく見えるようになった。テレビでも時々コンピュータ(今から思えばあれは端末操作だったんだろうな)を操作しているOLやエンジニアを見ることが増えた。
  なんかカッコイイ。。。
もうそれしかない。ミーハーと言われればそれまでた。
でも、カッコイイのだから仕方がない。自分もそんなふうになりたい。そんな気持ちがどんどん大きくなっていった。
もっとも自宅にコンピュータなんてものはなく、ワープロだってなかったし、家にある『コンピュータ』といえるものは、相変わらず「電卓」だけだった。
 ※オットはこの頃からコンピュータを触っていたようで、PC98なんかを既に操作していたらしい。羨ましい限りである。

 中3になり、いよいよ高校進学という段になったとき、地元の商業高校に「情報処理コース」という課程があることを知った。学科紹介のパンフレットをみると、コンピュータ(当時は汎用機の画面だったか・・・真っ黒い画面に緑色の文字だった。)に向かっている先輩たちの写真が載っている。学科内容としても、コンピュータを学べるらしい。
 何の迷いも無くこのまま普通科の高校に進むもんだといた自分にとって、「コンピュータ」に触れられるというだけで、もうやりたくてやりたくて仕方ない。そこへ行きたくて仕方なくなった。

 記憶というのは曖昧で、覚えているのは父親が顔を真っ赤にして、
 「ダメだ!ダメだ!商業高校じゃなくて、普通科へ行け!」
と怒鳴っていたことと、母親が
 「パソコンをやりたいなら、大学行ってからでもできるでしょ?だから、今は普通科行きなさい。」
と懇々と私に言っていたことくらい。

 そんなやりとりを数ヶ月続けていたと記憶している。

 結論から言えば、第一次コンピュータ・マイブームとなった商業高校への進学は諦め、地元の普通科に進学することになった。今から思えば我ながらずいぶん大人しい子供だったと思う。ブームが去ればケロっとしたもので、そんなこともあったかな?くらいの様子だったらしい。

 そのため、コンピュータに触れられるのはここから更に当分先のことになる。でも、このときの経験が、自分の職業選択に大きく関わってくるきっかけになったのではないかと今更ながらに思うのである。

 できないからこそ、それをやりたい

と思う気持ちが強く自分の中に残ったのは事実である。
どうしても、どんな形でもよいので「コンピュータ」という機械に触れたかったんだと思う。

 今こうやって、ブライドタッチでキーボードを叩きながら文章を書いている自分は、カッコイイ・・・に違いない。


 

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