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子どもに勉強させたい保護者

ここ半年くらい、自分の中から文章が出てこないというイップスみたいなものになってしまって、なかなか文章を書けずにいましたが、大学も始まって課題に追われているうちにようやく文章を書けるようになりました。お久しぶりです。
今日は題にあるように「子どもに勉強させたい保護者」という内容を書きたいと思います。

前のノートにも書いたことがありますが、私は塾でアルバイトをしています。特殊な塾で、部屋がなく、すべての会話が筒抜けになってしまうような塾なので、保護者と塾長の面談もすべて私たち従業員にも聞こえてしまいます。受講生が増えてきたので、毎週のように誰かの保護者が塾長に相談に来ます。
授業で問題を解かせているときなどにふと耳を傾けると、「定期テストが心配で…」「家で全く勉強してくれなくて…」「うちの子はどうなっちゃうんでしょうか…」などといった保護者の不安ばかりが聞こえてきます。生徒を交えた三者面談でも、話しているのは保護者ばかり。子どもがどう思っているかなんてほとんど無視されています。

まず大前提として、勉強は学校と家でするものです。しかし、偏差値の高い大学や高校に行くためにはそれらだけでは足りないという意識があり、学習塾に通うことになります。うちの塾に来るお子さんは自分の意志で来ている子どもは一人もおらず、保護者の不安を少しでも解消するために通わされているというのが現状です。

とにかく保護者の方々が熱心に子どもの不安を解消してもらうために塾に来る、定期テストの対策を重点的にお願いするようなことをして、たいていの人は帰っていきます。そこまで熱心に子どもの教育について考えているなら、自分で教えて差し上げてはいかかでしょうかとも思ったこともあります。
しかし、彼らは中高の勉強などはとっくに忘れており、自分で教えることができないので学習塾に通わせているのです。

このようなことは塾に関わったことのない人でも想像できそうなことではあります。
面談で保護者の方が自分の子どものことをほめているところを聞いたことはありません。塾長との面談でこのありさまですから、家では子どもをほめるということをあまり、いえ全く行っていないのではないかと考えます。そして「勉強しろ」「いつまでゲーム(テレビ、ケータイ)やっているんだ」などと、子どもに言っているのでしょう。そして案の定テストの点数が良くないので「塾に入れる」「勉強しろ」となり、子どもたちのやる気はどんどんなくなっていきます。

「勉強しろ」と言われると勉強したくなくなる子どもの気持ちが痛いほどよくわかります。親の期待に応えたいが、勉強だけは頑張っても結果に結びつかないことも多いし、そもそも勉強という行為自体が好きではないので反抗して勉強をしなくなるのです。

保護者が「勉強しろ」と子どもに言うことは、子どもに勉強させたいのであれば逆効果です。
保護者だって言いたくて言っているわけではありません。心を鬼にして、子どものためを思っていってあげているのだと思います。しかしその「子どものためを思って」というのが子どもにとってはプレッシャーですし、何よりそう思うこと自体が「子どものため」にはなっていません。

「子どものため」を思って言っていることが実は「保護者自身のため」だからです。子どもの将来の不安を考えて、良い学校に行って、良い企業に就職できればお金の面でも安定し、自分の老後の心配をしなくて済むからでしょう。子どもたちは保護者の描いたレールに乗せられています。本当にかわいそうです。

ある見方をすれば、面談で不安を述べている保護者は子どものことを信頼できていないのだと思います。信頼できていれば、家で勉強していなくても、塾や学校で勉強しているのだと捉えることができます。子どもに対する不信感は子ども自身も感じ取ります。そのようにしてだんだんと勉強をしなくなる悪循環に陥ることになるのです。
本気で子どもに勉強をして良い学校に行くことでよい人生を送ってほしいと考えるのであれば、余計な干渉はせず、温かく見守ってあげるということが大切だと思います。特に中学生は大人になるための準備期間です。子どもたちも自分で考えることができるようになってきましたし、勉強しなければどうなるかは子どもたち自身が一番よくわかっていることだと思います。

「勉強しろ」と言って塾に通わせることは保護者にとっては楽な道です。自分では見ることのできない勉強を他人に見てもらい、成績が下がれば塾のせいにできるからです。人のせいにすることは簡単です。最近だと塾はどこにでもあるので、気に入らなかったり、成績が伸び悩めばやめさせてほかの塾に通わせればよいだけの話です。

私が書いたことは子どもたちなりも薄々気付いていることでしょう。だからあまりしつこく言ったりしなくても、スイッチが入れば勉強するようになります。いやいややらされるよりも、自分でやるぞと決めてやった方が身につくスピードも速くなります。

まとめ


私が言いたかったのは、「子どもはわかっている。保護者は子どもを信頼して見守ろう」ということです。ただ、それだけです。



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