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仕様を理解してからが本当の始まり (12/07)

・家でくすぶっていても無為に一日を過ごしそうなので近所のショッピングモールまで自転車を走らせる。天気予報によると夜から雨が降るらしいが、日が暮れる前に帰ればセーフ、ということで出発した。そこまで近いわけではないので電車で移動する手もあるのだが、単なる暇つぶしのために約300円も消費するのはあほらしい気がしてやめた。それに使うくらいなら音ゲーが3クレできる。

・今日はいつもより信号に引っかかる気がするなあ、とか思いながら幹線道路を進んでいく。途中に歩道の舗装がぼこぼこでアパラチア山脈みたいになっている箇所があるのだが、サスペンションを信じて爆走する。

アパラチア山脈(Google Maps)

・この道を知っている人は共感してくれるだろうが、冗談抜きで(ロッキー山脈でもアルプス山脈でもなく)アパラチア山脈なのだ。マウンテンバイクに乗っている自分だから平気なだけで、タイヤの細いママチャリやロードバイクだとかなりしんどいはずである。一刻も早く修復されることを願うばかりだ。

マックのポテトの容器ってどうして口の向きが自分に対して逆に置かれるんだろうね

・遅めのお昼。この時間のいいところは、空いているので4人用のソファ席を占領できることだ。これ幸いとポテトをつまむ。揚げ立てだったので当たりだ。

・ビッグマックの話をする人の9割が書きそうなことを書くが、ビッグマックの箱にぽろぽろこぼれ落ちた細切りレタスの処遇に困りがち。流石にひとつずつ摘んで食べるのはお行儀が悪いので見なかったことにする。こういう百万回言い尽くされてきたあるあるで文字数を稼ぐの、せこい〜〜〜

・ちらっと書店に寄って、ぶらぶら歩く。Twitterかどこかで知ったのだけれど、『三体』という題の中国のSF小説が面白いらしいというのでどんなものかな〜と立ち読みしようとしたら、在庫がなかった。2巻と3巻はあるし、なんなら平積みされているのに! しかも、この前に別の本屋で探したときも2巻と3巻だけあったのだ。やめてくれ〜〜

・やることがなくなってしまったので吸い寄せられるようにゲーセンに入る。maimaiをするぞ。

・突然だけれど、maimai(に限らず音ゲー全般)には、普通じゃない運指をするのがかっこいい、という風潮がある。何か変な動きをしているのにパーフェクト判定を出していると、すごい。

・maimaiでの特殊運指の代表格は「押しスライド(いわゆる押しスラ)」というやつだ。maimaiには線に沿って指でなぞる「スライドノーツ」というものがあるのだが、なぞらずに画面の数カ所を適切に「押す」だけでスライドノーツを処理する技術が「押しスラ」である。

スライドノーツ

・理屈は簡単だ。maimaiの円形の画面は30個程度の領域に分割されており、各領域にセンサーが内蔵されている。スライドが通る線上に位置するセンサーが順番に押されたかどうかで、なぞったかどうかを判定している。つまり、的確にセンサーを順番に押していけば、なぞらなくてもいいのである。基本的には、押しスラをするよりも普通になぞったほうが楽なのだが、遅いスライドを処理するときには結構便利で、私もよく使ったりする。

・maimaiにはこれに限らず、スライドノーツの判定の仕様をうまく活用した特殊な運指がたくさんある。今日はその中のひとつを試したくてゲーセンにやってきた次第だ。

・今回挑戦するのは、次のようなスライドをうまく処理する運指である。

こういうスライド、やりにくいよね

・この配置は単純であるがゆえに様々な曲に登場する。ふつうこのスライドを処理するには、両手で星をたたき、矢印にそって両手を外周にそってなぞっていけばよい。

・ただ、maimaiを何度もやっていると分かるのだが、このスライドがくると結構怖い。両手をスライドの終点までなぞりきるのに失敗しミス判定になることが多いからだ。想像してもらうと分かるが、左の星を左手で、右の星を右手でとった場合、なぞり終わることには両腕をかなりひねることになる。また、このスライドをなぞるスピードが速いことが多く(8分音符1個分でなぞりきらなければならないことがほとんど)、焦って最後まで触りきれていないことがよくある。

・だが、腕をひねらなくてもいい裏技がある。スライドの軌道にそってなぞるのではなく、コースを逸脱して逆方向になぞるのである。

・指示を完全に無視しているが、実はこれでできてしまう。

・なぜかというと、maimaiのスライド判定には「センサーを1個飛ばしても許容される」という重要な仕様があるからだ。

・例えば、上記の外周スライドはA2→A3→A4→A5という4個のセンサーを通っているため、これらのセンサーを順番にさわることでなぞったとみなされる。

なぞると①〜④の順にセンサーが反応する

・だが、上記の仕様により、たとえA3センサーを触らなかったとしてもミス扱いにはならない。A2〜A4のあいだで押されていないセンサーが1個以下だからだ。これは、特に早いスライドなどで正しくなぞっているにもかかわらずセンサーが反応しない事態を防ぐためのものだろう。ただし、終点のセンサー (A5) だけはちゃんと押さなければならないが。

これでOK

・というわけで、左のスライドと合わせると、実は以下の6箇所のセンサーを押すだけでいいのだ。

A3/A7センサーは飛ばしてよい

・ここまでくれば上で紹介した謎運指のタネがわかるだろう。これら6個のセンサーを順に触ればどんな運指をしてもいいのだから、上半分のセンサー(A8/A1/A2)を右手で、下半分のセンサー(A4/A5/A6)を左手で担当してもよいのだ。

A1/A8とA5/A4は流すのではなく押し気味に触るとうまくいく

・ただし、A1→A8、A5→A4の順で触ってしまうと順番にセンサーに触れたことにならないため、A1/A8センサーとA5/A4センサーは同時に触らないと反応しない。それさえ気をつければ、腕を無理にひねることなく、最小限の腕の移動でスライドを処理することができる。

・「さんさーら!」のMASTER譜面を選曲して実際にやってみたが、うまくいって感動した。理屈の上で可能であることが分かっていても、本当にできることが確かめられるとやっぱり楽しい。


* * * * *


・おまけ。ちょこ先輩のsSR「茜色セレンディピティ」がとっても良かったという話をします。

・「茜色セレンディピティ」は樹里と智代子の交流を描いたコミュで、ユニット結成当初のまだお互い仲良くなりきってないころの2人の関係が描かれる。

・当時の自分たちを回想する樹里と智代子の会話が、リアルだ。最初のころの自分は変に構えてとっつきにくかっただろう、と打ち明ける樹里を皮切りに、こういうやりとりが始まる。

・この「今では親友と言えるほど気心の知れた友達に対しても、相手がどう思っているかが分からない話題についてはどこまで踏み込んで良いかわからず、探り合いが始まる」感じの再現度は、さすがだと思う。声のトーンや間の取り方を含めて、かなり”写実”だ。

・いちばん感動したのは、智代子がレッスン室でひとり練習をする樹里を見つけるシーンである。中に入ろうとする智代子の「(でも、その前に……)」のあと、画面が暗転して、「自販機に小銭を入れる効果音」と「ドリンクが落ちてくる効果音」が2回再生される。

黒背景+効果音で分からせる

・セリフなし背景なしの効果音だけでちょこ先輩が差し入れ用にもう1本飲み物を買ったことを表現するの、硬いねえ…… シャニマスのコミュってこういうことを平然とやってのけるから、好きだ。


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