「勇気」がない人の人生。
最近立て続けに違う女の子から
「今の仕事を辞めるべきだと思う。でも勇気がないんです。」
という相談というか、告白を受ける機会があった。
一人は音楽の勉強をしていて、
今の仕事の人間関係に疲弊する今のバイトを生活費のためにふさわしい仕事ではないと割り切って別の仕事を選び、
元気な時間を少しでも自己投資にかけたくて。
一人はずっと進路や就職で舞台について考えがよぎるものの、人生の岐路で勇気が出せずここまできた。
人前に立つ仕事、演技の道を選んでいたらどうなっていたかな、と不意に考えることをやめられないというもの。
人生が選択の連続であることはあらゆる媒体から引用することができる。
何万回、何億回の選択の積み重ねに人生の重大な決断は含まれている。
「人生変わんないかな」というつぶやきも、「誰か助けてくれないかな」という想いを抱くのも決して悪いことじゃないし、
モヤモヤする感情を見ないふりして存在しないと言い聞かせるのは百害あって一利なしだ。
しかし何もしなくても実は「人生」は変わり続けている。
同じこと、同じ人に囲まれていても季節は巡るし身体の細胞は変わっていく。
流行りのものは廃れるし、
趣味や嗜好はあんなにいいと思っていたのにあっさり興味がなくなる自分に驚いたりする。
たった1秒前に予期しなかった地震や災害、ハプニングや事故でいたい場所にいられなくなること、
一緒にいたい人といられなくなることがあることは、この国に住む人ならば簡単に想像がつく。
変わらないということを選んでも、回りの変化からは逃れられない。
変わっていかざるを得ないのが人生で、
それら全部納得した上で、
「人生変わんないかな」
とふいに思うのは、
本人が言うように
「勇気がない」からだと思う。
変わることは勇気がいる。
そして誰かが変えてくれることはまあない。
きっかけはくれる人がいても最後に選ぶのは自分自身だ。
そして勇気を出すことが一番大切なんじゃない。
自分の優先順位が明確かどうかが大切なんだと思う。
安定を求めることも、
冒険に出かけることも、
誰かを支えることに人生の意義を見出すことも、
毎日の習慣を金色に感じることも、
毎日違う人に会うことも、
貴賎はない。
これが一番、に出会えても、出会えなくても人生は続くし、いずれ終わる。
「変わりたい、でも怖い」と思うとき、
何が本当に怖いのか考えて、そして選びたいと私は思う。
正直めっちゃ怖いけど、後悔することもめっちゃくちゃあったけど。
生まれてから墓場までついてきてくれる人は誰もいない。寂しくて怖いの、当然だと思う。
あの時、「何を選んでもいいと思う」と言ったのは全部本心です。
あのあともし「稲松さんならどうします?」
と聞かれたらまずこの話をして、
「自分の頭の中の航海士ときっちり相談して、心の中の船長と決めると思います。」
そう答えると思うし、いつでもそう答えられる自分でありたいと思う。
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