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あの日、言えなかったさよならとありがとうの言葉。

もうすぐ5年経つんだなぁ、、、。


8月のある日のこと、ぽつりとそう呟いたわたし。
それもその筈、8月は9年9ヶ月働いた職場を辞めた月(当時は和歌山在住)

なので、8月になると当時のことを思い出すのは致し方ないのですが、思い出すと同時にある人のことを思い出したのです。

Mさん、元気にしてるかなぁ。

このMさんを少し紹介すると男性で、当時わたしが働いていた職場(家族で経営している電気工事会社)の下請け業者として働いていて、わたしの2回り上(ちなみに同じ干支笑)。

わたしと同世代のお子さんがいて、お孫さん(確か辞めた当時は高校生の女の子あり)がいるおじいちゃんでもあったMさん。


当時Mさんはわたしが働いていた職場で仕事をしていたものの、専属の下請け業者ではなかったので、職場経由で仕事がない時は長らく顔合わせをしなかったり。

だけども、仕事が長期化する時はほぼ毎日顔を合わせ、業務を通じて話をするようになり、ある日Mさんが職場に用があって来た時にこんなことを言われたのです。

よかったらごはん、行かへんか?
おっさんの行くとこだからオシャレなお店とかじゃないけど、うまいとこ知っとるから。

年季の入って少々くたびれた感があった(笑)作業着を着たMさんから笑顔でごはんのお誘い。

働いて1年くらい経っていてある程度Mさんの性格もわかっていたし(→潔癖症とか爆)、ゆっくり話したいなぁ。

これを機会に時折仕事が終わった後、予定を合わせて2人でごはんに行くように。


自身と年の近い娘さんがいたこともあって、職場の人というよりも、父(Mさん)と娘(わたし)でごはん行く感じでしたが笑


※写真は当時Mさんと食べたごはんではありません(あくまでイメージです)

Mさんと行ったごはんやさん、辞めるまでの間、色んなところに連れて行ってくれたにもかかわらず、5年も経つと当時のことをスコンと忘れるわたし(←ひどい笑)

前述でお話していた通り、オシャレなイタリアンには連れて行ってもらうことはありませんでしたが(笑)かすかながら初期の頃に焼き鳥屋さんに連れて行って貰った記憶を辿ると、、、

好きなもん頼みやー。


お店に入って席に着いてメニュー表を貰い、Mさんのお言葉に甘えながら、串など食べたいメニューをオーダーするわたし。


色々頼み、仕事や家族の話をしながらMさんとふたりで話すわたし。

Mさんは10代後半から現場で工事系の仕事に就き、最終的に会社特有?の組織から離れてひとり親方として独立。

ここでは書けない話もたくさんしてくれたけど(笑)長く色んな現場で働き(それは個人だったり大手だったり)現場を通じて沢山の人に出会ったからこそ話せるものだねと。

その経験が時を経て宝になったり、ネタになったりするんだなと話を聞いていて思ったわたし笑

さて、かすかながら覚えている焼き鳥屋さんの料理のお味、おじさんは美味しいものを知っている。 

その言葉の通り味にハズレがなく、どのお料理も美味しい、自分だったら間違いなくスルーする感じのお店だったので、さすがだなと当時感心したっけなぁー。


そんなMさんとごはんに行くようになり、月日は流れ職場で働いて10年目になろうとしていた2016年7月上旬。

わたしは8月で退職の意思を上司でもある社長に伝え、翌日以降その話は社員さんの耳にもじわじわと入ることに。

ところがわたしが退職する意思を伝えた当時Mさんは他の現場で付きっきりの仕事が入り、年明けと春頃に職場に顔を出して以降、パタリと姿を見せなくなったのです。


春頃に職場に顔出しに来た際、Mさんはわたしにこんなことを言っていたのです。

今の仕事、長期での仕事忙しいんだなー。 
すまんけど、ごはんちょっといけそうにないなぁー。

と言っていたのを思い出したわたし、辞めるまでの間、直接言えるかわからないからMさんに辞める旨の電話を、、と思いつつも、仕事が忙しいのに電話するのは迷惑だろうな。


わたしはMさんに辞めるのひとことがなかなか言い出せないまま、職場を辞める日が刻一刻と迫っていたのを覚えています。

職場をいよいよ辞める8月に入ったある日、自席で仕事をしていると、出入り口からふらりと人が入るので誰かと思うと、よーく見るとMさん本人が!!

専務(上司兼社長の叔父にあたる)に用があったようで、暫しふたりで近くの打ち合わせ席にて話し合い(Mさんにアイスコーヒー出したのを覚えてる)

話し合いが終わり、専務がMさんに挨拶をして別室に向かった後、社内にはわたしとMさんのふたりのみ(社長や他の社員さんはたまたま不在)

専務との話し合いの後、別の予定が控えていたようだったので、帰る前にMさんにサッと話そう、そう思っていた矢先、Mさんはわたしにこう声かけてくれたのです。

◯日以降だったら、現場の仕事もひと段落して都合付くから、ごはんまた行こかー。

Mさんはこう声かけてくれた際、わたしはこんなことを思ったのです。

Mさん、わたしが辞めることを社長や専務から聞かされてないんだ、、、。


ちなみにMさんが言った日にち、わたしが辞めてもう職場にはいない日(9月でした)、辞めることを知らないMさん。

わたしとはまたごはんに行けると思ってお誘い、辞めるの言葉がもうここまでという所まで出かかっていたのに、Mさんの言葉で引っ込んで言えなくなってしまうという事態に。

何も言えないわたしにMさんにじゃあ!
と笑顔でわたしに言って職場を後に、これがMさんを見た最後となりました。

仕事を辞めて早5年、仕事している時も仕事から離れてもわたしを気遣い、よくしてくださったMさんに辞めるのひとことがどうして言えなかったんだろう、辞める以外にも「長い間ありがとうございました」。

毎年8月になると、Mさんに辞めることと感謝の気持ちが言えなかったことを悔いると同時に当時の色んな思い出が甦ってきます。

9年9ヶ月働いた職場を辞めて半年後には東京へ上京、2年前までは年に数回実家のある和歌山に帰省するも、実家に滞在中Mさんとどこかでばったり会うかなぁと少し期待しつつも、そんな奇跡的なことは一切なし。

最後にMさんに会ってから2021年で5年、Mさんは今60代半ば、まだ(当時)働いていた職場で仕事されているかな?コロナ禍だけど元気にされているかな??

会う度にMさんから明るく元気を貰っていたわたしが今、Mさんにできることはといいますと、、

今大変な時期だけど(東京ほどではないけど、和歌山も感染者数増えているので)好きな仕事をバリバリして、毎日元気で過ごされている事を祈ろう。


日本地図を見ると小さく見えるけど、実はかなり広範囲で大きい東京の街からわたしは祈りたいと思います。

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