都立中高一貫校応募状況を見て思うこと
倍率が低くなった
都立中高一貫校の応募状況が出ましたね。
こちらを見て一番初めに思ったのが「倍率、低くなったな!」ということです。ここ最近、5倍~6倍で推移していた倍率が、4倍台になっています。教育熱心層が多く通学区域も広い三鷹中等ですら、4.8倍です。一時は6倍近い応募が殺到したのに。
記念受験層が減った
これに尽きるのではないかなと思います。うちは三鷹が一番近いのですが、周りで「受検料金も安いし、とりあえず記念で受けてみようかな。受かったらラッキーだよね」というご家庭、結構いました。本音か建前かはわかりませんが、世間話程度でもこのような会話が聞こえてくるあたり、おそらくそういう家庭も少なくないと思われます。
「学校の範囲からしか出ないから、学校で成績が良いから受けてみようかな」というような受験です。しかしどうやらそこまで甘くないんじゃないか、何かしらの対策が必要なんじゃないかということが、少しずつ分かってきた。その結果、しっかりと対策をした受験層のみが残ることになったのではないでしょうか。
やっぱりお金がかかる
対策をするにはお金がかかります。都立受験といえばenaが有名ですね。
なかなかの課金具合です。「なんとなく受けてみようかな。対策も必要なのかな」と見た人にはびっくりする値段。倍率5倍近くの狭き門、5人のうち4人は落ちるような試験に、この金額をかけてでも挑みたいという人はあまりいないのかなと思います。
「合格」を勝ち取る戦略としてはいまいち
私立型の中学受験に切り替えるか、高校受験に進むかのどちらかですが、私立型の中学受験で併願することができる公立受験でもいくつかネックがあります。
貴重な2/3をつぶすのか?
私立型の勉強に切り替えたのであれば、貴重な2/3に一日つぶす必要はないかと思います。まだまだ第一志望校の受験が続いている日でもあります。
記述対策が必要
桜蔭や海城など、記述をメインとしている私立もありますが、そうでない限り思考系の問題と記述対策に慣れておく必要があります。これに時間とお金を割くことができるのか?という問題もあります。
そもそも偏差値が高い
公立中高一貫の偏差値は、一番低い都立富士でさえ四谷偏差値58。いわゆるボリュームゾーンの偏差値ではないわけです。持ち偏差値よりも高い学校に貴重な2/3をつぶしてまで受けるかどうか?やっぱりためらうのではないでしょうか。
倍率は落ち着いても、高偏差値での戦いなのは変わらない
記念受験層が減っただけで、高偏差値を持つ子たちの戦いであることは変わりません。
おそらくですが、今後は、思考コードCレベルも解ける御三家クラスの子たちが受けるようになるのかと思います。小石川では開成を蹴って進学、という話も聞きますが、そういうことなんだろうなと。本格的な私立対策をしている子が、選択肢の一つとして受ける形になりそうです。
都立中高一貫の創立理念
「各分野で信頼されるリーダー」と掲げているのだから仕方ないかな…と思いますが、個人的にはもう少しいろいろな特色があるような学校(高専のような)が一貫校であってもいいのかなぁと思ってしまいました。
税金での教育投資なので、ダイバーシティよりはまずは「勉強ができる」ことをもとにした選抜となるのは致し方ないと思いますが。
工芸高校、園芸高校、高専のような選択肢が、中高一貫でもあったらきっと楽しいだろうなぁと思ったりもするのです。
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