ジオラマ
入院前最後のライブ。
手術しなくても良いくらい元気になった。
けど推しに「手術はして」と言われたのでおとなしく言うこと聞きます。執刀医がんばれ。
本当は、いただいた言葉は自分の心の中だけに大切にしまって抱きしめていたい。
けど、"写真に写らないばしょは日々薄れていくから"、わたしだけがわかる言葉で書き記しておく。
Getting Better
なんて粋な計らい。わたしの豊かな想像力をもってしても想定しえなかった展開。
こんなわたしのために、わたしの不安を取り除くために、こんなに素晴らしく夢のようなプレゼントを用意していただけるなんて。
ライブが始まる前から涙が出た。
Here Comes The Sun
"Sun, sun, sun, here it comes."
と歌い始める直前に、「ああ、きっと大丈夫だ」と心がスルスルとほどけていった。
「明けない夜はないと言われましても、朝を待たずに死んでしまいそうなくらい辛いんですが…」と思うときもあったけど、そんな夜さえもHere Comes The Sunに救われてきたのも事実で。
これからも、きっと大丈夫だと思えた。否、思わせてくれた。
Hey Jude
名曲なのは言わずもがなですが、今までで一番心に響いて後半は放心状態。
それもそのはず。なんと、それもそのはずだったのです。そりゃ刺さるよ。
終わった瞬間に涙が止まらなくなった。この辺りでもうアイラインは終了。
"Don't make it bad."
"Make it better."
歌の中で聴いた言葉も、改めて掛けてくれた言葉も、噛み締めている。
スルメイカよりも、乾燥貝柱よりも、噛めば噛むほど味がする。"惰性で噛んでるガム"とは違う。
With A Little Help From My Friends
友達の助けがあればうまくやれる。ほんとにそう。
わたしはみんなのことが大好き。いつも。みんな。好きなところならいくらでも挙げられるよ。みんな。
でもみんなもわたしのこと好きでいてくれること、大切に想ってくれていること、ついうっかり忘れてしまう。
あなたの小さな助けは、わたしにとってはでっかいでっかい愛。
Fou You Blue
本当にかっこいい。ありがたい。いつもかっこよくて感謝。
"Elmore James got nothing on this baby."
まじでここ。ここ。ここ!好きすぎる。
いつも通りかっこいいことがこんなにも沁みる。
Let It Be
初めてアビーに行ったときの同行者と、いつの日かセッションした曲。
大昔なので彼への気持ちは一切思い出せないけれど、思い出が塗り替えられることはこれまでなかったの。
でも「Let It Beといえば2024/5/25」になった。これからこの曲を聴いたときは今日のことを思い出すだろう。
入院中は、PC持ち込むのはやめる。仕事のために本読むのもやめる。英語の勉強もしない。"Let It Be."
ゼルダは救おう。
Please Please Me
小学生の音楽の授業で合奏した曲。
高校生の時初めてバンドでやった曲。
今日のアビーのラストの曲。
死ぬのか?と思うほどタイミングが合いすぎている。でもここで本当に死んじゃったら、退屈な映画のラストシーンじゃん。
なので逆に死ぬわけがないと確信した。
そもそも危険な手術ではない。
みんなが私のことを勇気付けてくれたように、私もみんなに恩返ししたい。どうすれば返していけるかな。
While My Guitar Gently Weeps
言葉にならない。
この光景を目に焼き付けてそのまま保存できればと願いながら、祈るように曲の世界に没入していた。気付けばギターソロを聴きながら涙が頬を伝っている。
そういえば去年の夏、友達とアビーに行ったときもこの曲で泣いてたっけか。
残念ながら光景も気持ちも保存はできない。けどだからこそまた行きたいと思うし、生きようと思う。
針と糸
全てはピックアップしきれなかったんだけどね、従前に挙げた言葉が嬉しかったのはもちろん、私を応援しようと言葉を紡いでくれたことが本当に力になっている。
With A Little Help From My Friendsを聴きながら「わたしは愛されてること忘れがちなんだよなー。何回繰り返すんだこのミス。」って思ってたら、「あなたはみんなに愛されてるから。」って。
こんなに慈愛に満ちた言葉があるだろうか。「愛してる」よりも力強い言葉がこの世に存在することを知った。
今日は自分のための涙をたくさん流してしまった。このnoteを書きながらもべそをかいている。情けない。
入院までも退院してからも、みんなのために悲しみ、みんなのために働き、みんなの喜びを自分のこととする。
"スペアのない世界にただ一つの命を利用して"決意を新たにした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?