アガサ・クリスティーについて思うところ

 近年の私はネットばかり見て読書というものを全然しなくなりましたが(苦笑)、中高生の頃は読書が趣味で、特にミステリーが好きでした。その中でも特に好きだったのがアガサ・クリスティーの作品。
 元々本格的にミステリー好きになったのはクリスティーがきっかけ。小学生時代、それまでミステリーといえば児童向けのホームズものくらいしか読んでなかった私ですが、やはり児童向けのミステリー全集みたいなのでクリスティーの「ABC殺人事件」を読んで本格的にミステリー好きになりました。その後10数年かけてクリスティ作品は全作読破。
 映画も「ナイル殺人事件」(旧作)から「死海殺人事件」あたりまでは劇場に足を運びました。もちろん、スーシェ版の「名探偵ポワロ」も全話視聴。マープル物は全部見れてないはずですが。
 クリスティーの作品の魅力というのは、ミステリーとしてはもちろん、「小説」として面白い、読みやすいところだと思います。そのあたりが、同じ少し先輩かほぼ同時代のヴァン・ダインやクイーンと違うところだと思います(両者のファンの方、ごめんなさい)。
 この時期のいわゆる「本格派」の作品というのは、「謎解き」に主眼が置かれて、人間描写が希薄な気がします。あくまで登場人物は「推理ゲームの駒」という印象で。だから、読んでいてもイマイチ作品世界に浸れない。また、上記のヴァン・ダイン、クイーンが生んだ探偵たちも頭脳明晰ではあるけど、それ以外にキャラが立ってない。ポワロ、マーブルといったクリスティーの生んだ探偵たちのキャラ立ちが強いのとは対照的。むろん、クインやパーカー・パインといったクリスティーの生んだ探偵にもキャラの薄いはいますが、だからこそ彼らはポワロやマープルのように長期にわたって描かれなかったのだと思います。
 こうして人間がちゃんと描かれてて読みやすいうえに、時として「アクロイド殺し」や「オリエント急行の殺人」のような大ネタをぶち込んでくる。これで面白くないわけがない。
 次回は個人的に印象深いクリスティーこ個々の作品について語りたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?