映画「さよならドビュッシー」感想

 このところニコ生をサイバー攻撃のため見ることができず、暇な時間に「いつか見ようと思ってたけど今まで見て無かった映画を何作かUNEXTで視聴しました。そのひとつの今作の感想を。なお、この作品は「ミステリー」のジャンルで、以下思いきり「ネタバレ」してるのでご注意を。
 冒頭、よく似た容姿の2人の人間がいて、大火事で2人のうち1人が生き残る。この設定だけで、大半のミステリーファンは「あ、入れ替えパターンね」と思うはず。
 で、実際にそう(苦笑)。ただ、実際の後の展開を見ていると視聴者は「ヒロインは亡くなった従妹のことを思って頑張ってるんだな」と思って、ミステリーファン以外は意外と気づかないかも。イメージシーンに登場する従妹は、実は火事にあう前のヒロイン本人。この辺りは小説にできない、映画ならでは演出だと思います。
 最初にこの作品を「ミステリー」と書きましたが、作品全体の空気はむしろ「スポ根」もの近い。ピアノ版「エースをねらえ!」という印象。まさにヒロインが岡ひろみで、ピアノの先生が宗方コーチポジ。そうなると、お蝶婦人にあたるキャラも出てほしかったですが(笑)。
 原作にあった主人公へのいじめ描写や、「マスゴミ」の描写は控えめで、それはそれ良かったと思います。一方、原作に登場した強気のライバルキャラ(例えれば緑川蘭子ポジ?)が出なかったのは残念。
 クライマックスが演奏シーンなのは原作通りなのですが、そこに回想シーンを絡めるのは「砂の器」オマージュでしょうか?「砂の器」同様、このシーンは泣けます。個人的には、原作では終盤登場しなかった事件を追う刑事さんに、ヒロインの演奏を目こぼしするシーンとかオリジナルであればと思ったりしましたが。
 最後になりましたが、主演の橋本愛さんの可愛さ・儚さ・健気さは絶品!もう10年くらい前の映画になりますが、もっと早く見ればよかったと思いました。

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