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レイオフされた私が路頭に迷わないように準備した10のステップ

終身雇用の時代が終わりを告げ、いつ職を失ってもおかしくない時代に突入しました。資本主義社会が日本より10年先に進んでいるアメリカではとっくに終身雇用は終わり、レイオフ、いわゆる経営悪化による人員削減が当たり前になってきています。個人的にはたった3年の間に同僚や友だちがレイオフされるのを10人以上みてきており、統計的には毎年50万人近くが解雇通知を受けています。

先日、3Dアーティストとして働いていた米現地企業でレイオフに合いました。マーフィーの法則(何か悪いことが起こるなら、絶対に起こる)とは長年仲良くやってきましたが、「失業」が人生リストにこんなに早く加わるとは、と思っています。頭が真っ白になるかと思えば意外にも冷静に対応でき、かなり良い条件で着地できたと思うのでシェアしてます。

1. 失業してない人も!情報を知ってるだけでかなり有利

今だからこそですが、経営の雲行き、社員の士気や扱われ方など「なんかおかしい」雰囲気はずっと感じていました。最初はただ怯えるだけだったのが、いつ首を切られるかわからない現実と向き合い、失業したときの対処法をあらかじめネットで読んでいたのが今回かなり役に立ちました。なので、

会社に対して「なんかおかしい」と思ったら、思ってなくても、簡単にで良いので解雇について一通り情報を集めておくことをオススメします。

2. いつか辞めるなら、今すぐフリーランス準備を

さらに今だからこそですが、会社で働く、というモデルがそもそも自分に合ってないことも薄々感じていて、5年10年続けるなんて絶対無理、もっと早く精神衛生が荒れる可能性も考えました。いつ辞めても大丈夫なように、安アパートに引っ越して貯金しまくり、退社後と週末はフリーランスを積み上げるのに使っていました。おかげで金銭的・精神的にかなり余裕を持つことができ、スムーズに交渉や行動ができました。結論としては

いずれ辞めそう・精神を壊しそう・辞めさせられそうなら、今すぐにフリーランスを積み上げ始めても早すぎることはないです。

何から手をつけていいかわからない人は、プロのフリーランサーから情報収集するのが良い入り口になるかと思います。私が個人的にフリーランス発信の分野で拝見させて頂いた方を何人かシェアさせて頂きます。

高田ゲンキさん ベルリン在住フリーランスイラストレーター歴15年のベテランさんです。
ダストマンさん 映像系チュートリアルYouTuberさんですが、フリーランス・田舎暮らし・映像スキルアップ術も公開していらっしゃいます
トミナガハルキさん 写真からグラフィックデザインまで多岐に渡る分野で活躍されていらっしゃいます。たくさんビジネスアディアを頂けるモーメント、必見です。


The Futur (英語) 英語なので番外編ですが、フリーランス術のほぼ全てを教わり、外せませんでした。アート・デザイン系ならYouTube、ポッドキャスト共に必見。ゲストもいつもえらい豪華です


3. 失業0日目 言質をとり交渉する

会議室に呼ばれ「契約終了です」と言われるやつですね。以下を聞きました。事務的なものから徐々に本質的なものに移るイメージです。

失業手当が出るか
医療保険の延長はあるか
契約終了後の法的な縛りが解消されるか
何がいけなかったのか

ポイントは「何がいけなかったのか」です。何か悪いことをした(=クビ)ではない場合、また自主退社の場合でも、交渉できます。私はパフォーマンスに問題がなく、単に経営悪化で首が回らないから、ということだったので「フリーランサーとして契約関係になることはできないか」または「パートタイム(バイト)なら続行可能か」と交渉し、家賃とおこづかいぐらいの安月給が安定的に入るリモートのパートタイムという、収入ゼロに比べればかなり良い条件で契約を続投できました。断られてもそれ以上失うものはないので当たって砕けろの精神で試してみてください。

4. 自分をいたわる

ものすごい不幸が襲ってきたわけですから、十分に自分をいたわり、友だちに電話や話をし、ご飯に付き合ってもらい、ゆっくり寝て、自分をいたわってください。また私は同時に悲しみにくれる期間に締切をもうけました。もともと根暗なのでそうしないといつまでも悲しんでいるだけになるからです。

5. ニート生活についてのリサーチと習慣

ニート経験のある友だちやブログ記事をざっくり読み漁ったところ「孤独と社会的存在意義のなさに苛まれて精神衛生がやばい」という意見が圧倒的に多かったです。1-2日目は、やられる前にその対策を立てようという期間です。

対抗策はどうやら習慣だということがわかってきました。必要なことをリストアップした結果です

起きる時間、朝ごはん、モーニングルーティン
散歩・コーヒーを買いに行く等「出勤退勤」の習慣
仕事部屋を分け、携帯を違う部屋に置く
運動、日光を浴びる時間を作る

起きる時間を決め、朝ごはんをちゃんと食べることで基本的なところでダメージがくるのを防げます。散歩程度の運動と日光を30分浴びることで比較的省エネながらも精神がやられるのを防げます。私は2年前から続けているルーティンを続けているので、続投をスケジュールに入れました。これらの情報はこちらの本を参考にしています(洋書で読んでいます)


6. 始業・就業のシグナル

仕事と生活が同じ空間でできるフリーランスでは、始業・就業を決めないとズルズル残業したり、仕事をいつまでも始めない可能性が十分考えられました。仕事部屋を分ける、携帯を違う部屋に置く、散歩・コーヒーを買いに行くなど「出勤」の習慣が効果的だと思われます。近所を散歩して出勤ルートを見つけ、寝室からパソコンを引っ張り出してちょっとした模様替えをしました。以下の本を参考にしています。


7. 目標とスケジュール

1日目のリサーチで「しばらくニートを楽しんでいるうちに鬱になる」という情報を得たので、目標とスケジュールを立てて淡々とこなす方向に軌道修正しました。フリーランスを積み立てていたと言ってもさすがに2日で仕事を見つけられるわけではないので、ニート生活の目標とスケジュールを立て直しました。

8. 人生、どうしたいのかを再考

目下の人生の目標は「誰にも指図されず、好きなところで、スキルの切り売りではない方法で仕事する」です。実現可能性はおいといて、どういうルートがあるのかブレストしましょう。

文章(ブログ、マーケティング、コピー等)
言語(翻訳、通訳、講師)
アート・デザイン
プログラミング
コンサル

などは開始資金ゼロで始められます。すぐにお金にはなりません。

9. 毎日の積み上げ、緊急性が低く重要性が高い仕事

あらゆる出来事は緊急性と重要性の軸によって4つに分けられられます。

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「7つの習慣」より

書籍「7つの習慣」では第二領域「緊急性が低く重要性が高いこと」を人生における最優先事項とし、可能な限りの時間を費やすことを勧めています。

貯金があり、当座の(最低限の)運転資金があり、フリーランスも多少どうにかなっている今、上にあげたような目標にできるだけ全振りするのが吉では?とみました。今すぐ始められること、過去ログがあるだけである程度強くなれること、初期投資として圧倒的な労力と時間が必要なことを考慮して、毎日の積み上げは「3Dスキルの向上とブログ」に絞りました。

10. スケジュールを詰める

目標が決まってきたら日々のスケジュールも立てやすくなりました。1日最低4時間のCinema 4D、2-3時間のブログ(4時間ぐらいを考慮に入れる)を予定に入れると普通に働いていたときと同じぐらいの時間、「自分に投資」する時間に振ることができました。おまけ えっ、仕事探さないんですか...?

そもそも、仕事探さないの?という話ですね。探すには探します...ただ仕事を見つけるのには時間がかかります。そんな中仕事探しだけをこなしているとおそらく精神衛生が危なくなると思います。レイオフ経験のある友だちに聞き、履歴書などを一通り揃えてからは2日に1回1時間程度で求人情報は追える、ということだったのであんまり予定に入れませんでした。

取りこぼし

孤独についてどうするか今のところ考え中です。仕事に没頭して気にならなくなればいいな、とは思っていますが「毎日話してもウザがらない人を見つける」ができれば一番いいと思います。

まとめ

長々と書きましたが、失業して2日で結構良い方向に進んだように思います。ポイントとしては以下の通りです。

雇用されているなら、解雇のための最低限の情報を調べておく
辞めたい、辞めさせられそうなら今すぐフリーランスを積み上げ始める
交渉し、少ない資金でも得られるように当たって砕ける
悲しみにくれる期間に締め切りをもうける
孤独と存在意義による落ち込み対策を最優先し、できるだけ先手をうつ
無限に手に入れた時間を、緊急性が低く重要性が高い仕事に全振りする


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