推しに小川洋子作品を朗読してほしい話
推しに小川洋子作品を朗読してほしい。
具体的に言えば声優の仲村宗悟氏に小川洋子作品を朗読してほしい。
これはもはやオタクの宿命だと思う。
自分を形作った小説、歌、映画、ドラマ、そういったものを贔屓の役者に演じてもらいたいという感情はほとんど本能だ。
例えここにしかない需要だとしてもインターネットに刻み付けてやる。
とまあ、そういった趣旨の記事であり、推し小説のダイマ偏愛記事ですので、適度に薄ら笑いを浮かべながら読んでいただければと思います。
散歩同盟会長への手紙
実在の人物をモチーフに書かれた短篇集「不時着する流星たち」から、ローベルト・ヴァルザーを主題にした第二話「散歩同盟会長への手紙」。
「散歩」への深い愛情と真摯な心意気が綴られている作品です。
生活への静かな洞察に満ちた小川作品らしい空気を存分に楽しめます。
推しに朗読してほしい理由は、なんといっても仲村宗悟氏がお散歩好きだから。
散歩への愛を過不足なく、ぴったりと寄り添って表現してくれるはずだ。という信頼をもっています。
話し手の心の内にあふれる言葉のよき理解者、よき代弁者になってくれるはず。
十篇の流星たちがそれぞれ声を得て表現されるときが来るのなら、絶対に第二話は推しの声で聴きたいです。角川さん、何卒よろしくお願い申し上げます。
一つの歌を分け合う
人々のささやかな生活の営みを切り取った一冊「口笛の上手な白雪姫」から「一つの歌を分け合う」を。
ミュージカル『レ・ミゼラブル』を中心に“僕”と“伯母”のやわらかな心の共有を感じる一篇です。
「歌が持つ力」なんて表現すると陳腐になってしまうかもしれませんが、歌の説得力や切実さ、心と心を深い場所で結びつける作用、そういったものを読んで体感できる作品だと思います。
朗読してほしい理由は、仲村氏が役者であり、歌手でもあるから。
歌の力を知っている人、信じている人だと思うからです。
そして歌を通して行われる静かな心の交流を語るのにちょうどよい、穏やかで優しい声の持ち主です。
幻冬舎さん、何かの折に「一つの歌を分け合う」を取り上げる際は何卒よろしくお願い申し上げます。
冷めない紅茶
小川洋子の世界を堪能できる初期作品集「完璧な病室」から「冷めない紅茶」を。
この作品に関しては意味の分からないnote記事を残させていただいているので、酔狂な方は読んでください。
仲村宗悟さんが演じた「中谷宗二」というキャラクターが好きすぎるのですが、そういう抽斗を持っている方が読んだらどんな質感になるのだろうという興味がめちゃくちゃあります。
つまりわたしの趣味です。
中央公論新社さん、何卒よろしくお願い申し上げます。
薬指の標本
趣味です。それ以上でもそれ以下でもありません。
美しくてグロテスク、静かで激しい、そんな物語を推しの声で聴きたい。推しの解釈を浴びたい。
新潮社さん、何卒よろしくお願い申し上げます。
おわり
以上でオタク偏愛記事は終わりです。
正直、これをきっかけに小川洋子作品に興味を持つ人がいるとも思えませんが、そうなったら嬉しいです。
もしパワーを持っている人に読んでいただけたなら、この気持ちはガチなのでご検討宜しくお願いします。お金なら払います。
それでは、お付き合いいただきありがとうございました!
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